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突然の悲劇。支え合い「家族」になる2人の明日は? 

読者会議メンバーが観た映画「アマンダと僕」

更新日:2019年06月21日

 朝日新聞Reライフプロジェクトでは、読者会議メンバーを映画の試写会にご招待し、鑑賞後に書いていただいた感想を紹介しています。今回は、第75回ヴェネチア国際映画祭(2018)オリゾンティ部門でマジックランタン賞、第31回東京国際映画祭(同)では審査員満場一致で最高賞の東京グランプリと最優秀脚本賞をダブル受賞した、フランスのヒューマンドラマです

(C) 2018 NORD-OUEST FILMS – ARTE FRANCE CINÉMA

丁寧に描かれた心の動き
 小さなアマンダのきれいな瞳。それがなんとも印象的で、そこから流れ落ちる涙が頭に焼き付いて離れません。私も涙がボロボロ。彼女に降りかかった突然の悲劇には、恐怖や怒りも感じました。
 美しい情景の中で、ひとつひとつ丁寧に描写されていた、登場人物の心の動き。愛する人を亡くしたことに対して、もだえ苦しみ、悲しみながらも、直面した現実に対して必死に生きていく姿がリアルに伝わってきて、心を打たれました。
 私には子どもが3人いて、末の娘がアマンダに重なります。子供たちに、こんな悲しい思いは絶対にさせたくありません。でも、もしも子どもたちが悲しみの淵に落ちるようなことになっても、希望はやってくる。愛情をみつけることはできる。人は立ち直ることができる。そう信じて、強く生きてほしいと思いました。(神奈川県 三原正さん 50代)

走る姿に見た、ほのかな希望
 とにかくアマンダがいい。その愛くるしさがいつまでも心に残り、彼女の魅力にとりつかれてしまう。青い目と長いブロンズの髪。ぽっちゃりとした頰にポッコリおなか。「僕(=ダヴィッド)」の線が細く、なよなよしているのとは対照的だ。
 そして、アマンダは食べることが大好きな女の子。ミカエル・アース監督が、イゾール・ミュルトリエをアマンダ役に選んだ理由の一つが、その食いっぷりのよさだったそうだ。「食べる」ことは、直接「生」につながる。時代背景。複雑な家庭環境。若者や子供たちに手放しで明るい未来は描けないが、アマンダがクロワッサンを食べながら走る姿はほのかな希望を表していて、次の世界を切り開いていくエネルギーを感じさせる。(神奈川県 黒川正弘さん 60代)

(C) 2018 NORD-OUEST FILMS – ARTE FRANCE CINÉMA

パリのアンニュイな空気が流れ出る映像
 去年一週間ほど滞在したパリ。そこで感じた少々アンニュイな日常の空気が流れ出るように感じられる映画でした。
 ディテールにも監督のこだわりが感じられ、一度見ただけではもったいない! いろいろな角度から、じっくり何度も見たい映画だと思いました。
 何の罪もない人々の人生を狂わせる悲劇を憎む、静かだが強い意思も感じられた。
 なんといっても7歳のアマンダがいとおしい。だけど、24歳の若すぎる叔父が、少女の将来を引き受けなくてはならない重圧。きれいごとでは済まされない、それぞれの人生に対する思い。その全てを乗り越えて、明日に向かって歩みだそうとする2人にエールを送りたい。(神奈川県 保坂恵子さん 60代) 

支えがあれば、乗り越えていける
 心地よく響くフランス語。美しい風景と、古い映画のような懐かしい感じの映像。いつの間にか、自分もあの街角にいるような気持ちになった。私の感情は、アマンダになったりダヴィッドになったり、時には彼らを支える人びとになったりと揺れ動き、胸が痛くなった。どんなに悲しいことがあっても、人は生きていかなくてはいけない。つらい出来事の記憶は無くならないけれど、支えがあれば、皆乗り越える力を持っているのだと感じた。
 大切な人を、もしも突然失ったら……。想像したこともなかったけれど、この映画を見て、大切な人をもっと大切にしようと思った。「大好きだよ」と言おうと思った。手をつなごうと思った。私も誰かの支えになりたい。そんな、やさしい気持ちになった。(千葉県 北村恵美子さん 50代) 

