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現代アートにつながるモネの革新性 

読者会議メンバーが鑑賞した「モネ それからの100年」

更新日:2018年10月01日

 30数年間、ひたすら水面をみつめて300点以上の睡蓮(すいれん)の絵を残したクロード・モネ(1840ー1926)。フランス印象派の巨匠は、いまも最先端の現代アートのアーティストたちを刺激し続けています。最晩年の大作《睡蓮》に着手してから約100年を記念し、横浜美術館で開催された「モネ それからの100年」(2018年7月14日ー9月24日)を鑑賞した読者会議メンバーの感想を紹介します。


楽しめたテーマ別展示
 普段はライブ(本物)重視で飛ばす説明書きですが、子ども向きの解説がグー! お陰でたくさんの発見があり、作品を深くじっくり楽しめました。
 「開催者目線」で煩わしく感じることもあるテーマ別の展示方式を、今回は素直に楽しめました。選ばれた参照作品がモネの解説にとどまらず、それらの作品そのものに力があり、逆にモネがそれらの「参照」ともなっているのが最大の理由だと思います。
 デ・クーニング、マーク・ロスコ、ロイ・リキテンスタインらびっくりの登場。初めは戸惑いましたが(モネを見に来た!)テーマを進むごとに次は「モネvs.誰?」とわくわくしました。福田美蘭の《睡蓮の池》や、未知だった鈴木理策、水野勝規などの作品世界に引き込まれました。
 モネの《睡蓮》はやはり素晴らしい!
 説得力・魅力を備えたコラボレーションであることに加え、ロンドン在住の個人が所蔵する《バラの小道の家》などなじみのないモネの作品が多く出品され、2倍楽しめました。(東京都 田島伸子さん 60代)


変わらぬ人気、後世へ強い影響
 チケットを購入する売り場から大混雑で、会期終了が迫る中、親子連れや若い2人連れなども多く見かけ、やはり変わらぬ人気の高さがうかがわれた。
 <モネそれからの100年>のタイトルが示すように、モネの影響を受けた後世の数々の画家たちの作品が多く展示され、いつものモネ展とは少々趣が異なっていたというのが第一印象。モネ自身の作品では、睡蓮のテーマに行き着くまでの様々な作品の中で、初期の風景画、《サン=タドレスの断崖》や《サン=シメオン農場の道》《わらぶき屋根の家》などとともに、《セーヌ河の日没、冬》や海の作品の中での色使いや筆のタッチにあらゆる表現法を試みる姿が感じられ、いずれの作品にも引き込まれた。懐かしい《チャリング・クロス橋》のタイトルに思わず近寄ったが、やはりロンドンにも出掛けて行ったことを初めて知った。
 あちこちで巨大なモネの《睡蓮》の作品群も目にしてきたが、後半の一連の《睡蓮》の作品群はやはり圧巻で、ほんの一部とはいえ、各地、各国から集められた作品をこうして目の前に出来たことは幸せだった。モネという芸術家の深さは素人目にも計り知れない。
 まして、今回並んだ後世の画家たちにとって、モネから強い影響を受け、一生追究するに値する画家であることを痛感する。これまでのような平面的な絵画表現だけでなく、映像や立体など思いもよらぬ様々な技術を駆使しての新たな表現法に時代の変遷を思い、これからもさらに追究していかれる偉大な存在であるだろうと感じた。
 これまで知らなかった作品や若い画家たちの作品も鑑賞できた良い機会に感謝致します。(埼玉県 嶋垣ナオミさん 50代)


初期や晩年のモネ作品に見応え
 モネの作品の中では、《チャリング・クロス橋》や《霧の中の太陽》などが、ロンドンの深い霧の中で、かすかに陽の光をうかがわせる、淡く、ゆらめく光と線がモネ独特の色彩で描かれていて、魅了される。
 今回の展示作品では、モネがまだモネ自身の画風を確立させる以前の段階と言える作品や、視力を失う直前の、しかし、明らかに対象の本質をとらえている、と思わせる、晩年の作品もあって、見応えのあるものとなっている。
 モネにオマージュをささげる画家たちの作品のなかでは、児玉麻緒の大胆な、太い輪郭線で描いた《IKEMONET》と《SUIREN》の2作品が睡蓮の存在感を捉えていて素晴らしかった。(千葉県 山田幹夫さん 70代)

