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定年男子の料理から学ぶ 「食」は人づきあいの潤滑油 

読者会議メンバーから届いた「男の料理エピソード」

更新日:2018年12月11日

 定年前後になって人生で初めて料理に向き合う男性たち。「将来のことを考えて、妻に料理をするよう勧められた」人もいれば、逆に、「妻が嫌がるので料理をさせてもらえない」人も。連載「定年ごはん」に寄せられたリアルな体験談や本音を紹介します。


ある日の料理教室で……
 定年を小金井市で迎え、地域の公民館で開催されていた男の料理教室に通い始めた。40年間、山登りをしていたので料理は若干できた。
 その日のメニューは、夕飯の一品料理でカレイの煮付け。まず、先生が手早く見本を見せてくれる。魚のうろこを出刃包丁でそぎ落とし、背中に十字の切れ目を入れる。しょうゆをベースに甘辛い煮汁を作り、ふたをして煮込む。
 次は、各テーブルに着いて自分たちの料理を作っていく。突然、「○○さん~、落としぶたしてください!」と先生から黄色い声が飛んだ。呼ばれたのは最近入会した新人。本人は注意されたと思い、急いで木製の落としぶたを目の高さまで持ち上げ、狙いをつけてさほど大きくない鍋に向かって指を離した。あいにくふたは鍋の淵に当たり、調理台で弾んで床に転がり落ちた。
 先生は大笑い。我々も彼を振り返って、合点した。「落としぶた」だったのだ。(静岡県 今井 香さん 70代)

その胸中、お察しします
 
スーパーマーケットでもらってきた煮物のレシピに、「出し汁」300mLと書かれていた。父はそれを見て麺つゆを300mL入れて煮ものを作り、ものすごく濃厚な味付けの塩辛い煮物を作った揚げ句、何杯も水を飲みながらも黙々と食べていた。(東京都 齊藤美花さん 40代)

料理教室で身につけたものは
 月1回の市民教室「男の料理」に通って3年になります。この教室は、定年者を対象に71組で料理をするので、 料理を覚えるより、料理を食べてみなさんと談笑するのが楽しみであり、料理はできません。(茨城県 渡邊利彦さん 70代)

妻のありがたみが骨身にしみた
 ご飯を炊いたこともないのに、49歳で単身シドニーに10カ月行くことになった。
 朝昼はパン食でも夕食はご飯が食べたくて、行く前に鍋でのご飯の炊き方を妻に教わった。1回に二日分炊き、最初の日は炊き立てをそのまま食し、二日目はチャーハンにして食べるように言われた。
 ご飯とチャーハンの繰り返しを2カ月間繰り返すと、さすがにチャーハンに飽きてきて見るのも嫌になった。そこで妻におかゆの作り方を聞いて、それ以降はご飯、チャーハン、ご飯、おかゆの順で帰国まで8カ月間頑張った。
 夏休みで家族が来た時に味わった妻の料理には感動した。20年近くも前の話で、今ではご飯の炊き方も忘れてしまい、妻の料理に感謝する毎日である。(青森県 氏家良博さん 60代)

「三千回の晩飯」を目指して
 山田風太郎の随筆「あと千回の晩飯」を読んだことがある。彼が糖尿病などを抱え、あと3年ぐらいしか生きられないだろうと食欲のことや人生観をつづったものだ。これを読んでからしばらくして私の妻が病で入院した。妻は私より5歳若いので、一人での晩飯はないだろうと高をくくっていたが、この時漠然とした不安がよぎった。「独り身になったら何が出来るのだろう」と。

 そんな折、男の料理教室を開くという市の広告を見つけ、渡りに船とばかりに受講を申し込むと、静養中の妻が「へえ、お父さんがやるの」と言う。
 教室には、60、70代を主に15人が集まった。独身者、寡夫の人など様々。私も、自己流で焼いたり炒めたりの料理しかやったことがない。講師の栄養士や食生活改善推進員の女性による懇切丁寧な講習だ。手の洗い方から教えられた。「米は研ぐと栄養分が流れてしまうので、洗うだけですよ」と注意された。野菜のゆでる順序などに頓着したこともない。それでも2回目でロールキャベツ、3回目でブリの照り焼きまで作れるようになった。
 今や料理クラブをつくって「三千回の晩飯」を目指して頑張っている。(神奈川県 中村逸さん 70代)

定年ごはん
山田 玲子 (著) / 大和書房 定価:1404円(税込)
 定年準備するならお金よりごはん!料理しないまま、人生を終えるなんて、もったいない!昼メシからつまみまで66レシピ。本書が目指すのは「たまに作る凝った男の料理」ではなく、「ふだんのごはん」を作れるようになること、です。

定年ごはん/ひとりでできる男の昼メシの連載

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