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よみがえる祈りへの熱意と中世の暮らしぶり 

読者会議メンバーが観た「国宝一遍聖絵と時宗の名宝」展

更新日:2019年06月17日

 踊り念仏で知られる時宗(じしゅう)の名宝を展示した特別展「国宝 ⼀遍(いっぺん)聖絵と時宗の名宝」が京都国立博物館で開かれていました。展覧会を鑑賞した朝⽇新聞Reライフプロジェクト・読者会議メンバーの感想を紹介します。

 音声とともに浮かびあがった「踊り念仏」の情景
 国宝一遍聖絵と時宗の名宝を見て、一遍の生涯や一遍が亡くなった後、時宗を教団として整備し大きく発展させたニ祖真教上人の功績を知ることができました。
 細かい所まで丁寧に描かれており、お釈迦様の一生を思わせるところもありました。音声ガイドの念仏を聞きながら見ていると踊り念仏がよみがえり、見れば見るほど絵の中に引き込まれました。音声ガイドの音楽もよかったです。
 もう一つの見どころは、展示会事前調査で新しく発見された仏像や像内から発見された納入品の展示でした。未知の世界があると思うとのぞいてみたくなります。(兵庫県  田中由香利さん 50代)

 目で確かめた庶民に広まった鎌倉時代の仏教
 夫婦で行って参りました。館内の照明、空調も申し分なく、静かで落ち着いた雰囲気の中でゆっくりと時間をかけて見て回ることが出来ました。見終わって会場を一歩出た時、2人とも大きく息を吐き、「よかった、すごかった、見応えがあった」と言葉を交わしました。
 一遍聖絵をはじめ念仏図、縁起絵、曼荼羅(まんだら)図、書状、仏像と上人坐像(ざぞう)など展示品の多さに驚きました。その中でもやはり一遍聖絵は圧巻でした。念仏を唱えることで、誰もが往生をとげられると説き、布教のため全国各地を遍歴した一遍の生涯の絵物語は見る者を圧倒しました。感情がにじみでた人々の表情、細やかな筆遣い、今も変わらぬ色鮮やかな色彩、全12巻に及ぶ膨大な絵巻に国宝としての価値を見いだすのに有り余るものがありました。布教に対する強い熱意と情熱、布教の広がりを感じとることができました。
 私のような素人が言うのもはばかれますが、難解な平安仏教から、広く庶民の間に広まった鎌倉仏教の一端をこの目で確かめることのできた有意義な展覧会でした。ありがとうございました。(岐阜県  浅賀峰嗣さん 70代)

 全編を通して感じられた踊り念仏のエクスタシー
 一遍聖絵は、旅立ちや市屋道場の場面などを、絵巻や仏教の本を通して見たことがあるだけで、踊り念仏そのものと同様、断片的な知識と印象しか持っていませんでした。今回、全編が見られたのは大きな収穫です。
 悟りあるいは修行というものは、身分や年齢・性別にとらわれないものだという信念が全編を貫いている感じでした。だからこそ共に踊ることによって得られるエクスタシーが必要なのだろうと、絵巻を追いながら思いました。
 ただ、一遍や時宗についてはよく知らない人の方が多いのですから、初心者向けにもう少し解説を掲示しても罰が当たらないのではないかとも感じました。(大阪府 荻原万紀子さん 60代)

  目を奪われた鎌倉時代の装束や生活、建築様式の描写
 一遍上人と時宗については、高校時代の日本史の教科書の中でさらっと記述してあったことを覚えていただけでした。今回の展示会で、一遍上人とともに、二祖の真教上人が、時宗を教団として整備し大きく発展させたことを知りました。
 700年以上も前に、衆生を救うために、念仏をとなえることで誰もが往生をとげられると説いて、踊り念仏を広めるために、全国を行脚したそのバイタリティーには頭が下がりました。その生涯を描いた「一遍聖絵」および「遊行上人縁起絵」の中の、当時の装束や生活、建築様式などが、詳細に描かれていることに目を奪われ、気がついたときには、入館から、5時間も経っていました。(大阪府 坂野嘉裕さん 60代)

 私の「頭図鑑」広げてくれる美術鑑賞
 普段は油絵など、ルネサンス以降の華やかな絵画作品を観ているからか、少し寂しい感じを持ちました。しかし、平安や鎌倉時代の掛け軸や絵巻物が現存していることは素晴らしいと思いました。
 仏像に関しては、奈良国立博物館の仏像館を鑑賞しているので、やや物足りなさがありましたが、一遍上人の軌跡や時宗の布教についてはよく理解出来ました。美術など芸術鑑賞は私の「頭図鑑」を広げてくれるので、国や宗教や分野などに偏りなく、これからも積極的に鑑賞したいです。(奈良県 鈴木貴子さん 50代)

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