孫の能力を伸ばし、成長を助けるために祖父母はどのような役割を果たせばいいのでしょうか。朝日新聞Reライフプロジェクトでは、慶應義塾大学総合政策学部教授・教育経済学者の中室牧子先生とReライフ読者会議メンバー6人を招いて「お孫さんの教育」について考える座談会(協賛:小学館集英社プロダクション)を開催しました。
最新の研究から祖父母がお孫さんと一緒に過ごすことや、教育に関わることが、お孫さんの能力を伸ばす助けになることがわかってきたといいます。参加した読者会議メンバーの経験や中室先生のお話を通じて、お孫さんとの関わり方について学び合いました。

座談会に参加した読者会議メンバーの皆さん
●須見さん(70代男性)
●名和さん(60代女性)
●日髙さん(60代男性)
●丹沢さん(70代男性)
●松本さん(60代女性)
●金子さん(60代女性)
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孫の成長に貢献したい祖父母の気持ち
「教育」とは「引き出すこと」
お孫さんの教育や成長にどのように関わっていますか。
日髙 孫の教育には関心があります。私はスキーの指導者をやっているので、孫にはスキーを通じて接することで成長してもらいたいと思っています。道具やウエア、リフト券なども提供しています。
須見 私は楽器メーカーに勤めていたので、ドラムやピアノをやる孫とは音楽を切り口に積極的に共通の話題を作るようにしています。楽器の購入など、金銭面での支援も行っています。
金子 孫はピアノをやっているので、発表会を見に行くなどして成長を見守っています。
みなさん、お孫さんの成長に関心を持たれながら、それぞれの向き合い方で接しているのですね。教育というと勉強、というイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、必ずしもそうではないのでしょうか。
中室先生 「教育する」の英訳「educate」は「引き出す」という意味も持つ、という考えがあります。教育というのが、そもそも人の才能を引き出すものだと考えるのであれば、勉強だけでなく、スポーツや音楽もまさしく教育といっていいと思います。音楽はどういう風に表現をするか、どの音を出すかの意思決定の連続なので、幼少期に音楽をやると認知能力を高める非常に良い効果があると言われています。スポーツは忍耐力や勤勉性、リーダーシップやコミュニケーションを鍛える力がとても強いと言われているので、非認知能力を高めると言われています。
お孫さんの健やかな生活や成長を支えてあげる「教育」という意味では、みなさんサポートしてあげたいという気持ちを持っているということですよね。お孫さんの親とはどのように接していますか。
丹沢 教育には親の考えが重要だと思います。「困ったらおいで」というように孫の逃げ場を作ってあげるのが祖父母の役割だと思っています。
日髙 勉強のことについても話をしますが、やはり孫の親である娘との接し方が重要だと感じています。
子育てについてはあくまでご両親の意見を尊重しつつ、祖父母のみなさんはそれをサポートする、という形ができるといいですよね。

教育の「投資効果」が最も高いのは幼少期
松本さんは実際にお孫さんの教育をサポートされた経験があると伺いました。
松本 何かしらの形で英語の教育をしてあげたいなと思っていましたが、孫がすごく興味を持ちました。孫の親である娘とも相談して早いうちがいいかなと思い、費用などは私が負担して、2歳になる前ぐらいに英語学習の教材を始めました。「おやすみ」というときに「Good night」と会話をする孫の姿を見て、「やってよかったね」と娘と話しています。
2歳から始められたんですね。幼いうちから教育を受けることは効果があるのでしょうか。
中室先生 経済学の世界では、教育は投資だと捉えています。その投資の収益率が高いかどうかについてはたくさんの研究があり、教育の投資効果は、幼少期が一番高いことが広く知られています。自分が獲得した知識や技術をレバレッジ(てこ)にすると、次の新しい技術や知識を獲得する時に有利になります。例えば、九九がわからないのに因数分解はできませんし、因数分解がわからないのに微分積分はできない、というのも同じようなことです。“三つ子の魂百まで”という言葉もありますが、幼少期にしっかりとした知識や技術を身に付けておくと、それが後々にレバレッジになっていくことが分かってきています。

時間やお金、祖父母の関わりが重要
中室先生 共働き世帯が増えてきており、日本では7割近くに達しています。そうした中で、子どもと接する時間がない「時間貧困」の問題が話題になりました。子どもの教育に時間やお金をかけることは重要な投資となり、「時間投資」の効果は子どもの年齢が小さいときに高くなります。小さいとき一緒にお絵かきをしたり、本を読み聞かせたりするなど、いろいろな体験をさせてあげることは子どもの認知能力を伸ばすので、幼少期にしっかりと「時間投資」をしておくことが大切になります。
中室先生 この時間投資に、祖父母がどう関わっていくのかが重要となります。孫の面倒を見ている祖父母は世界的に増加しています。ヨーロッパでは特に顕著で、祖父母が孫の教育に関わるということは世界的に見ても、もはや珍しいことではありません。そうした中で、祖父母の存在が子どもの発達や教育にどういう影響を与えているのか研究が進んできていて、親の時間やお金を祖父母が補うことが非常に効果的であるとわかってきています。祖父母が孫と一緒に過ごす時間が10年伸びると、孫が高校を卒業する確率は7%増加する、というデータも出ています(*Lehti, et al 2019)

“教育のプロ”に相談、任せることも大切
ぜひ様々な体験のプレゼントを
中室先生 一方で孫は祖父母といたら、教育を受けさせなくてもいい、というわけではありません。孫を祖父母に預けるよりも、“教育のプロ”である教育施設(幼稚園・保育所・幼児教室等)で教育を受けている方が、語彙力が高くなることがわかっています。
中室先生 それでは、お孫さんの教育において、祖父母は一体何をすべきでしょうか。ぜひ様々な「体験のプレゼント」をしてあげてください。音楽、スポーツ、お話、読み聞かせなど、祖父母と密接に接触をすることで語彙力やコミュニケーション能力が上がると考えられています。そして必要に応じて“教育のプロ”を頼ることも大切になります。ぜひ長生きをして、できるだけ多くの時間をお孫さんと過ごしてあげてください。

進化する教育ツール、孫と一緒にやりたい
座談会の最後には、未就学児向けの幼児教室の運営や小学生向け通信教育など、様々な教育サービスを展開する“教育のプロ”である小学館集英社プロダクションから、様々な教育サービスとともに、小学館の幼児教室「ドラキッズ」や小学館の通信教育「名探偵コナンゼミ」について紹介がありました。実際に使用されている教材を手に取りながら紹介を受けて、読者会議メンバーも関心が高まりました。(詳細はこちら)

「ドラキッズ」で実際に使用されている教材を手に取る読者会議メンバー
松本 改めて今はいろいろな教育ツールがあると思いました。娘はコナンの大ファンなので、コナンが主人公ならきっと親である娘も、孫のためにやりたがると思います。
日髙 英語教育に関しては、我々の時と全然違いますね。いまはかなり進化していると感じます。自分も勉強するのは嫌いでないので、できれば孫と一緒になってやりたいですね。ぜひ親に勧めてみたいと思います。

注目のお孫さん向け教育サービス
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(提供:株式会社小学館集英社プロダクション 企画制作:朝日新聞社メディアビジネス局)
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