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それぞれの地域デビュー 続けるこつは「ゆるい連帯感」 

4/22開催 リアル読者会議リポート

更新日:2017年05月07日

 リアル読者会議の第2部は、メンバーが6グループに分かれ座談会形式で意見を交換した。話題の中心は、どうやって「地域デビュー」を果たすかだった。

  「今後、夫がどうやって地域デビューするのか不安だ」。そう話すのは東京都小平市の女性(55)。夫は平日は会社と自宅を往復するだけの生活で、娘の小学校入学時に移り住んだ自宅周辺には友人もなく、地域活動に関わる機会がないからだ。

 地域活動の経験者からは、会社勤めが長い男性が地域の活動に関わる際に起きうる問題点の指摘が相次いだ。
 まずは言葉遣い。千葉県印西市の大塚延男さん(68)は「会社では上下関係があって言葉遣いも決まっているが、定年後に水平の関係になると、他人とどういう立ち位置で話せばいいのか悩みました」と話す。

 触れない方が良い話題もあるらしい。「男は自分の経歴や仕事の実績など過去の自慢話になってしまいがちだが、それは避けたい。周りの人もそういうことを話題にするのはやめよう」と釘を刺すのは東京都練馬区の竹澤利器雄さん(71)。どんな基準で「入り口」となる団体を選べばいいのか。竹澤さんは「自治会など地域単位のことより趣味のような気軽に集まるところがいい。大上段には構えず、自分が楽しむことを目的とするべきだ」と助言する。

 東京都中野区で陶芸教室を開く豊村真理さん(67)は「町内会など地域のつながりよりも自分がやりたい趣味の延長で人付き合いをしたい」と話した。「できれば同年代だけでなく若い世代がいた方が刺激になる」
 そうした集まりを探す手段として、自治体が発行する広報紙やインターネットの活用が挙げられる。定年後の男性の地域デビュー支援する団体を主宰する横浜市戸塚区の中村好江さん(73)は、「近くの公共施設のチラシ配架台で探す、カウンターの相談員に聞く、あわせて口コミで誘われたものは行きやすい」と話す。

 地域の既存団体が障壁になるという意見もあった。
 東京都内で塾講師をする岡尚子さん(54)は、十数年のキャリアを生かして、いずれは地域の子どもと関わるボランティアができればと思っている。ただ、「地域」という言葉を聞くとPTA役員時代の苦い経験がよみがえるという。
 「毎年メンバーが入れ替わるPTA役員とは違い、地域には長年同じメンバーで活動している団体が多く、なかには『ボス』的な方もいて、ご機嫌を損ねないように苦労しました。再び地域に関わり、そうした方々とお付き合いすることに尻込みする自分がいます」

 自らは友人たちとジャズバンドを作っているという東京都三鷹市の今憲行さん(67)は熱く語る。「多くの人が『入り口』を探している。自分に火をつけてくれるものを探しているんですよ」その一方で、「新人さん」を受け入れる側にも悩みがあるという。

 地域活動経験者の東京都世田谷区の女性(60)は「ボランティア活動をありあまる力や経験を発散する場に利用するのはやめてほしい」と話す。特に得意分野を持つ「新人さん」を組織の中でどう生かすのか調整が難しいという。この女性は病院でボランティアをしていたこともあり、会社で働いた経験が長い「新人さん」の活力を歓迎していた。だが、次第に今までの仕事のやり方や決めごとにまで口をだすようになり、抵抗感をもつメンバーもいたという。

 千葉県市川市の小野恒さん(68)は地元の駅前の和食店の個室で月1回、サロンを開いている。参加者は男性のみ8人程度だが、持ち回りで講師を担当し自分の得意分野の話をする。「組織をつくるとルールを作りたがる人が必ず出てくるが、長続きさせるには緩やかなつながりのほうがいい」。サロンでは「酒を飲まない」のも原則だという。

 マンション管理組合で理事長の経験がある、さいたま市南区の篠原伊佐武さん(57)は、「地域デビューしたい側と求めている側をうまく組み合わせる仕組みがあれば」と提案した。
同じグループで、「地域デビューしても人間関係などでやめてしまうこともある。対策はないだろうか」という発言を受けて、考えたという。「自分に合わないと思ったら無理に続けるのではなく、『じゃあ、次の場を探そう』ということができれば、みんな楽ですよね」と話す。
 東京都大田区の前田美香さん(53)は1年半前から、自宅がある約900世帯の大規模マンションで民生委員を務めている。

 「いろんな考え方の人がいらっしゃる中で、『ゆるい連帯感』が人や地域とうまくやっていくこつかもしれません。人によって温度差があるのは当たり前。それぞれの熱意の違いを、時には受け止めることも大事なのでは」

 「リアル読者会議」に参加した方々から感想をいただきました。「30歳差でも話が弾む 『地域デビュー』体験談を共有」で紹介しています。


*読者会議の詳細についてはこちら(http://www.asahi.com/relife/dokusha)をご覧ください。

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