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【読者会議】初恋 よみがえるときめき 

<Reライフアンケート>あなたの初恋は?

更新日:2019年07月07日

 一番最初に胸がときめいた瞬間、覚えていますか? 「初恋」の思い出は甘く切なく、かすかな痛みを伴うことも。記憶の糸をたぐり寄せるうちに、懐かしい風景や匂いまでよみがえります。


自然消滅の彼と50年ぶり再会

 1964年春。都立高3年生だった川端芙美子さん(72)は北鎌倉の古刹を出て、海岸へ向かった。隣を歩く身長183センチの青年は、2年前から一途に思いを寄せ続けた一つ上の先輩。

 唐突に提案されて戸惑ったが、「当時、彼の手に触れたかは覚えていないんです(笑)」。

 高校入学直後の新入生歓迎会で、体育館のステージ上、ギターを奏でる彼に一目ぼれした。すぐに彼がいる写真部へ入った。2年生になり、彼と同じクラスの男子から交際を申し込まれたが、自分の気持ちを偽れずに断った。

 その冬、卒業を控えた彼に初めて年賀状を出した。文面は当たり障りのない近況報告。「返事が来たのを機に、映画館などへ遊びに行くようになりました」

 1浪して関西の大学へ進んだ彼は、都内の美術系短大に通い始めた川端さんと文通を重ねた。音楽への情熱をつづる彼に、川端さんも彼の演奏会当日に「トンデイケナクテゴメンナサイ」と電報を打って応援した。

 だが2人の仲は約2年半で自然消滅。「開通したての新幹線には高くて乗れない。携帯やネットもない時代、遠距離恋愛は今よりずっと大変だった」と振り返る。

 その後、川端さんは20代で結婚、出産、離婚を経験。そこから大手企業に就職し、一人で息子を育て上げた。定年後の今はパートを続けながら、息子夫婦や孫娘たちと毎日にぎやかに暮らす。

 数年前、高校の同窓会から問い合わせがあった。「彼が私と連絡したがっている、と」。以後メールでのやりとりが始まり、昨秋、鎌倉で再会を果たした。川端さんは五十数年前、一緒に歩いた砂浜で拾ったサクラ貝を持参した。

 「彼も私の電報を保管してくれていた。ランチ中に『当時キスぐらいしたっけ?』と聞かれ、私は『何もなかったわよ』と答えました。初恋は清らかな思い出。だから、ずっと色あせないんです」


■ 担任の先生 100歳まで交流

 小学5、6年時の担任の先生です。年の差15歳。級長だった私は放課後はいつも残って、ガリ版を刷る先生のお手伝いをしていました。先生はご自宅からピアノを教室へ運び込み、戦時中なのに、私たちに優しい歌をたくさん教えてくださいました。愛用していたポマードの香り、今も忘れられません。交流は100歳でお亡くなりになるまで続き、ご自宅で短歌や読書をご指導いただきました。
(千葉県 河野ひさ江さん 91歳)

■ 7歳で会った15歳の彼女

 同級生宅で会った彼女は当時15歳。高校に合格した春休みでした。7歳の僕と外へ出ると、三つボタンの半オーバーを着せてくれました。女性の匂いがする暖かい上着に得意顔の僕は、祖母に「誰のなの?」と聞かれても知らんぷり。その後、彼女の家まで2キロの道を夢中で歩いて会いに行ったのですが、呼び出す勇気がなく引き返しました。このころ彼女は結核に倒れ、入学式も出られずに19歳で逝ったと後で聞きました。
(福島県 伊藤克男さん 79歳)

■ 荒れた彼の繊細さに触れ

 高校1年の時、ブラスバンド部の3年生の彼と初めて映画に行きました。隣に座るのが恥ずかしく、一つ空けていたら別の人に座られてしまったことを映画館に行くたびに思い出します。彼が初任給で贈ってくれたオルゴールは今も大切にしています。別れてから大阪駅で偶然再会し、売店でビールを買って渡したことがありました。実は今私のいとこと同じ職場らしく、会いたいような、老けた私を見せたくないような……。
(大阪府 岩崎美枝子 67歳)

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