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自由な8時間の使い方が決め手 

Reライフおすすめ講座「定年後の楽しみ方」その1

更新日:2018年02月22日

 放送大学客員教授の遠山紘司さんが講師のReライフおすすめ講座「もっと知りたい、定年後の楽しみ方」が201823日、朝日カルチャーセンター新宿教室で開かれました。その模様を5回にわけて採録します。1回目は「定年後の前例探し」です。定年を迎えて手に入れることができた長い自由時間を楽しく過ごすには、生きがい(目標)を見つけることが大事になります。

■私の寿命は105

 最近になって突如、「人生100歳時代」がクローズアップされるようになりました。「敬老の日」が始まった1963(昭和38)年、100歳を超える方は153人でした。それが昨年(2017年)9月の「敬老の日」には全国で67000人以上になり、54年間で約440倍にも増えています。国立社会保障・人口問題研究所は、23年後の2050年には70万人に達すると推定しています。

 戦後、サラリーマンが増え続けました。就業者全体に占める雇用者の割合でみると、1960(昭和35)年に初めて50%を超え、今は約90%に迫る勢いです。問題は、そのサラリーマンが定年後に何を準備するか、どう生きるか。はっきりしない人が増えていることです。

 私は、6年前の3月に70歳で定年となり、41年間のサラリーマン生活を終えました。定年前は週1回のテニスと小さな家庭菜園が趣味でしたが、「定年後のことは定年になってから考えよう」ぐらいにしか思っていませんでした。ところが定年後3カ月くらい経って精神的におかしくなってきたのです。自分が何歳まで生きるか分からないので、残りの人生計画を立てようにも立てられなかったことが原因です。

 そこで自分で人生設計を立てることにしました。祖父が93歳、父は99歳まで生きていたので、妻と相談して自分の寿命を勝手に105歳と決めました。するとすごく心が安定しました。当時70歳でしたから残り35年あります。これはサラリーマン生活に匹敵する時間です。せっかくですから、2度目の人生は「楽しむための人生」と位置付けたわけです。

 しかし、「楽しむ」といっても私にそのアイデアがあったわけではありません。本屋や図書館に行って「定年後をどうやって生きるか」という本を探しました。だが、あるのはお金に関する本ばかりで、定年の全体像がわからない。定年後の生活モデルや前例がないことに初めて気づいたのです。戦前まで日本人の平均寿命は4045歳程度。70歳以上になったのは1960年代以降です。急激に寿命が延びたため前例がないのです。

 登山好きの同級生(76歳)は今年の年賀状に「いまさら何をしたいと思うこともないが、目の前にある道をゆっくり進んでいくしかないでしょう」と書いてきました。釣りが好きな後輩(69歳)は「無駄に年を重ねている感じです」と記しました。人生100歳としたら、あと25年、30年をどうやって過ごすのでしょうか。前例がないのでわからない。ここは自分で考えるしかないのです。

■良質な自由時間が5倍に

 定年を楽しむには生活基盤をしっかりすることは言うまでもありません。健康であること、ある程度お金があること。それだけでは豊かになれなません。定年になると人間関係は家庭中心、地域中心になりますが、そことどう付き合うかです。さらに生きがい(目標)を持ってないと豊かさは実感できないでしょう。

 定年を迎えて得たものと失ったものがあります。失ったものは仕事、給与、職位、健康保険など非常に多い。これに対し得たものは自由な時間です。この自由な時間をいかに上手に使うかが定年後を左右することになります。

 現役のとき1日の自由時間は夜1時間半ぐらいあったと思います。ない人もいます。定年後に通勤はありません。午前中も自由です。夕食も早めでしょう。トータルで自由時間が8時間と、5倍以上になる。しかも通勤疲れのない良質な時間です。特に頭もシャープな午前中の2時間半はゴールデンアワーです。

 しかし、定年後は、だらだらと過ごしてしまいメリハリがなくなりがちです。「自由な8時間」をうまく使い切れていません。

 解決策は、目標、目的を設定してメリハリをつけるしかありません。つまり自分が何をしたいのかを探すことです。言い換えれば、少し長い目で見て「生きがい」を探すということになります。

遠山 紘司(とおやま・こうじ)

1942年生まれ。理学博士、工学博士。横浜国立大学、放送大学、文部省、神奈川工科大学を経て、現在、放送大学客員教授として「問題解決の進め方」を担当。2012年の定年を機に、「定年は2度目の人生のスタート」と位置付け、定年前後の現状や問題点と理想的な生き方を実地調査もしながら模索している。著書に「もっと知りたい! 定年の楽しみ方」(学文社)。

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