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童謡誕生100年 白秋と耕筰 名コンビ誕生の秘話 

映画「この道」、読者会議メンバーの感想は……

更新日:2018年11月30日

 『からたちの花』や『この道』など数々の童謡を⽣み出した詩⼈・北原⽩秋と⾳楽家・⼭⽥耕筰。名コンビの出会いと別れを映画化した『この道』の試写会では出演者と監督による舞台あいさつがありました。参加した読者会議メンバーの感想を紹介します。

(c)2019 映画「この道」製作委員会

すてきな出会いが生んだ歌
 映画のタイトルから山田耕筰を連想しましたが、北原白秋と2人の出会いの物語でした。白秋の天真らんまんな人となりとそこから生み出される自然な言葉(詩)に納得。その詩にまたピッタリなメロディーを付けた山田耕筰の作曲家としての力量に脱帽です。天才同士の魂がお互いに響きあい結ばれていく様子がとても良く描かれていて、誰もが口ずさめるような素晴らしい歌が生まれることに心から感動しました。
 年と共に歌の内容と絵が自然と思い浮かびますが、現在、コンクリートに囲まれた便利な生活の中にいる子どもたちや大人に、この世界観が伝えられるのかと心配になりました。これからも、この素敵な出会いで生まれた歌を大切に歌っていきたいと思いました。(埼玉県 黒滝弥生さん 70代)

歌口ずさみ 前に進む
 映画を観終えて久しぶりに「この道」を口ずさみました。
 温かく懐かしい余韻の残る優しい歌。北原白秋と山田耕作が創り、奏でた歌だったのですね。
 白秋の詩には、どれもリズムがあり、耕筰のメロディーが詩を引き立て、長年歌い継がれている童謡が生まれた。素晴らしい2人のパートナーシップに感動し、個の才能は、個のみで開花するにとどまらないことを教えてもらいました。
 白秋が愛した女性たちもまた白秋の功績に貢献したことを受け取りました。人は、一生のうちに影響を与え合う人に何人出会えるかしら? この映画から懐かしい童謡を思い出すと共に私自身の半生を振り返り、次に進もうと感じることが出来ました。(東京都 櫻井香穂里さん 50代)

(c)2019 映画「この道」製作委員会

名曲誕生の秘話を知る
 日頃、童謡や叙情歌を楽しく歌っていますので、この映画には大変興味を持っていました。
 北原白秋と山田耕筰が出会ったときの激しい争いの場面は、どうしてここまで白秋が拒否するのかと信じられませんでした。詩人として確たる地位を築いてきた白秋は、音楽には全く関心がなかったのでしょうか。
 関東大震災でがれきの中から聞こえてきた子どもたちの歌声に感動し、人の心を明るくする歌の必要性を感じた白秋。ここから白秋と耕筰の友情が芽生え、人の心をつかむ叙情的な歌や、リズミカルで明るく楽しい歌がたくさん生まれたことを知ることができました。
 白秋の生活の中から自然に生み出される言葉(詩)、これは天性としか考えられません。西洋で学び当時の日本には先人がいない状況で、作曲に励んだ耕筰。2人の類いまれな才能が合わさって生まれた童謡に、改めて感銘を受けました。日本人の原点ともいえる童謡を、後生の人たちにも伝えていくにはどうしたら良いかと思っている次第です。(東京都 砂見陽子さん 70代)

冒頭シーンに引き込まれた
 「北原白秋」や童謡「からたちの花」「この道」などは、もちろん知っていましたが、その作品が作られた時代背景や作者の人となりについては、全く知らないことばかりでした。
 すでに歴史上の人物である北原白秋は、まじめな人だと思っていましたが、実は、型破りな人生を歩んだ人だったんですね。冒頭の、人妻ソフィーとのシーンが印象的で、すぐに映画に引き込まれました。その時代にタイムスリップしたようによく描かれており、登場人物と一緒に泣いたり笑ったり、ほっこりすることができました。戦争さえなければ、もっと多くの作品を残せたのにと思うと残念でなりません。(神奈川県 藤田啓子さん 60代)

(c)2019 映画「この道」製作委員会

いつの時代も歌や音楽は人を癒やす
 日本人なら誰しもが知る北原白秋、山田耕筰ですが、人物像までは知ることがありませんでした。
 白秋の詩は可愛らしく、愛らしく、情緒があり、色を感じます。白秋はどうやら女性にはちょっと、だらしの無い人の様でしたが、彼自身が可愛らしく愛らしい人で、女性も母性本能をくすぐらされるような? 放っておけないそんな人だったのだろうなと思いました。この映画から白秋の詩には表情がありリズムがあって、耕作の曲で更に豊かになり、だからこそいまだに歌い継がれている素敵な作品なんだと思いました。
 また、関東大震災後に白秋を心配して訪ねてきた耕筰に喜び、歌で日本を元気にしようと誓い合うシーンをみて、今の日本でも災害後に人々が歌や音楽で癒やされていることに通じるものだと思いました。震災の後片付けをする人々が歌うことで笑顔になる様子に泣けてきました。この時代を生きて来られた方は戦争も経験されていて、好きな音楽や詩も書けない苦しさも味わなければならなかったのですね。平和な今に感謝したいです。
 ベテラン俳優の大森南朋さん、憎めない人の良い白秋の演技が良かったです。そして冒頭の山田耕筰演じるAKIRAさん。え?と思うほどの演じぶりで素晴らしかったです。ある意味新境地ではないでしょうか。
 派手な作品ではありませんが童謡100周年、改めて日本の良さを感じ取れて和やかな気持ちになる「この道」でした。(神奈川県 勝田佳子さん 50代)

