ReライフTOP読者会議Reライフ白書 with読者会議

「最後までつきあう」と決意 心に傷を負った犬の老い 

<Reライフアンケート>ペットとの一番の思い出は?

更新日:2017年12月03日

 千葉県内の夫婦のもとにやってきた1匹の保護犬。殺処分寸前のところを助け出されたその犬は、心に傷を負っていた。繰り返される不思議な行動、病気、そして老い。それらを丸ごと受け入れ、夫婦で「家族の一員」に寄り添っている。

保護犬だったコルンとの出会い

 2匹いた愛犬を立て続けに亡くし、長女(33)が嫁いでいくと、竹花家は急に静かになった。

 夫・晃さん(70)は「自分たちの年齢的にこれから若い犬は飼えない。犬はもういいかな」と思った。
 そう思いつつも、ついついインターネットでゴールデンレトリバーの情報を検索してしまっていた。最初に飼った犬で「娘のような存在だった」カリィと同じ犬種だ。
 そして飼い主募集サイトで出会ったのが、埼玉県内で警察に保護され、殺処分寸前に助け出された雄犬のコルンだった。

 2015年3月、ゴールデンレトリバーのコルンは推定7、8歳で竹花家にやってきた。
 立派な体格、フサフサの被毛、人なつっこいしぐさ。すぐに家族の一員になった。でも次第に、心に何かしら大きな傷を負っていることがわかってきた。

 昼夜を問わず家の中を歩き回り、時に頑として動かなくなる。散歩に出ると脇目も振らず、いつまでも歩き続ける。前の飼い主がよく車に乗せていたのか、なにかというと車に乗りたがる。1時間あまりドライブするとようやく、車のなかで安心したように眠る。

 妻・砂智子さん(64)が出かけるとコルンの様子がおかしくなるケースが多いことから、砂智子さんは、ずっと続けてきた稽古事をあきらめたことも。

最後のときまでそばで見守りたい

 その半生で何があったのかはわからないが、コルンは不思議な行動をとり続けた。
 いくつもの動物病院を巡り、大学付属病院でも診療を受けたが、原因は特定できず、有効な治療法は見つからなかった。
 そのうちに、ガンが見つかった。昨年8月に手術をするも、既に転移していた。「子ども1人を毎月塾に通わせるくらいの病院代がかかります」(晃さん)。とはいえ、コルンのことを思えば当然の支出だと考えている。
 夜中に1、2時間も一緒に歩き回ったり、ドライブをしたりする必要があるから、体力的にもつらい。それでも砂智子さんは「最後まで、しっかりこの子につきあってあげたい」と話し、コルンの不思議な行動と病状を見守り続ける。

 ただ、前の飼い主への不信感は募る。砂智子さんは言う。「保護犬を飼うことが良いことだと報じられていますが、そもそも犬のことを考えたら、終生飼われることのほうが大切。ペットショップなどで買う『入り口』を、もう少し厳しいものにしてほしい」

 ガンのせいか、この1、2カ月でコルンの足腰はすっかり弱ってしまった。やせ細り、日に日に衰えていくが、それでもまだ時に歩き回ろうとする。夫婦2人で、そんな愛犬に寄り添う日々が続いている。



 12月3日付朝刊Reライフ面では、読者へのアンケートをもとに記者が深掘り取材し、「【読者会議】私のペット 大切な家族」という記事をまとめています。こちらもお読み下さい。

 Reライフ面では月替わりのテーマで皆さんの意見や体験談をお寄せいただき、紙面で取り上げます。最新のReライフ面アンケートの詳細はこちらページでご確認ください。
 回答を踏まえて記者が取材をお願いすることや、紙面だけでなくウェブページで回答を掲載する場合があります。あらかじめご了承ください。


*読者会議の詳細についてはこちら(http://www.asahi.com/relife/dokusha)をご覧ください。

関連記事

Reライフ白書 with読者会議の関連記事

PAGE TOP