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当たって欲しくない予想だけれど……消費税アップで景気悪化 

Reライフおすすめ講座「人生後半戦のお金の習慣」その5

更新日:2018年02月01日

 2019年秋に予定されている消費税率引き上げは、私たちの暮らしにどう影響するのでしょうか。特に、「人生後半戦」世代はどんな心の準備が必要なのか。ファイナンシャルプランナー深野康彦さんは、前回の引き上げで締まった財布の紐がさらに締まることを心配します。

 消費税の影響はこれからが要注意です。2人以上世帯の実質消費額が前年同月と比べてどう増減したかをもとに説明します。この数値は総務省が発表しています。

 東日本大震災が起きた2011年3月は8.2%落ち込みました。2014年5月も8%落ちていますが、これはその1カ月前に消費税率が5%から8%に引き上げられ、その反動で消費者が一斉に財布のひもを締めたからです。引き上げ直前の2014年3月は駆け込み消費の影響で7%跳ね上がっています。

 東日本大震災のときはミネラルウォーターや缶詰など備蓄できるものが一斉に店の棚からなくなりました。買いたいけど買う物がなくなったわけです。それに比べて、消費税率が上がった20145月は、買う物はたくさんあった。けれども消費者は財布のひもを締めました。それくらい消費税の引き上げは家計にインパクトを与えるのです。

 次の引き上げは201910月です。この前引き上げられたのは20144月でした。では、その前はいつだったか覚えていますか。19974月に3%から5%に引き上げられました。このときのことを覚えていた人が17年後の20143月に駆け込み消費したのでしょう。でも大多数の人は忘れているんです。

 しかし、税率が次に上がる201910月は、前回の駆け込み消費が起きた2014年春から考えると約5年後のことです。みなさん明確に覚えています。その状態で5%から10%に一気に倍になり、100円のものを買ったら105円だったのが、110円です。実質5%の値上げです。お財布からお金が逃げていくのが速く感じます。

 個人的には、次の消費税引き上げは、大きな駆け込み需要を呼び覚まし、消費者が一斉に備蓄できるものを買い込むのではないかと思います。そして引き上げ後の201910月以降は、逆に一気に財布のひもを締めて冬眠状態に入る。それくらい大きなインパクトがあると思っています。

 実は、消費税率が5%から8%に上がった20144月以降、2カ月連続で前年の同じ月より実質消費が増えた月は1度もありません。それくらい消費税値上げの影響は尾を引いているのです。偉い専門家の方が「消費税が上がったとしてもその影響は軽微ですむから今上げても大丈夫」と言っても、庶民感覚からすると影響はまだ続いています。

 2020年に東京五輪がありますが、消費税が上がる前年秋には、だいたいインフラ整備は終わっているでしょう。そもそもGDP(国内総生産)に対する公共事業の影響は2割もなく、圧倒的に個人消費が占めています。

 (前回取り上げた)国の働き方改革で残業代が減ったものの、思ったように給料が伸びなくて、その一方で物価はじわじわと値上がりが進み、さらに消費税が引き上げられたなら……。政府が適切な処置をしないと景気はスローダウンしていく可能性は非常に高いと考えます。私のこの予想は外れて欲しいのですが。

 リーマン・ショックのとき先進国のなかで最も経済が落ち込んだのは日本です。それくらい海外の景気に左右されやすい国なのです。今度もし大きな景気の後退が来ると、私と同年代の50代が一番危ないでしょう。リーマン・ショックのときは40代。リストラの対象だったのは一つ上の世代でした。10年後、今度は自分たちがその対象になるかもしれません。月日が立つというのは残酷なものです。

 絶対にそうなるかどうかは別にして、頭の片隅にでも置いておくと、いざというときの対応に差がでます。怖いのはパニックになってしまうこと。普段から意識していれば、いくらか余裕がある。その部分はお金周りでも一番大きいと思います。

深野 康彦(ふかの・やすひこ)

1962年生まれ。大学卒業後、クレジット会社を経て独立系ファイナンシャルプランナー(FP)会社に入社。金融資産運用設計を研究して1996年に独立。2006年、有限会社ファイナンシャルリサーチを設立する。さまざまなメディアやセミナーを通じて、資産運用のほか、住宅ローンや生命保険、税金や年金などお金周り全般についての相談業務や啓蒙(けいもう)を幅広く行っている。テレビ、ラジオにも多数出演している。著書に「55歳からはじめる長い人生後半のお金の習慣」(明日香出版)。

この記事は、朝日カルチャーセンター新宿教室で2017年12月3日に開かれたReライフおすすめ講座「人生後半戦のお金の習慣~2018年以降の変化を見据えて~」の内容を採録したものです。

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