ReライフTOP読者会議最近の活動リポート

話題の“大腸活”に挑戦 便秘解消や長寿菌の増加も  

腸内環境検査で活動前後を比較、食と運動を変え「手応え」 

更新日:2019年10月10日

 全身の健康のカギとなる大腸の環境を整える「大腸活」。朝日新聞Reライフプロジェクトは16人の読者会議メンバーにモニターとしてヨーグルトや食物繊維を食生活に取り入れてもらった。腸内フローラ検査を手がけるベンチャー企業「サイキンソー」(東京)の協力も得て、16人の腸内環境の変化を科学的に追跡。善玉菌の増加などが確認できたほか、便通の改善など大腸活の効果を実感した人もいた。

◎読者会議メンバーが取り組んだ”大腸活”の概要

 参加した16人は5月、腸内細菌の多様性や、ビフィズス菌の割合を調べてもらうなど腸内環境の検査を受けた。その上で、都内に集まった座談会の場で消化器病専門医の吉良文孝さんの助言を聞いた。

 その後、大腸にいる善玉菌の代表格であるビフィズス菌の入ったヨーグルトや、善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維(イヌリン)を1カ月継続して摂取するなど生活改善に取り組んだ(下図)。善玉菌とそのエサとなる水溶性食物繊維などを摂取するのは「大腸活」に良いとされる。

体調の変化を実感

 変化を確認するため1カ月後に再び検査を受けた関東在住の10人は9月1日、都内に集まり体調の変化などを報告。1人を除くほぼ全員が、便秘の解消など何らかの体調の改善を実感していた。

 初回検査では5段階評価で最低のE判定だった坂本清英さん(75)は、60代までと比べて70代から便秘に悩まされるように。それが「便通が良くなった感じなのです」と言う。「ビフィズス菌やイヌリンを続けている間は苦痛なく便が出ている感じでした」

 「旅行に行くと、環境の変化で便秘になる」という則行庸子さん(64)は、モニター期間中も小旅行に出かけていた。「食物繊維をとり続けたおかげか、今回は旅先でもスムーズに便が出て助かった」と則行さん。

座談会では読者会議メンバー10人が腸内環境の変化について話し合った=山形赳之撮影

ビフィズス菌など「長寿菌」が増加 

 こうした実感以外にも変化はあった。モニターの検査データを平均し、初回と1カ月後の数値を比べると、食物繊維をエサに有用な短鎖脂肪酸を作り出すビフィズス菌や酪酸菌など「長寿菌」の割合は2%以上増えていた。

 しかし、検査の総合判定は善玉菌だけが増えれば良くなるわけではなく、腸内フローラの「多様性」も重視される。

「マイキンソー・プロ」の検査結果を真剣に見る参加者=山形赳之撮影

 坂本さんは、体調の実感を裏付けるかのように長寿菌を大きく増やした。一方で、腸内に持つ菌の種類が減少したため実感とはうらはらにE判定にとどまった。

 坂部美紀子さん(60)が判定を最高のAからBに落としたのも同様の理由。体調が悪くなったわけではない。ぬか漬けなどの発酵食品を積極的にとる一方、水泳にも取り組み、前にも増して生き生き暮らしている。「夫も、私と同じ食生活を送って便秘が改善できました。腸活モニターに参加したおかげで、夫婦そろって健康に近づけました」と、喜んでいた。

 2回ともA判定が出た北川りささん(52)は「食べ物の影響が大きいのかな」と、体験的に感じていて「今後も食事には気をつけたい」と話す。「大腸活を経験して、体をどう調整すればいいのかということに自信が持てた気がします」。体調変化と食事の因果関係を体験的につかむことこそが、腸活を成功に導くコツだといえそうだ。

大腸ケアで気づいた、自身の感覚こそ大事に 消化器内科医 吉良文孝さん

 私たちの腸(主に大腸)には、100兆以上もの細菌が共生し、腸内フローラを形成しています。そこで重要なのは短鎖脂肪酸と多様性です。短鎖脂肪酸はビフィズス菌などが食物繊維を食べて出すもので、免疫調整など健康上有用な物質です。多様性は腸内に菌種が多く存在し特定の菌に偏らない状態を指します。

東長崎駅前内科クリニック院長吉良文孝さん=山形赳之撮影

 多様性が失われ、短鎖脂肪酸が不足すると「大腸劣化」に陥り、疾病リスクが高まります。それを防ぐにはヨーグルトや食物繊維などをとることも大事です。

 モニターの皆さんが1カ月間、それらを継続的に摂取した結果、ビフィズス菌や酪酸菌の割合が増えていました。それは評価して良いと思います。

 でも、腸内フローラ検査では多様性やバランスを重視しますから、菌種が少なくなった場合などは総合判定に響くことがあります。

 ですから、今回の判定結果はひとつの目安にはなりますが、一喜一憂することはありません。むしろ、大腸活に取り組む中で感じられた、ご自身の感覚を大事にすることが重要だと思います。これを食事に取り入れたらお通じや体調が良くなったとか、そうした因果関係を確認して、生活に取り入れてゆく。それこそが健康長寿の秘訣なのではないでしょうか。(談)

 今回読者が体験したのは理化学研究所認定のベンチャー企業・サイキンソーが医療機関向けに提供する腸内検査サービス「マイキンソー・プロ」。
 次世代シーケンサーと呼ばれる装置を使って、便に含まれる細菌の遺伝子情報を解析する。
 検査は、導入している医療機関を通じて受けられる。キットで便を採取し、封筒で返送すると約6週間後に、医療機関で結果を受け取れる。検査費用は、自由診療となるため受診する医療機関によって異なる。

「マイキンソー・プロ」の検査結果の見本。腸内細菌の組成や長寿菌の割合などがわかるほか、腸内環境をふまえた管理栄養士によるコメントもある。

 ◇

専門家:吉良文孝(きらふみたか) 東長崎駅前内科クリニック院長

東京慈恵会医科大学卒業。東京警察病院、JCHO東京新宿メディカルセンターなどを経て2018年に東長崎駅前内科クリニックを開設。株式会社サイキンソーCMEOも務める。消化器病・内視鏡・肝臓専門医、胃腸科指導医。

Reライフスペシャル

関連記事

最近の活動リポートの関連記事

PAGE TOP