ReライフTOPイベント講座イベント・講座開催リポート

西も北も席取り合戦 「青春18きっぷ」の旅で生き残るには 

Reライフおすすめ講座「全国全駅訪問者が教える鉄道旅のススメ 」 その2

更新日:2019年02月22日

 全国の鉄道全駅を訪れているトラベルライターの横見浩彦さんが本音で鉄道の旅を語るReライフおすすめ講座。その2回目は、初回に引き続き「青春18きっぷ」を使った旅の落とし穴と、その回避法を紹介します。

 さて、「青春18きっぷ」を使って東海道線を西に下っていく話には続きがあります。

 米原を過ぎてから京都に入り大阪へと続きますが、ここを走る新快速は快適です。問題はその先です。姫路駅(兵庫県)に着きます。そこで乗り換える電車の8割方は、乗降する扉が3つあるタイプの車両です。座席は4人が座れるボックス席と、上りと下りで座席の方向を変えられる2人掛けの転換クロスシートの2種類があります。ボックス席はグループで移動するにはいいけれど、向かい合わせの席はちょっと窮屈です。旅をするなら、いい席に座りたいじゃないですか。できれば車窓の景色が見える2人掛けのシートに座りたいです。

 ホームでは、3つある扉のうちどこに並んだらいいと思いますか。実は選んだ扉によって天と地ほどの差があるのです。

姫路駅で乗り換えの際、2人掛けシートに座りたいなら真ん中の扉を選ぼう

 正解は真ん中です。絶対に並んではいけないのが進行方向(岡山側)の扉です。ここから入ると扉近くにはボックス席しかありません。真ん中の扉付近なら2人掛けシートに楽に座れます。最も後ろの扉付近には、ボックス席と2人掛けが半々くらいです。

 ただし、注意点があります。この扉は半自動式なのです。ボタンを押さないと開かない。せっかく真ん中の扉の列の先頭に並んで待っていたのに、ボタンを押すのを知らないでもたもたしていると乗り込むタイミングを失ってしまい、両側の扉から入った人に先に席を取られてしまうことがあります。半自動式を伝える駅のアナウンスは聞こえないときもあります。

 似たような話は東北線でもあります。

 上野から宇都宮(栃木県)までは15両編成です。ところが、宇都宮駅で乗り換える列車は、降りた同じホームのはるか先に止まっている黒磯(栃木県)行きの列車です。しかも4両編成です。15両編成の後ろのほうから延々とホームを歩いて、ようやく車両についたころにはすでに満員になっていることがあります。

 さらに黒磯での乗り換えが大変です。階段を上って狭い跨線橋(こせんきょう)を渡って向こう側のホームに止まっている車両に乗り換えるからです。しかも今度は2両編成。さらなる激戦区が待っているのです。

 以前、知り合いがこの列車に乗ったときは、東北でアイドルグループのコンサートがあったらしく、大勢の人が乗り換えで移動したため、列車に40分の遅れが生じたうえ、積み残しまで発生したといいます。

 宇都宮から先頭車両に乗って、黒磯の手前から待機して、扉が開いたらダッシュして跨線橋を渡れば難を逃れられます。しかし、うっかり後ろの車両に乗っていると、黒磯で降りた瞬間、一気に大渋滞になった跨線橋を見るはめになります。

 実は「青春18きっぷ」を使った旅は競争の連続なんです。こんな熾烈(しれつ)な競争はありません。この現状に打ち勝たなければいけなません。確かに安く旅行はできますが、リスクは覚悟しておいた方がいいでしょう。

 この話は2019年1月19日、朝日カルチャーセンター新宿教室で開かれたReライフおすすめ講座「全国全駅訪問者が教える鉄道旅のススメ」の採録第2回です。次回は「青春18きっぷ こうすれば豪華な旅に」です。

 横見 浩彦(よこみ・ひろひこ) 1961年生まれ。鉄道トラベルライター。高校1年生から本格的に鉄道での一人旅を始める。1987年、25歳で可部線の三段峡駅にて国鉄全線の完全乗車を達成。1995年、JR因美線の美作河井駅にてJR全線全駅乗下車を果たす。この体験をもとに『乗った降りたJR四六〇〇駅』(新人物往来社)を執筆しライターデビュー。私鉄の駅にも挑戦し、2005年2月、43歳のとき上信電鉄上州福島駅にて日本全国全駅乗下車を達成した。その後も新しい駅が出来るたびに乗下車記録の更新を続け、2009年には近江鉄道ひこね芹川駅にて通算1万駅乗下車を記録した。2001年から連載が続いている実録・鉄道旅マンガ『鉄子の旅』シリーズの〈旅の案内人〉としてもおなじみ。シリーズ第3弾『鉄子の旅 3代目』は、小学館よりコミックスが刊行されている。

全国全駅訪問者が教える鉄道旅のススメの連載

Reライフスペシャル

イベント・講座開催リポートの関連記事

PAGE TOP