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数学であの戦争を止めようとした青年の物語 

読者会議メンバーが観た映画「アルキメデスの大戦」

更新日:2019年08月09日

 朝日新聞Reライフプロジェクトでは、読者会議メンバーを映画の試写会にご招待し、鑑賞後に書いていただいた感想を紹介しています。今回は、太平洋戦争を止めたかった若き数学者が、戦艦大和建造阻止を巡る頭脳戦に挑んだ架空の物語です。

(C)2019映画「アルキメデスの大戦」製作委員会 (C)三田紀房/講談社

負け方を学ばなかった? 日本
 「日本は負け方を知らない」。劇中にあったセリフですが、この一言に尽きると思います。結末は、誰でも知っている戦艦大和の最期。この結末に向かう原因となるのは、ばかな男たちの忖度(そんたく)とプライドとエゴ。そして、妙な美意識と伝統へのこだわりでした。
 戦術会議が互いの誹謗(ひぼう)中傷合戦になるという茶番。現在の日本にも通じるものがありませんか? この映画を見たのは、参議院選挙の翌日でした。あの敗戦を経ても、日本はまだ「負け方を学んでいない」のではないでしょうか。(奈良県 友広公子さん 60代)

主人公の正義感が切ない
 「戦争を終わらせたい」「美しい大和を見たい」……。結局、主人公の櫂(かい)少佐は、その両方の思いで、正しい設計式を教えたのだろう。
 しかし、何も知らずに大和に乗り込んだ人たちの命の重さは、どう感じたのだろうか。彼はどのように責任を取るつもりだろうか、とも思った。
 彼は大和の出航を見送り、軍人として戦争を終える覚悟を決めたのだろう。あの階位では、きっと戦犯に問われたのではないか。頭の良い彼はそこまで考えたうえで、そういう責任の取り方を選んだのかなと、ふと思った。
 たったの2週間、全く情報がない中で必死にもがいて戦った正義感は、やはり最後までぶれなかったのかと思い、少し切ない気がした。(兵庫県 中本美苗さん 50代)

大和の設計者の思いに感じた時代背景
 映画の冒頭、かなりハードな戦争の殺戮(さつりく)の場面が続いて、私には無理かもと思いながら見始めました。
 でも、場面が変わった後は、櫂少佐が圧力や妨害に立ち向かいながら、問題を一つずつ解決。その様子は、ハラハラドキドキしながらゲームをクリアしていくかのようでした。数学の力で大和建造の計画をいったんは阻止できた時には、爽快感も感じました。
 「大和」設計者の思いには、時代背景を感じ、主人公の心の葛藤や涙には考えさせられました。見応えのある映画でした。(兵庫県 中井利代子さん 60代)

印象に残る主人公最後のセリフ
 数学にしか興味のなかった青年が、「戦争が起きるかもしれない」という言葉に気持ちを動かされて、海軍へ。印象に残っているのは、最後に櫂少佐の言ったセリフでした。その言葉に、映画の冒頭でたくさんの乗組員が死んでいった、戦艦大和が沈み行く映像がよみがえりました。
 櫂少佐は戦争をとめるために奮闘したが、最終的には戦艦大和の建造を許してしまった。彼も戦艦大和の魅力にとりつかれてしまったのだろうか、という気持ちがわきおこりました。(兵庫県 東恵子さん 40代) 



TOHOシネマズ日比谷、TOHOシネマズ梅田ほかで全国ロードショー中。130分/2019年
監督・脚本・VFX:山崎貴
出演:菅田将暉、柄本佑、浜辺美波、笑福亭鶴瓶、小林克也、小日向文世、國村隼、橋爪功、田中泯、舘ひろし
原作:三田紀房「アルキメデスの大戦」(講談社「ヤングマガジン」連載)
制作プロダクション:ROBOT
制作協力:阿部秀司事務所 東宝映画
配給:東宝
〈公式ホームページ〉https://archimedes-movie.jp/about/introduction.html

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