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安いけれど、ちょっと豪華な旅 その秘訣は夜寝る場所にあり 

Reライフおすすめ講座「全国全駅訪問者が教える鉄道旅のススメ 」 その3

更新日:2019年03月01日

 全国の鉄道全駅を訪れているトラベルライターの横見浩彦さんが本音で鉄道の旅を語るReライフおすすめ講座。第3回は、「青春18きっぷ」を使いながら、ちょっと豪華になる旅を紹介します。

 さて、「青春18きっぷ」だけの旅にこだわりますか?

 ローカル線に乗ってのんびり進む鈍行列車の旅はあこがれといいますが、使用期間が限定されている「18きっぷ」のせいで人がどっときてしまうときもあります。

 いまでは1日1往復しか走っていない路線もあります。1両のレールバスで走っている路線もあります。そんなところに人がわんさか押しかけてしまうと、きついものがあります。列車に乗っても景色をみるどころか立っているのがやっとの状態になってしまうと、苦痛以外の何ものでもありません。僕は、そこまでして「18きっぷ」を使って旅をするものではないと思っています。

 「18きっぷ」を使って1日2300円程度で済む旅なら、普通に運賃を支払ったとしても5000円くらい。それでもいいんじゃないかと思うんです。いまや使っている6~7割は中高年の人でもあります。

 そこで提案があります。「18きっぷ」と組み合わせてフェリーを使うのもいいんじゃないかというプランです。

 例えば東京~鹿児島を旅するとします。「青春18きっぷなら2枚でいける」と頑張る人もいますが、大阪からフェリーに乗る手もあります。大阪から地下鉄に乗って大阪南港のフェリー乗り場に行きます。そんなに遠くありません。夜7時半ごろ、大阪南港を出航して翌朝8時半ごろ北九州の新門司港に着くルートです。

 じゅんたんの上にゴロンと横になって寝ていくこともできます。大浴場もありレストランもある。デッキで潮風にあたるのもいいでしょう。新門司港からJR小倉駅まで無料送迎バスもついています。

 鈍行列車の旅を続けて夜中に広島まで行くのもいいですが、翌朝6時に出発するのもつらいじゃないですか。ずーっと鈍行に乗って疲れてしまうより、翌朝8時半ぐらいに九州に着いてゆっくり朝食を食べて、それから「18きっぷ」を使えば、のんびり鹿児島までたどり着くことができます。

 行きは鈍行列車で頑張って鹿児島へ行き、帰りはフェリーを使うのもよし。料金は、最も安い大部屋で7000円程度。ホテル代を考えれば、フェリーに寝ている間に九州に着いちゃうのですからお薦めです。

 北海道旅行にもフェリーが使えます。苫小牧東港と秋田港を結ぶフェリーがあります。JR日高線浜厚真(はまあずま)駅から歩いて15分のところにフェリー乗り場があります。これも夜7時半ごろに出航して翌朝7時半ごろに秋田港に着く航路です。料金は5000円くらい。豪華客船に乗ってゴロンと横になり大浴場で疲れをとる。秋田港はJR土崎駅が近い。「18きっぷ」でその日のうちに東京へ帰って来られます。

巨大な豪華客船が待機中。秋田や新潟を結ぶフェリー
フェリー船内の二等客室
気持ちのいい目覚め。デッキに出てみると海風が肌に心地よい
朝食に「和定食」を注文
秋田港に接岸

 昨年就航したばかりで僕は使ったことがないのですが、北海道の室蘭と岩手県の宮古を結ぶフェリーもあります。室蘭を夜に出て宮古に朝着く。料金は6000円くらい。JR宮古駅まで乗り場から歩いて15分くらいです。

 以上、「青春18きっぷ」だけの旅にこだわらなければ、のんびり行くこともできますという例を紹介しました。

 北海道旅行をするのに意外と知られていないのが、「北海道&東日本パス」です。JR北海道とJR東日本が共同で発売している特別企画乗車券のことです。連続した7日間有効で両社の営業エリアの鈍行列車が10850円で乗り放題のフリー切符です。しかも、この切符は「青い森鉄道」や「IGRいわて銀河鉄道」、「北越急行」の第三セクター鉄道にも乗車できるのが魅力です。

 これを使って、東京から青森の八戸まで行き、夜10時に八戸港を出航するフェリーに乗れば、翌朝6時には北海道の苫小牧西港に着いている。フェリーは5000円です。1泊のホテル代を考えれば高くはない。1週間で北海道旅行を考えた場合の一例としてどうでしょうか。

 これは2019年1月19日、朝日カルチャーセンター新宿教室で開かれた講座の採録の第3回です。次回は最終回「初公開! 10年でJR全駅乗下車を達成する方法」です。

 横見 浩彦(よこみ・ひろひこ) 1961年生まれ。鉄道トラベルライター。高校1年生から本格的に鉄道での一人旅を始める。1987年、25歳で可部線の三段峡駅にて国鉄全線の完全乗車を達成。1995年、JR因美線の美作河井駅にてJR全線全駅乗下車を果たす。この体験をもとに『乗った降りたJR四六〇〇駅』(新人物往来社)を執筆しライターデビュー。私鉄の駅にも挑戦し、2005年2月、43歳のとき上信電鉄上州福島駅にて日本全国全駅乗下車を達成した。その後も新しい駅が出来るたびに乗下車記録の更新を続け、2009年には近江鉄道ひこね芹川駅にて通算1万駅乗下車を記録した。2001年から連載が続いている実録・鉄道旅マンガ『鉄子の旅』シリーズの〈旅の案内人〉としてもおなじみ。シリーズ第3弾『鉄子の旅 3代目』は、小学館よりコミックスが刊行されている。

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