(C) 2018 NORD-OUEST FILMS – ARTE FRANCE CINÉMA

孫の姿を重ね合わせた
 フランス人の感性と違うからだと思いますが、メッセージが伝わりにくかったようです。展開も早すぎて、ラストシーンは「えっ……?」という感じでした。
 アマンダと同じ年の孫を持つ私としては、ダヴィッドには彼女をゆだねたくない。彼には、恋人との明るい将来があるはず。でもその将来は、アマンダにとって辛い時間になるのではないでしょうか。アマンダは叔母、あるいは祖母と暮らした方が幸せなのでは? もしも私がアマンダの祖母なら、彼女を引き取って魂の全力を尽くして育てると思うのです。(埼玉県 藤田悦子さん 50代)

生きる力を与えられた
 突然に母を亡くし、本当は泣きたいだろうに、精いっぱい我慢しているアマンダ。そんな彼女の気持ちが、こちらにも伝わってきて、思わず涙が出た。7歳のアマンダに寄り添い、父親代わりになるダヴィッドは、まだ24歳の若さながら、なんとか現実を受け入れようとする姿はほほ笑ましく、応援したい気持ちにもなりました。
 突然泣き出してしまうアマンダに、ダヴィッドが言葉をかけるシーンは、とても感動的で、生きる力を与えてくれた映画でした。(東京都 藤平明尚さん 50代)

(C) 2018 NORD-OUEST FILMS – ARTE FRANCE CINÉMA

深い絆と信頼に感動
 身近な家族でも絆を感じるのが難しい今、アマンダとダヴィッドが、深い絆と信頼関係で結ばれるのを見て感動しました。どうして家族って、むずかしいのかな。考えすぎるからでしょうか? とにかく良い作品でした。(埼玉県 君島正美さん 50代)

少女のピュアな魅力にひかれた
 アマンダ役の少女のピュアな魅力に、とてもひかれました。彼女の存在は、頼りないけれど心優しい青年ダヴィッドが人生を歩んでいく上で、なくてはならないものになったと思います。とても仲の良い姉を突然失ったダヴィッドは、アマンダがいなければ立ち直れなかったかもしれません。
 大好きなお母さんが突然いなくなっても、懸命に耐えているアマンダ。その姿が、素直にこちらに伝わってきました。ダヴィッドが、田舎に去った恋人に会いに行く勇気を出せたのも、アマンダと2人寄り添う暮らしの中で、少しずつ回復していけたからだと思います。(神奈川県 清水澄江さん 50代)

(C) 2018 NORD-OUEST FILMS – ARTE FRANCE CINÉMA

人生を決してあきらめるな
 すがすがしさ。優しさ。思いやり。相手へのいたわり。そして人間の尊厳がうたわれた、静かに心が温まる感動的な作品でした。
 母子家庭に育ち、母親との絆や思いが厚いアマンダが、母を失いながらもけなげに生きる姿に、心を揺さぶられた。アマンダの母でもある姉を失い、恋人も故郷に去って支えを失ったダヴィッドは、アマンダの後見人になるかどうかを迷いながらも、2人の暮らしを始める。心の傷は、決して無くなりはしないけれど、2人は互いに寄り添い、心の絆と信頼を築いてゆく。
 人生をテニスに例えるなら、一方的に見える試合もlove gameで終わるとは限らず、その行方は最後まで分からない。人生を決して諦めるな。そんなメッセージが込められた映画でした。(神奈川県 芳賀淳一さん 50代)

「あふれ出る気持ち」伝わった
 「久しぶりに良い映画を見たな~」と思えた作品でした。ストーリーが進行するにつれて、自分の感情もドラマに寄り添うことができ、アマンダとダヴィッドの間を行き来していました。
 ダヴィッドの頼りなさを見抜いた、少し大人びたアマンダだけど、しょせんは7歳の子供。不安でいっぱいだ。でも、その気持ちをストレートには出せないもどかしさが、十分すぎるくらいに伝わりました。時折彼女が見せる、子供らしさが救いでした。
 自分の生活や将来への希望、支えきれない重圧が涙となってワッとあふれ出る気持ちがこちらにも伝わり、胸が熱くなって、思わず傍らに寄り添ってあげたくなりました。
 2人がこれから先、お互いを頼りながら支え合って生きていける予感を感じさせてくれるラストシーンには、安心することができました。(東京都 松尾えり子さん 60代)



2019年6月22日(土)よりシネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほかで全国順次ロードショー。107分/2018年
監督・脚本:ミカエル・アース
共同脚本:モード・アムリーヌ
撮影監督:セバスチャン・ブシュマン
原題:AMANDA
提供:ビターズ・エンド、朝日新聞社、ポニーキャニオン
配給:ビターズ・エンド
〈公式ホームページ〉http://www.bitters.co.jp/amanda/

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