肌身に感じたモネの影響
 自然を愛し、描写の素晴らしい、睡蓮で有名な印象派クロードモネの原画がこれほど多く一堂に展示されているのに驚きました。また、後世の数々のアーティストにいかに影響を与えたかなど現代アートへのモネの影響を肌身に感じました。このような企画展は単なる個々の展示でなく、その影響まで我々を導いてくれるなどおもしろい企画であると感じました。
 横浜みなとみらいにある横浜美術館で開催されるのもなんとなく雰囲気があり、いいひと時を過ごせたと感じました。(東京都 飯田規さん 60代)

思いがけない出会いの旅
 このチケットが当たって、初めて横浜美術館に行く機会を得ました。
 モネは大好きな画家で、単純にモネを観られる、というワクワク感で、横浜にも久々に行けるし……と遠足気分で晴れた午後に出かけました。
 まず、美術館自体が吹き抜けで開放的な雰囲気が気に入りました。最初のモネの睡蓮を見たとき、すごく久しぶりに好きな人に会えたような、懐かしく温かい気持ちになりました。そこからの100年を巡る時間は全く思いがけない発見と、出会いの旅でした。モネの画にはもちろん釘付けでしたが、クーニングやリキテンシュタイン、ウォーフォルなどにつながるイメージや、日本の様々な分野のアーティストの作品は本当に面白く、現代アート、映像表現にまで及ぶ影響とその作品のイメージや色彩、表現の豊かさには感銘を受けました。(神奈川県 今度りえさん 50代)

モネの影響力と革新性
 タイトルにあるようにモネの作品とモネのDNAを継承したり影響を受けたりしたであろうアーティストの作品を並べた展覧会。現代に至るモネの影響力と革新性を見せるのがこの展覧会の趣旨でしょうか。
 モネの「睡蓮」に触発されたルイ・カーヌの《睡蓮》(1993年)には水中の光、輝き、揺らぎが見て取れ、絵画以外にも映像や写真、モダンアートまであり盛りだくさん。モネの作品のみと思っていたのか、同伴者はモダンアートに面食らったようですが、モネの作品も20点以上あり楽しめました。(東京都 梶れい子さん 60代)

 知らない画家・作品に落胆
 展覧会の題に「それからの100年」とあるため、モネの作風に影響を受けた他者に重点を置いたものと解釈できますが、展示された絵画は知らない画家の絵画が半分以上を占め、それらの大半は見たくもないような作品でした。
 モネの作品にしても数多くある睡蓮から選んだ展示作にも落胆です。またキャプションですが、「モネさん……」とはどういうつもりでしょうか。モネの名を借りてモネの影響を受けた画家や作品の紹介するためだけの展覧会と理解しました。(東京都 山本二郎さん 60代)

「現代美術の先駆者」に感銘
 モネの作品は、これまでにもかなり見ていますが、現代美術の先駆者としての視点で広範な関連作品を集めていたのが斬新でした。
 その中には、この展示会に合わせて創作されたらしい日本人の作家による作品も何点かあり、今もなお、現代にインスピレーションを与え続けていることに感銘を受けました。
 使われている画材も多様で、金網と樹脂絵具あり、アルミ板キャンバスあり、ステンレス板あり、シルクスクリーンあり、合成映像の動画ありで、絵画を見る視野が広がりました。
 今後モネの絵画を見るときには、今回併設展示されていた現代絵画を思い出すことになりそうです。(神奈川県 鈴木徹夫さん 70代)

再訪して知る作家の魅力
 いつもの「モネ展」とそう変わらないかと想像していました。ところが、モネと20人以上のアーティストを並列して見せるという構成に衝撃を受けました。
 開幕当初に来場した際、モネの作品には大変満足したのに、他の、あまりに多種多様な作品群の展示には、頭も感情もついていけず、消化しきれない状態で会場を後にしました。
 1カ月ほどのちに再訪し、時間をかけて鑑賞し直したところ、最初に来場したときには気づかなかった、それぞれの特長や魅力が驚くほど素直に心に響いてきました。格闘するアーティストたちの発想力とプレゼン力に勇気づけられた心地です。
 実はこの間にパリのオランジュリー美術館を初めて訪れ、念願の睡蓮の部屋に身を置くことができました。もちろんそれは夢のような経験でした。ただ、同館の企画展「アメリカ抽象絵画への継承」は「モネ それからの100年」と内容が似通っていましたが、横浜美術館の展示の方がより素晴らしく感じたのも事実です。
 こういう訳で「モネ それからの100年」を本当にすっかり堪能させていただきました。私にとって忘れられない展覧会のひとつになると思います。(東京都 入倉さとみさん 50代)

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