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肌がツヤツヤになる? プロの料理人が薦める「糀」活用術 

Reライフおすすめ講座「糀生活の魅力」 その2

更新日:2017年11月20日

   「今はじめたい とっておきの糀(こうじ)生活の魅力」と題して、プロの料理人の鈴木大輝さんが、麴(菌)と米から糀を作る方法や、糀の使い方について語った。

 発酵という変化は、麴などの菌が生み出す「酵素」が物と触れることで生じる。「麴は炭水化物などを分解して糖をつくる酵素を出します。酒造りでは、麴の酵素が酒米のデンプンを糖に分解。その糖を酵母菌に食べさせて、アルコールを作ります」

 麴(黄麴菌。黒麴菌や白麴菌も含む)は、日本の伝統的な醸造食品に広く使われていることから「国菌」として認められている。「蒸したお米に麴をつけて発酵させたものを『米糀』と言いますが、芽吹いた白い菌糸が米粒を覆って花のように見えることから『糀』という和製漢字が生まれたのだそうです」

 鈴木さんは、持参した糀を受講者たちに見せた。蒸し米に麴をつけ、3日間、人肌ほどの温度で温めてできたものだ。受講者たちは、改めて洗った手で糀に触れた。手を桶(おけ)の中に差し入れると、ぬくもりが伝わった。少しつまんで鼻に近づければ、ほのかに甘酸っぱい香りがした。口に含めばかすかな甘みを感じる。

 「さらに2日ほど置くと、米粒にもっと菌糸が入って、ほくほくと栗のような風味が増します。私は、糀をそのまま食べていますが、お通じも良くなって、体にとてもいい感じですよ」

 「そういえば先生、お肌がツヤツヤ……」と受講生から声が上がった。

 「毎日、糀に触れていますからね。酒を造る杜氏さんの手がきれいなのも、麴のおかげだそうですから」

 やがて、「麴はどこで手に入りますか?」「お米はどう蒸したらいいのですか?」などと質問が相次いだ。

 「種麴を売っている種麴屋さんは、国内に数えるほどしか残っていませんが、インターネットでも購入できます」。種麴をもとに作った糀をすりばちなどですりつぶせば、次の種として使うことも可能だ。

 「蒸し器を持っていなければ、圧力炊きのできる炊飯器でも蒸し米が作れます。規定の3分の1から4分の1の量の水で炊けば、蒸したのと同じぐらいの固さになります」と鈴木さん。水の量が多すぎると、発酵が進み過ぎて甘酒のようになってしまうので、注意が必要だ。

 専門書をひもとけば、発酵温度は40度ぐらいが指定されていることが多いが、「私の経験では36.9度ぐらいがベスト。発泡スチロールの箱や湯たんぽなどを工夫して温めてください」。ヨーグルトメーカーを使っても良いが「麴の発酵には酸素が必要なので、ふたは密閉しないことです」。

 できた糀は、塩糀にして調味料として使うことを鈴木さんは勧める。「料理の味付けを薄めにして、塩の代わりに使うのです」。塩糀は、糀と水を容器に同量入れ、合わせた量の13%にあたる塩を入れる。「つまり、糀50グラム、水50グラムなら、塩は13グラムが適量。塩は精製塩より、天然の粗塩などがお勧めです」。容器は、直射日光の当たらない場所で常温保存し、11回は中をかき混ぜる。夏なら2週間以上、冬なら4週間以上置き「糀の粒がどろっとしたら完成」だそうだ。

 「私が料理長をしている『発酵居酒屋5』では、糀を低温乾燥させて微粒子状にした粉末も販売しています。白湯や汁物に混ぜたり、料理にかけたりすれば、手軽に麹を体に取り入れることができます。保存が効き、味もほのかに甘い風味なので、料理の味付けも損ないません。ぜひ、試してみてください」

 ◇

 鈴木大輝(すずき・たいき) 1979年生まれ。料理人。東京・表参道にある「発酵居酒屋5」では、料理長として麴を使った様々なオリジナルメニューを提供している。麴の魅力を広めるため、麴に「大い」に「使われ」ていることから、自ら「発酵大使」を名乗っている。

この記事は、朝日カルチャーセンター新宿教室で2017年10月14日に開かれたReライフおすすめ講座「糀生活の魅力」の内容を採録したものです。

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