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胸の鼓動も最高潮 近代西洋美術の巨匠たちの名画 

読者会議メンバーが観たフィリップス・コレクション展

更新日:2019年01月18日

  米国で最も優れた美術館の一つとして知られるフィリップス・コレクションの秀作70点以上を展示した「フィリップス・コレクション展」が2019年2月11日まで東京・丸の内の三菱一号館美術館で開かれています。明治期に建設された赤れんが造りの建物内で、マネやモネ、ドガ、ゴーガン、ゴッホ、ピカソ、ブラックら近代西洋美術の巨匠たちの名画を鑑賞した、読者会議メンバーの感想を紹介します。


 次から次へ 巨匠たちの名画に感激
 ようやく行ってきました! フィリップス・コレクション展。三菱一号館美術館も初めて行ったのですが、東京駅をほうふつとさせるような、モダンなれんが造りのとても素晴らしい外観に、入館する前から感動しました。
 入った瞬間、いきなりドラクロワ。その後も、次から次へと、全員巨匠の作品ばかりで、本当に感激しました。個人的には、アングルの後ろ姿の裸婦像の、背中なのに肌の丸み。柔らかさが伝わってきてウットリしました。
 10代の頃に画集を買っていつも眺めていた、コローとユトリロの作品があってビックリしました。コローの田舎の田園風景の作品には本当に癒やされるし、行ったことはないのに、なぜか懐かしい思いがして涙が出てきます。ピカソの、横たわる女の作品は、正直、どこに女性が横たわっていたのか分からなかったのですが、ピカソの作品も観られてうれしかった。本当に豪華な内容で、胸がいっぱいの1日でした!(千葉県 石川芽久実さん 40代)

撮影スポットで鑑賞できる ピエール・ボナール《開かれた窓》のレプリカ

赤れんがに映えるレプリカの「撮影スポット
 ピカソ、ゴッホ、モネ、マティス、ロダン、ゴヤ、ドガ、セザンヌ、スーラの名前がクイズのようにチラシとチケットに並びます。名前を見ただけで期待が高まりました。
 会場には、作品が8点並ぶアートカードも用意されていました。1枚ずつ切り離してカード遊びをしたり、裏には見どころを読んだり楽しそうです。
 学芸員の講演会は満席。セザンヌがモネに贈った静物画が素晴らしすぎて、モネが自作を破こうとし、妻アリスが静物画を隠したことなど、興味深いエピソードを聞きました。この展覧会は作品を購入した順番に展示した初の試みだそうです。アートファンとしては同じ作家の作品を並べてみたいと思いました。ジョルジュ・ブラック7点とピエール・ボナール4点は作品数が多く感じました。ボナールは国立新美術館で「オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展」(~2018年12月17日)もあって、たくさんのボナールに会えた年でした。
 毎回楽しみにしているのが「撮影スポット」。今回はピエール・ボナール《開かれた窓》のレプリカなどがありました。作品と並んだ本物の窓を撮影し、れんがの壁が映えて素敵に見えました。(神奈川県 中島典子さん 60代)

撮影スポットで鑑賞できる ピエール・ボナール《犬を抱く女》(左)、フランツ・マルク《森の中の鹿 Ⅰ》(中)、ハインリヒ・カンベンドンク《村の大通り》のレプリカ

なじめなかった収集年順の展示
 36年前、車で米大陸往復横断旅をした。フィリップス・コレクションを鑑賞する機会は逃したが、ワシントンDCのスミソニアン美術館の絵画を観ることが出来た。その印象は強烈で、手で触れられる距離に有名な絵画があって感激した。
 残念ながら本展では床にバーがあり、筆遣いなどを見たいと思っても容易に近付けなかった。過去の展覧会のようではなくなっているが、もう一工夫してもらいたい。フィリップスの見識眼は高かったようだが、興味の対象の変化や懐具合で絵を買い替えたりし、本展示では色んな画家の絵が散在している印象は否めなかった。収集順でなく、画家・題目などでまとめたほうがよかったのでは?
 ドーミエのように社会に訴える絵画に心を打たれた。(埼玉県 嶋垣正之さん 70代)

撮影スポットで鑑賞できる ウジェーヌ・ドラクロワ《海からあがる馬》(左)、カミーユ・コロー《ジェンツァーノの眺め》のレプリカ

名画収集家の「哲学」も味わう 
 フィリップス・コレクション展は過去にも5回来日しているが、この三菱一号館美術館にピッタリな作品群であった。それはダンカン・フィリップス(1886-1966)という創設者の一貫した哲学のもと、収集され、日常的なしつらえの中で展示されてきたものであるからであろう。
 ゴヤの《聖ペテロの悔恨》、ドラクロワの《パガニーニ》、ドーミエの《力持ち》《蜂起》などの絵画や、ピカソの《女の頭部》《道化師》などの彫刻群は珍しく新鮮であった。
 モネやゴーガンを評価していなかったということなのか、モネの《睡蓮》がない。ゴーガンの《タヒチ》シリーズがない。彼らの典型的な主題を描いたものがないのだ。その辺が一貫した哲学ということだろう。日本人の「モネ=睡蓮」かぶれとの違いを思わずにはいられない。じっくり作品を味わいたい人にはピッタリな展覧会である。(東京都 蓑輪正信さん 60代)

撮影スポットで鑑賞できる ジョルジュ・ブラック《鳥》のレプリカ

 〈三菱一号館と丸の内〉明治末期、現在の東京・丸の内に「一丁倫敦(ロンドン)」と呼ばれたオフィス街が形成され始めた。陸軍の練兵場跡地の払い下げをうけた三菱財閥が、れんが造りの西洋建築群の都市基盤整備を進めた。「三菱一号館」はその象徴的な建物で、1894(明治27)年、英国人建築家ジョナサン・コンドルによる設計で建てられた。軒先は50尺(約15メートル)に統一され、ガス、電気、上水道が敷設され、電話も引かれた。1914(大正3)年には東京駅が完成する。赤れんがの三菱一号館は戦後、老朽化のため解体されたが、2010(平成22)年春、三菱一号館美術館として生まれ変わった。

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