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安心して長生きできる「トンチン年金」とは 

Reライフおすすめ講座「人生後半戦のお金の習慣」その7

更新日:2018年02月15日

 人生100年時代と言われるなか、「人生後半戦のお金の習慣」では「長生きへの備え」が大事になります。従来よりも長くなる老後に、どう備えるか。どんな準備が必要なのか。「終身年金」はそのひとつの選択肢のようです。ファイナンシャルプランナー深野康彦さんが語ります。

 2017年の敬老の日に100歳を超える人は全国で6万600人に達しました。ある統計によると、夫婦2人で60歳まで生きた場合、約45%の確率でどちらかが90歳まで生きるそうです。さらに22~23%の確率でどちらかが95歳まで生きるそうです。「どちら」とはいいませんが、男性は奥さんが亡くなると「早い」と言われます。すぐ後を追っていく。女性は旦那さんが亡くなると「長い」と言われます。つまり男性は奥さんに、それだけ「愛情のお金」を多く残さないといけないのです。


 では長生きにどう備えるか。まず終身年金を厚くすることです。老後を迎える前に金融資産をためようとしても、大多数の人には限界がある。我々は何歳まで生きるか寿命をコントロールできません。それなら一生涯もらえる年金を厚くして備えるというわけです。

 公的年金を満額もらえれば大きいです。公的年金の保険料は20歳から60歳まで40年間払います。お恥ずかしいのですが、実は私には学生のときの未納があります。50代の我々世代の人で学生時代に年金を払っていた人は皆無に近いでしょう。当時は督促のはがきもほとんど届きませんでした。

 50代以上のほとんどの人は未納があると考えられるため、60歳以降に任意加入して年金保険料を40年間分払えば満額もらえます。こういう形で一生涯ずっともらえる年金を厚くするのが100歳を生きる一つのポイントです。

 例えば自営業者で国民年金しか加入していない方は、勤労者の厚生年金にあたる部分の国民年金基金に加入して終身年金を厚くします。国民年金基金の掛け金は全額が所得控除になりますし、なおかつ1口目は終身年金に入らなくてはなりません。これで勤労者のような国民年金と厚生年金の二階建てと同じようになれ、3階部分をどうするか考えればよくなります。

 終身年金は公的年金や公的年金に準ずるものがベースになります。民間でも個人年金商品を売っていますが、かつてに比べて保険料はとても高いし、先が見えないものまで保証するのはリスクが大きいので終身年金を売ることに熱心ではありません。その代わり期間がきまった有期年金を売っています。

 その中で一つの光明がトンチン年金です。イタリアの銀行家ロレンツォ・トンチンさんが考案したとされています。

 個人年金保険は、自分で掛け金を積んでいって65歳とか70歳とかの年齢に達したら、10年や20年といった一定期間、年金をもらう仕組みがほとんどです。年金を受け取り始める前になくなった場合、払い込んだ保険料と同じくらいが戻ってきます。

 これに対しトンチン年金は、年金保険への加入者が亡くなったとき、その遺族に保険金などは支払わず、その分は生きている他の加入者の年金原資に回す仕組みです。長生きするほど多くの年金を受け取れるのが特徴です。年金を受け取る前に亡くなれば、保険料は掛け捨てとなります。公的年金の相互扶助と同じ考え方に基づいています。

 日本でも昨年あたりから商品が出回りだしました。50歳以上が払い込みの対象です。ただし日本の場合は、「年金を受け取る前に亡くなって掛け捨てになると、あまり加入者は増えないだろう」と、7割程度は戻る仕組みになっています。

 生きている間、毎年どのくらい年金が入ってくるかが分かります。自分の公的年金にこれをプラスすることで、「これくらい入ってくる」という「見える」安心感があります。この個人年金は、(死ぬまでの受取総額の)損得で考えるものではないのです。

深野 康彦(ふかの・やすひこ)

1962年生まれ。大学卒業後、クレジット会社を経て独立系ファイナンシャルプランナー(FP)会社に入社。金融資産運用設計を研究して1996年に独立。2006年、有限会社ファイナンシャルリサーチを設立する。さまざまなメディアやセミナーを通じて、資産運用のほか、住宅ローンや生命保険、税金や年金などお金周り全般についての相談業務や啓蒙(けいもう)を幅広く行っている。テレビ、ラジオにも多数出演している。著書に「55歳からはじめる長い人生後半のお金の習慣」(明日香出版)。

この記事は、朝日カルチャーセンター新宿教室で2017年12月3日に開かれたReライフおすすめ講座「人生後半戦のお金の習慣~2018年以降の変化を見据えて~」の内容を採録したものです。

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