定年後の過ごし方は? セカンドライフを見つけるための思考のヒント

人生100年時代を生きるキーワード:定年後の過ごし方

2022.11.30

 

定年後の過ごし方を充実させるための思考のヒント
(デザイン:西條那菜)

 

 「時間を持て余してしまうのではないか? 」「どう過ごせばよいのか? 」など、定年後の過ごし方を想像した経験がある人も多いでしょう。定年後は、これまで仕事をしていた8時間が、いきなり自由時間として転がり込んできます。この記事では、その答えである「あなたの定年後のライフスタイル」を見つけるための「思考のヒント」を紹介します。

<目次>

 

1.定年後の時間を充実させるためには

 24時間365日、どこにも区切りがなく、何をしても、しなくてもよい状態を続けるのも案外と難しいものです。そこで、定年後の過ごし方は「メリハリのある生活」が理想的です。そのためには、対になるセットの考え方を取り入れてみましょう。

 対になることを行うことによって、生活にコントラストがつきます。ぼんやりする時間があっても問題ありません。ハッとしたり緊張したり刺激を受けたりする時間があってこそ、「ぼんやり」の時間にも充足感を覚えるものです。「対になるもの」を意識しながら、定年後の過ごし方を考えてみましょう。

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2.定年後の過ごし方 三つの「対となる考え方」を取り入れてみる

定年後の過ごし方は?

 定年後に求める過ごし方は、人それぞれ違うはずです。そこで、定年後の過ごし方を見つけるために必要な「考えるためのヒント」を三つ紹介します。

・「働く・遊ぶ」
・「ひとりで・仲間と」
・「なじみ深い・新しい」

 それぞれを解説していきます。

(1)「働く・遊ぶ」

 「働く」と「遊ぶ」二つのスイッチを切り替えることで、メリハリのある暮らしがかないやすくなります。「一日中ぶらぶら過ごすなんて楽だなぁ」と定年前の現役時代には思うものですが、それがたまの休みではなく「年中休み」となると別の話です。

 「仕事・休み」という二つのスイッチの切り替えに悩むのが現役世代なら、定年後は逆に「切り替えの必要がない日々」でメリハリをつけるのが難しくなります。

 定年後は、自分でスイッチを切り替えることが大切です。そのもっともわかりやすい方法が「働くこと」と「遊ぶこと」です。

 働くことも、定年後はさまざまなスタイルが考えられます。現職を続ける以外にも、派遣社員として働きながら、趣味を楽しむために長期休暇をスケジュールすることも可能です。あるいはこれまでの人脈やスキルを生かして思い切って起業したり、フリーランスとして自由度の高い働き方をしたりすることも可能でしょう。

 一方で「遊び」は、現役時代にはなかなかできなかった長期の旅行、仕事が忙しく遠のいてしまった趣味、若い頃にやってみたかったことなどに挑戦できるチャンスがあります。

 今の60代はパワフルでアクティブな人が多いはずです。定年後は自分でスイッチを自由に切り替えられるので、どちらに比重を置くにせよ、まずは基本として「働くこと・遊ぶこと」の二つを意識しながら、定年後の過ごし方を見つけてみましょう。

(2)「ひとりで・仲間と」

 仕事にせよ、遊びにせよ「ひとりですること」と「仲間と一緒に行うこと」の両方を意識してみましょう。ひとりでじっくり取り組む趣味や、自分だけの時間を大切にすることを探しみてください。たとえば、ソロキャンプやジョギング、ジム通い、料理や手芸はひとりでも楽しめる趣味の一つです。あるいは実用を兼ねた趣味として、資格取得などもおすすめです。

 それと共に、コミュニティーに加わり、出会いや交流を得る機会があると「仲間と一緒に行うこと」になります。仲間がいる良さは、何かを一緒に行い、時間を共有し、その後にまた「情報交換をしたり、飲みに行ったり」などの楽しみが増えることです。時間や活動を共にする、分かち合うのは満足感も大きいものです。また、地域の活動に加わる、趣味のサークルに参加する、ボランティア団体に加入し仲間と共にさまざまな社会的貢献に携わる方法などもおすすめです。さらに、SNSで情報を発信しながら「同好の士」とつながり、自らコミュニティーを作ることも可能です。

 「ひとりでも人生を楽しめる」「仲間とも人生を共有できる」という、二つの選択肢があることで、バランスのよい暮らしになり、充足感を得られやすくなるでしょう。

(3)「なじみ深い・新しい」

 50歳をすぎると、どうしても「いきつけの店」「昔からの知り合い」「なじみのある場所」ばかりに足が向きがちです。古くからの友人や昔の同僚と「いつもの注文」で通るような店でゆったり過ごすのは、人生経験豊かなサードエイジ世代ならではの楽しみです。

