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50代からの地域デビュー<2>お互い様の関係づくり 

更新日:2017年03月06日

 3月6日朝刊Reライフ面に掲載した記事のためのアンケート「男性の地域デビュー」に寄せられた回答から、地域デビューをしていない人のさまざまな回答とともに、地域活動に詳しい佐藤陽・十文字学園女子大学教授のアドバイスも合わせてご紹介します。

今はしていないが今後したい人 踏み出せない原因とは?

参加したい内容のグループがない。(埼玉県 70~74歳)

退職して1年はのんびり。そろそろ地域に密着した活動をしたいと思っているが、市や区の広報を見ても自分に向いている活動がない。どうやって探したらいいのか困っている。(神奈川県 65~69歳)

 具体的にしたいことがあるなら、ボランティア・NPO関係の相談員(コーディネーター)に希望を伝え、できることを探してみては?また、自分が発起人になって、一緒に活動する仲間を募るという方法もあります。


時間がどの程度拘束されるのか、人間関係でぎくしゃくしないかは気になる。(東京都60~64歳)

 人間関係が煩わしい場合は、グループ活動ではなく、個人登録のボランティアも選択肢になるでしょう。曜日、回数、時間帯、活動内容について希望を示し、条件に合うものがあれば活動する、という形になります。


親の介護で多忙なので(東京都 70~74歳)

 社協や地域包括支援センターには介護者の集いを実施しているところもあります。気軽に話せる場に参加することは、介護をする仲間と出会い、必要に応じて互いに支え合えることにつながる立派な地域デビューです。介護を家族だけで抱えると家族も倒れてしまいかねないので、介護者が「自分の時間」をつくることも大切です。

自分に合った地域活動の探し方とは?

今のままではリタイア後に抜け殻のようになってしまう気がする。今から準備しておきたいと思い始めている。(宮城県 45~49歳)

 そう思えているなら大丈夫。そうならないように、地域を知る機会となる公民館や社会福祉協議会(社協)などの学習の場に参加し、はじめの一歩を踏み出していきましょう。思っているだけでなく、行動することが大切です。


共働きで地域活動を敬遠してきた。退職後は地域に貢献したいが、情報不足が気になる。(大阪府 55~59歳)

 自分がどんな地域活動に参加したいか具体的に考え始めると、これまで見落としてきた情報が目に入ってきます。手っ取り早いのは行政、社協、NPO等の講座やセミナーに参加することでしょう。


年を取るごとに、少しずつ自分の存在意義が薄れていくようでさみしい。どこかにそれを見つけたい。(愛知県 50~54歳)

 人には「人や社会に役立ちたい」という気持ちがあります。人から必要とされる機会として、ボランティア活動は自己実現につなげる一歩になるはずです。


将来実家に戻るため、帰ったときには自治会の活動があれば参加している。年末は餅つきに参加した。(埼玉県 50~54歳)

 すでに地域デビューしています。行事に参加して地域の人と顔見知りになると、「今度~があるけど参加しませんか?」と次の声かけがあるはずです。仕事から地域に軸足を移そうとする人の場合、仕事のフェードアウトに合わせて地域活動への参加を増やしていくのも一つのやり方です。


地域社会のつながりが災害時などに非常に大事。普段から顔の見えるおつきあいをしていきたい。(東京都 55~59歳)

 普段のつながりは、災害時の対応にも密接に関係します。町内会・自治会活動や、社協やボランティア、NPOによる見守り・声かけ活動、身近な支えあい活動などへの参加から始めてみてはどうでしょう。


まだ退職前だが、どのような方面に可能性があるのか、今真剣に考えアプローチしているところ。(神奈川県 55~59歳)

 退職まではあっという間、事前リサーチは大切です。アプローチしていれば何かが見えてくるはず。その際注意してほしいのは、配偶者が老後のビジョンをどう考えているかです。長い年月で、お互いのビジョンが大きく異なっていることもありえます。自分の思いだけを先行させず、よく相談しないと熟年離婚にもなりかねません。


仕事で得られた知識や経験をいかして関わってみたい。(宮崎県 60~64歳)

 社協のボランティアセンターやNPO団体等を調べ、知識と経験がいかせる場を探すのが近道だと思います。

一方、地域デビューをしたくない人のご意見は?

地域・地縁に限定したコミュニティーに必要性を感じないから。(神奈川県 55~59歳)

 何か一歩前に踏み出してみることを勧めたいですね。話を聞くだけでもいいので、活動紹介を含めた地域の講座やセミナーなどに行ってみてはどうでしょう。そのような場で地域デビュー経験者の声を聴く機会もいいかもしれません。


あまり近くの人との活動は躊躇(ちゅうちょ)する。適度な距離感を保つのが簡単ではないように思える。(東京都 60~64歳)

 近所に知られたくない、緊密な人間関係はしんどい方は、対象と目的を明確にして、身近な地域の関わりではないNPOやボランティア活動に参加してもいいかもしれません。


人間関係が煩わしい、という標準的理由(兵庫県 60~64歳)

気持ちの上ではしたい・したくないが45:55程度。したくないを後押しするのは何らかの時間的・身体的拘束が発生するのが面倒だから。(埼玉県 65~69歳)

面倒に巻き込まれるのは仕事だけでたくさん(東京都 65~69歳)

年寄りが徒党を組むことをよしとしない(茨城県 80歳以上)

 仕事の煩わしさをはじめ、人間は生きている限りストレスを多少なりとも抱え続けると思います。それをどう受けとめるかは、それぞれ個人差があります。ただ、多少の煩わしさは、助け・助けられる「お互い様の関係づくり」として受けとめる必要もあるかなぁと思っていただけたら、と私は考えています。人は人と関わらずには生きていけない生き物ですから。

佐藤陽(さとう・あきら)教授のプロフィール

十文字学園女子大学教育担当副学長、人間生活学部人間福祉学科教授、次世代教育推進機構ボランティアセンター長。社会福祉協議会福祉活動専門員、自治体の保健福祉部福祉課地域福祉係主任を経て現職。専門は福祉教育、地域福祉、ボランティア。「就労支援で高齢者の社会的孤立を防ぐ」(共著、ミネルヴァ書房)など著書多数。


*読者会議の詳細についてはこちら(http://www.asahi.com/relife/dokusha)をご覧ください。

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