深掘りしてほしかった童謡のよさ
 私(50代)、娘(20代)の2人で拝見いたしました。
 私は幼少期に毎月配本の童謡の絵本やドーナツ版の童謡のレコードに囲まれて育ちました。その影響もあったのか、音楽の道に進み、今でも日本の四季折々を詠(うた)いこんだ童謡や歌曲は自然と体にしみ込んでいます。
 この映画で、北原白秋と山田耕筰の自分の知らない人物像がわかりました。ただ、事実を追うことにストーリーのほとんどが費やされていたように感じました。童謡誕生100年ということもあり、今なお日本人の心にしみわたる童謡の素晴らしさをもっと深く描いてほしかったというのが正直な感想です。作中で、からたちの花の歌詞を考えている場面がありました。「咲いたね」「痛いね」ではなく語尾を「よ」にしたというところなど、大切な思いをもっと丁寧に伝えてほしかったなと感じました。
 娘は、作中の童謡は何となく聞いたことはあるが白秋や耕筰の作品とは知らなかったと言っていました。日本人の心に寄り添う童謡が、少しずつ消えていってしまうような、焦りも感じました。(埼玉県 齋藤旬子さん 50代)

(c)2019 映画「この道」製作委員会

 時代の空気と人間白秋の魅力
 北原白秋と言えば、多くの人が、「お髭(ひげ)の素敵な横顔の写真」「高名な詩人」のイメージを思い浮かべるであろう。
 しかし、本作の白秋は、少年のように笑ったり、急に涙ぐんだり、朝から酒に酔いつぶれたり、女遊びの揚げ句に姦通罪(かんつうざい)で投獄されたりと、幾つもの人間的な顔を見せ、実に魅力的だ。彼を取り巻く当代の人気作家たち(与謝野鉄幹・晶子夫妻、石川啄木、鈴木三重吉、室生犀星、萩原朔太郎ら)も登場して、華やかなりし、文壇の雰囲気も味わえる。
 そして、何といっても、本作の見どころは、白秋とのコンビで、名曲「からたちの花」や「この道はいつか来た道」を創作した山田耕筰との友情物語である。
 人間白秋を演じるのは大森南朋、耕筰はAKIRAが演じ、配役は大丈夫か? といぶかっていたが、見るほどに本人に見えてきて、いや、見えなくても、こんな魅力的な人だったのかと、見る物を飽きさせない。
 ちょっとだけ、白秋は威厳が無さすぎ、AKIRAは真面目過ぎるが、ご愛敬の範囲で、明治から大正にかけての世相の移り変わりの中で、詩人として、作曲者として、真摯(しんし)に自分の使命と向き合い、それが故に称賛を受け、暗い戦争の時代にどんな思いをかみ締めたのか、文学ファンでなくても、人は何を考え、何を求めて生きるのか、現在に通じる人々の心のありようが見えてくる。
 時に笑いあり、エロスあり、家庭の温かさや師弟関係、家族の支えなど、幾重にも折り重なる映景が、白秋と耕作の心象を映し出す。そんな秀作なので、ぜひ、映画館で時代の空気を感じ、人間白秋を見て欲しい。白秋の最初の妻で愛人役だった松本若菜の色っぽさは必見です。(東京都 石川多美江さん 50代)

(c)2019 映画「この道」製作委員会

希望と勇気 映画の可能性感じた
 感想を一言でまとめれば「生きてこの作品を観られて良かった! 新たな希望と勇気を与えてくれた!」作品でした。
 日本の文学界のエッセンスが凝縮され、日本を代表する音楽家と穏やかですさまじい時代背景の中を生き抜く世界を、本当に短い時間で創り上げた作品は、私の心の奥へと響き渡りました。
 上映もとてもとても短く感じ、もっともっとそれぞれ詳しい内容で長期間観たい作品です! 大河ドラマ以上、100話以上あっても良いのではないでしょうか。
 飽きない時代と登場人物そして俳優の方々、特に音楽担当和田氏にブラボー!です。
 その繊細かつ濃厚な響きの中には、主人公2人の世界観、時の流れと変わらぬリズムを醸し出すエネルギー(情熱)を感じさせてくれました。「この道」を拝観しまだ映画界は可能性があるのだと思い知らされた作品でもありました。(東京都 勝俣敏さん 60代)



映画「この道」
2019年1月11日(金)より全国ロードショー。105分/2018年
(c)2019 映画「この道」製作委員会
公式ホームページ https://konomichi-movie.jp/
(c)2019 映画「この道」製作委員会
(c)2019 映画「この道」製作委員会

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