 居心地がよいのでそこに安住しがちですが、ゆるみがちな定年後の日々にピリッとアクセントをつけてくれるような、新しい領域にもぜひ足を踏み入れてみましょう。

 なじみ深いモノやコトは、あなたが今まで積み重ねてきた時間が生んだ宝物です。そこでひと区切りとなる定年を境にして、今度はこれまで付き合ってこなかった新しいモノやコトを付け加えていけば、人生はより豊かになるはずです。

 今から「いつかやってみたいことリスト」を作って、じっくり練り上げておくのもおすすめです。

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3.定年後の過ごし方で注意したいポイント二つ

 充実したセカンドライフのために、注意すべきポイントもおさえておきましょう。大切なのは、定年後のライフスタイルを支える健康とお金です。

(1)健康面に気を遣う

 50代、60代になると「無理がきかなくなったな」とか「いよいよ老眼になってきたようだ」と体の変化を感じることが多くあります。動ける体はあなたの大切な資本なので、定年後は自分で自分の体を管理する意識が必要です。たとえば、白内障などの疑いがあれば眼科で検診を受ける、適度な運動をして体力低下を防ぐといったことに気をつけましょう。

 筆者はこの記事を執筆する半年ほど前から、ジムでトレーニングを始めました。何もないところで転びそうになったり、駅の階段で息があがったり「まさか老化現象? 」と急に気になりだしたのがきっかけです。下半身の強化と体幹を鍛える運動を中心に行っていますが、トレーナーから「体力維持の他、ケガ予防にもつながる」と言われています。まだまだこれから、将来のために「体力貯金」を積んでおきましょう!

(2)資産を管理する

 定年後は、それ以前と収入が大きく変わります。お金についてはある程度のめどはついているとしても、たとえば親の介護や家の修理など、老後もまとまったお金が出ていくことはありえます。退職金や年金を含め、老後の資金については一度しっかりと確認しておきましょう。資産管理が苦手な人は、ファイナンシャルプランナーや信託銀行の窓口などで相談してみるのも一つの方法です。

 周囲では、投資の勉強を始めた人が増えている印象があります。知人は「投資のシミュレーションアプリ」を遊び半分で使ってみたそう。実際に資金を投入するわけではないので気軽に始められ、株や投資の仕組みがリアルにわかるとおすすめされました。筆者も挑戦してみようかと思っているところです。

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4.定年後の時間を充実させるために今からしたい準備

定年後の過ごし方は?

 最後に、定年後を充実して過ごすために、今からしておきたい準備についてご紹介します。

(1)定年後の計画をたてる

 しっかりとした計画を立てる必要はありませんが、少しずつ「やりたいことや理想の暮らし」について家族で話し合ったり、じっくりとひとりで考えてみたりするようにしましょう。ある程度、ライフプランが見えてくれば、老後資金についても具体的な計画が立てられます。先を見据えることで、大きな転換に対して準備できる時間も増えるはずです。

 気楽なプランとして、作家のロバート・ハリスさんが提唱している「人生でやりたいことリスト100」を作るのもおすすめです。ポイントは、とにかく思いついたものをどんどん書いてみること。筆者の場合、スラスラと思いついたのは30個くらいで、そこから100個までが大変でしたが、とにかく思いつく限りのことをリスト化したら自分が何をしたいのかが明確になりました。あなたも試してみてはいかがでしょう?

(2)定年後に必要な手続きや制度を確認する

 定年の時期や雇用形態にもよりますが、健康保険や年金の切り替えなど、手続きが必要な場合があります。また、退職後に確定申告が必要なこともあり得ます。自分の場合はどうなのか、あわてないためにも事前に確認しておくことがおすすめです。

 知り合いは定年後の翌年、住民税の納付書が届き「収入がなくなったのに、これだけ払うのか」と焦ったそうですから、こうした支払いがあることも含めて、しっかり準備しておきたいですね。

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5.定年後の過ごし方は「今から考えておこう」

 定年後に「することがない」と嘆く人がいますが、そもそも定年後だから「何か趣味を持たなくてはならない」わけではありません。

 今、あなたが何歳であっても、まだまだ時間はあります。充実した人生の「後半」を過ごすために、楽しみながらさまざまに悩んでください。そのなかで「働く・遊ぶ」「ひとりで・仲間と」「なじみ深い・新しい」など、対の考え方を取り入れてみましょう。今回の記事があなたの「定年後の過ごし方を見つけるヒント」になれば幸いです。

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  • 大橋礼
  • 大橋 礼(おおはし・れい)

    フリーライター・編集者

    読者の視点に立った共感性のあるライティングにこだわり、子育て・教育・ワークスタイル・シニアライフ分野でインタビュー記事やコラムを執筆。人生の最盛期「サードエイジ世代」の生き方に注目し、ライフワークとしている。

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