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「2020年までリフォームは待つべき」は本当? 

リアル読者会議「これからの住まいと人生」

更新日:2017年09月05日

 住み続けるにせよ、貸すにせよ、築年数が経った家には「リフォーム」問題が浮上します。「住まい」をテーマに7月、東京と大阪で開催した「リアル読者会議」では、リフォームをすべきかどうかで悩む参加者から、「2020年までは建築費が高いから、今は躊躇(ちゅうちょ)している」という声が上がりました。これに対し、建築家でブルースタジオ執行役員の石井健さんは「戸建て住宅には2020年問題は関係ない」とバッサリ。その理由とは……

2020年以降は建築費が下がる?

建築家・石井健さん
 さきほどから会場の議論で、「リフォームに踏み切るべきかどうか悩んでいる」という話があります。特に、「オリンピックが」「2020年が」という声が聞こえてきます。リフォームをしたくても、今は建築費が高騰しているから、オリンピックが開催される2020年を過ぎてからの方がいい、と。

 でも、おそらく、その期待は間違いだと思います。その時になったら急に工事費が安くなるということは、まずない。

 確かにいま、大型の建設工事については、ゼネコンはめいっぱいで新しいものを受けられないと言っています。だから、「これから30億円かけてビルを建てる」という人は2020年以降にやった方がいいです(笑)。

 むしろ、100200万円のリフォームは今の方がいいかもしれない。なぜかと言えば、今まだ、「本当はやめたいけど、頼まれてしまうのでやっている」という高齢の職人たちがいなくなっていく可能性があるからです。そうなると、下手をすれば、値上がりすることもあり得るわけです。だから、やるなら今、良いリフォーム業者を探すことだと思います。

そのリフォーム、本当に必要?

 そもそも、自分が住みながら困っている状況になってリフォームをするのと、売ったり貸したりするためにやるのとでは、必要かどうかの判断が違ってきます。

 暮らしていて困っている状況がある場合。たとえば、階段の上り下りがきついとか、手すりがないとか。日常的な安全に関わることなので、必要があればやるべきだと思います。バリアフリー対策は、補助が出るケースも多いので、しっかり調べるのが良いでしょう。

 また、断熱対策も大事です。(東京都健康長寿医療センター研究所の2011年の推計によると)日本での入浴中の死亡者数は、推計で年間1万7000人。交通事故の死者数(2016年は3904人)よりも多い。ヒートショックを防ぐ、健康に関わることは、やっておくのが良いと思います。

 一方、貸すためや売るためのリフォームは、まずは経済合理性を見極めることが大事。たとえば、古民家の改築は、活用例もたくさんあり、私たちのところにも依頼がきますが、古民家だからうまくいくわけじゃない。建築がすてきだったら人が集まるという単純な話ではありません。


 もう一人のゲスト、不動産コンサルタントの長嶋修さんは、「リフォームが高額」「業者選びをどうすればいいか」という質問に対し、具体的な業者の選び方をアドバイスしました。

 「まず、面倒でも、3社からは見積もりをとること。その中で、高すぎる、あるいは安すぎる1社を外して、2つを見比べる。比べるのは、契約書の中身。リフォーム推進協議会が出している標準の契約書式が参考になる。
 リフォームは手間がかかるし、途中で工事変更が多いため、『言った、言わない』にならないように書面に残すことが大事。
 マンションの改修では、管理規約を確認せずに見積もりを出す業者は怪しい。規約で決まっていることが多いフローリングの等級レベルがわからないと正確な見積もりを出せない。だから、管理規約を確認しない業者には、気をつけた方がいい」

石井健(いしい・たけし)さん プロフィル
建築家。株式会社ブルースタジオ執行役員。1969年、福岡県生まれ。日本のリノベーション分野の第一人者としてこれまで1000戸以上を手がけてきた。2012年度に「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で、2014年度に「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で、それぞれグッドデザイン賞を受賞。著書も『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』『リノベーション物件に住もう』など多数。

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