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人生100年時代の老後 お金の使い方は3段階に分けて考えて  

なるほどマネー 投資の新「常識」:1

更新日:2017年11月21日

 「老後資金のための投資を考えていますが、そもそもどれだけお金が必要なのかわかりません。老後のお金の使い方はどう考えていけばいいのでしょうか」
 読者からの質問にファイナンシャルプランナー深野 康彦さんが答えました。

 昨年ごろから「人生百年時代」と言われるようになり、老後の過ごし方への関心がより一層高まったようです。「iDeCo(個人型確定拠出年金)」が始まったことも影響しているようです。連載初回の今回はまず、老後のお金の使い方を考えていきましょう。老後のライフプランは、お金の使い方を考えたうえで、それに合わせた金融商品で運用をする必要があります。

 「お金の使い方」と言っても多くの人はピンとこないはずです。現役時代は、住宅購入や教育費など、まとまったお金が必要なライフイベントを考えればほぼ事足りました。あとは毎月の収入の範囲で生活費をやり繰りし、ライフイベントや将来に備えて貯蓄をすれば良かったからです。

 ところが、老後のお金の使い方は現役時代とは正反対です。まとまったお金が必要になるライフイベントはほとんどない一方、公的年金だけでは生活費も賄えません。しかも公的年金は2カ月分まとめて支払われます。現役時代のように単月で管理するのではなく、収入にあたる年金を2カ月で割って生活費を賄います。サラリーマンだった人は、単月から2カ月管理に慣れる必要があります。年金だけでは生活費を賄えませんから、貯蓄を取り崩すことにも慣れなければなりません。

 老後は現役時代に準備してきた資金を刈り取る、つまり使う時期です。貯蓄を取り崩すことに罪悪感を持つ必要はありません。ただ、計画もないままお金を使っていくのは感心しません。「人生百年時代」では、長生きすることで生活にお金がかかるリスクなどを考える必要があります。そこで、お金の使い方のベースになるライフプランが必要になるのです。

 万人に共通した老後のライフプランはありません。しかし、これまでファイナンシャルプランナー(FP)として相談を受けてきた経験から、老後資金は一つの「財布」で管理するより、複数の財布に分けて管理するほうが、ストレスなくお金を使うことができるケースが多いようです。

 老後を三つのステージに分けて考えてみましょう。65~75歳までの第1ステージ、76~85歳までの第2ステージ、86歳以降の第3ステージに分けます。分ける際は、65歳時点の全資金を3等分するのではなく、第1ステージに40%、第2ステージに30%、第3ステージに20%――などと、より年齢が低い時期を厚めに配分します。年を重ねるまでは健康で体力もあり、使うお金も多くなります。より高齢の第3ステージの配分を少なくするのは、第1、2ステージよりお金を使わなくなり、その間に資産運用もできるため、運用益を稼ぐことができるからです。

 複数の財布に分けて管理するのは、ここまでなら使っても大丈夫という「上限」をイメージするためです。各ステージに振り分けた資金は、期間内に無理に使う必要はなく、余らせても問題はありません。=全12回

(2017年10月30日付け朝日新聞朝刊「Reライフ」面)

深野康彦さんがReライフ講座(朝日カルチャーセンター・新宿教室)「人生100年時代を見据えたマネー戦略」に登壇します。

人生100年時代を見据えたマネー戦略
日時:2018年12月2日(日)14:00~15:30 詳しくはこちら

有限会社ファイナンシャルリサーチ代表
ファイナンシャルプランナー 深野 康彦(フカノ ヤスヒコ)

 1962年生まれ。大学卒業後、クレジット会社を経て独立系FP会社に入社。FP業界歴29年(2017年4月現在)を誇る。金融資産運用設計を研鑽して1996年に独立。現在の有限会社ファイナンシャルリサーチは2006年に設立(起業2社目)。さまざまなメディアやセミナーを通じて、資産運用のほか、住宅ローンや生命保険、あるいは税金や年金などのお金周り全般についての相談業務や啓蒙を幅広く行っている。日本経済新聞夕刊「投信番付」のほか連載多数。BSジャパン「日経モーニングプラス」に毎月1回出演。新聞・マネー雑誌、経済誌などへの執筆・取材協力および金融商品などのデータ提供を行いながら、テレビ、ラジオにも多数出演している。


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