心はやわらか 背すじピンッ 「Reライフフェス」4年ぶりリアル開催

吉永小百合さん、中村雅俊さん、市毛良枝さん、大原千鶴さん、谷本道哉さんらが出演

2023.03.25

 自分らしい生き方を応援する大人の文化祭「朝日新聞Reライフフェスティバル2023春」が3月10日、開催されました。会場でのリアル開催は4年ぶり。多彩な顔ぶれのトークや筋トレ、アンチエイジング講座などを抽選で当選した約2千人が楽しみました。4月14日午後5時まで収録動画を配信中(一部を除く)です。

 当日の様子を収録した動画はこちら(4/14まで配信中)

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映画は宝物 ■ 違う世界の扉を ■ 一緒に筋トレ

  俳優の吉永小百合さんは「今を生きる」と題し、仕事への情熱を語った。9月公開の映画で123本目。「映画は小さなころから宝物でした。いろんな人に出会い、演じることができるのは本当に貴重なうれしいこと」。毎回、魅力的な役との出会いがあって続けてきたといい、「123(いちにさん)は、やめる数字じゃないですよね。これからまたがんばっていこうっていう数字かな」とほほえんだ。

 長年、ライフワークとして平和への思いを込めた詩の朗読にも取り組む。「戦後78年ですが、私たちは戦争のことを忘れてはいけないと思っています」と話した。

 俳優・歌手の中村雅俊さんは、デビュー以来半世紀近く、芸能界の第一線で活躍し続けてきた歩みについて語った。多くの出会いに恵まれ支えられた幸運に感謝しつつ、時代の変化にもまれ、紆余曲折ある難しい芸能界で前を向き続けてきた。「もちろん良いことばかりじゃなかったですよ。視聴率が悪かったり、作品に恵まれなかったり、共演者に苦労させられたり。でもね、俺がこだわったのは、自分はやりきったかどうか。何事も諦めたり手を抜いたりしなければ、必ず次につながると信じてきたから」と振り返った。

 俳優の市毛良枝さんは40歳で始めた山登りなど、新しいことに挑戦することで、知らなかった自分に出会えた経験を語った。

 知り合いの医師らに連れられて初めて登ったのは、北アルプスの標高3千㍍近くある山。無事に下山できたとき、「体力や運動能力に自信がないというのは思い込みだったのかも」と感じたという市毛さん。「今までやりたいと思ったけどやってこなかったことを全部やってみよう」と思った。

 その後、アフリカ大陸最高峰キリマンジャロへの登頂を果たし、50代の終わりには社交ダンスを始めた。新しい世界の扉を開けるたびに友達が増え、世界が広がった。観客には「何でもいいので自分がおもしろいと思った扉を一つ開けてみると、違う世界が広がっています」と語りかけた。

 料理研究家の大原千鶴さんは「心にいつくしみを持って生きる幸せ」をテーマに話した。話題は京都の山の中で自然に囲まれて育った子ども時代から、京都人、京都のお料理とはと移りつつ、「いつくしみ」という言葉に込めた「他利」「優しいまなざし」という思いを語った。最後は、いつくしみにあふれた社会になることを願い、時間に余裕ができてくるReライフ世代こそ、周囲のひとに対して「いつくしみの心を忘れないでほしい」と締めくくった。

 「筋肉体操」で知られる順天堂大学大学院スポーツ健康科学部先任准教授の谷本道哉さんは「人生110年時代を目指す! 裏切らない筋トレ」と題して、手軽にできる筋トレを実演した。「筋肉は裏切らないかどうかはやり方次第」と呼びかけ、今年の大河ドラマにちなんだ「筋肉関ケ原」と題した背筋など四つの筋トレを紹介。谷本さんの軽妙なかけ声に合わせ、観客も一緒に筋トレを楽しんだ。

文学賞の授賞式も

 「Reライフ文学賞」(主催・文芸社)の第2回授賞式も行われた。第二の人生に巻き起こる「家族」の物語がテーマ。1878点の中から長編部門の最優秀賞は「八色ヨハネ先生の思い出」(大阪府、三宅威仁さん)に贈られた。特別選考委員で作家の内館牧子さんは「恩師の人生を通して神と人間を描いた。圧倒的におもしろく、すぐれた文章と構成力」と講評。文芸社から出版される。「Reライフ読者賞」は「最後の噓」(東京都、永田俊也さん)に贈られた。Reライフネットで公開予定。短編部門の入賞30作は合同作品集として出版される。

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