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物価上昇に備えた資産運用を 定額で購入、つみたてNISA 

なるほどマネー 投資の新「常識」:4

更新日:2017年11月28日

 「金融機関で、将来への資産運用として「つみたてNISA(ニーサ)」を勧められました。どのようなメリットがあるのでしょうか」
 読者からの質問にファイナンシャルプランナー深野 康彦さんが答えました。

 前回、将来物価が上がる「インフレ」で金融資産が目減りするリスクに備えて、「つみたてNISA」で、運用益が期待できる投資信託などを買うとよいでしょうと述べました。本当に物価が上がるの?と思われるかもしれません。物価上昇率は日本銀行が目指す「2%」にほど遠い状況です。

 それでも、最近お金の減り方が速いなと感じることはないでしょうか。一部の商品は、原材料高などによるコスト増に耐えきれず、希望小売価格などは変えずに内容量を少なくする「実質値上げ」が行われています。統計には反映されにくいため、私たちの生活実感と差があります。

 実質値上げは、消費税が5%から8%に引き上げられた2014年4月から様々な商品で行われています。物価上昇は統計より生活実感で判断すべきです。実質値上げを考えれば、物価は上がっていると考えるべきでしょう。

 だからこそ、資産運用で物価上昇を上回る収益を確保する必要があります。預貯金の金利や個人向け国債などの今の超低金利ではとても確保できません。

 株式投資はどうでしょうか。今の日経平均株価は、バブル崩壊後に株価が半値以下に下がったあとの高値を更新しました。株価が上昇基調の今は、投資の初心者が踏み出せる環境とは言えない状況です。

 そこで注目したいのが、17年10月から申し込みが始まった「つみたてNISA」です。非課税投資枠は年40万円。非課税期間は20年間で、最大800万円まで投資できます。売却はいつでも可能で、売却益はすべて非課税です。ただし、損失が出た場合、他の証券口座の配当金や売却益と損益の通算はできません。

 投資対象は、手数料率が低く、かつ長期投資に向く一定の条件を満たした公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)です。つみたてNISAの対象となる商品は124本(22日時点)。国内または海外の株式を投資対象とする商品のほか、国内外の債券なども投資対象とするバランス型があります。投資の基本は「国際分散投資」ですので、投資初心者はバランス型の商品を選ぶとよいでしょう。

 つみたてNISAは積立貯金のように、一定期間ごとに定額で買い付けを行っていくことに特徴があります。定額購入を行うことで、価額が高いときは少ない口数を買い付ける一方、低いときは多い口数を買い付けるため、平均取得単価を抑え、収益を得る機会を増やす効果が期待できるのです。ただ投資に「絶対」はありません。余裕資金を長期に投資していきましょう。

 なお、現行のNISAとつみたてNISAを同一年に併用して利用することはできません。どちらかを選んで利用することになります。=全12回

(2017年11月27日付け朝日新聞朝刊「Reライフ」面)

深野康彦さんがReライフ講座(朝日カルチャーセンター・新宿教室)「人生100年時代を見据えたマネー戦略」に登壇します。

人生100年時代を見据えたマネー戦略
日時:2018年12月2日(日)14:00~15:30 詳しくはこちら

有限会社ファイナンシャルリサーチ代表
ファイナンシャルプランナー 深野 康彦(フカノ ヤスヒコ)

 1962年生まれ。大学卒業後、クレジット会社を経て独立系FP会社に入社。FP業界歴29年(2017年4月現在)を誇る。金融資産運用設計を研鑽して1996年に独立。現在の有限会社ファイナンシャルリサーチは2006年に設立(起業2社目)。さまざまなメディアやセミナーを通じて、資産運用のほか、住宅ローンや生命保険、あるいは税金や年金などのお金周り全般についての相談業務や啓蒙を幅広く行っている。日本経済新聞夕刊「投信番付」のほか連載多数。BSジャパン「日経モーニングプラス」に毎月1回出演。新聞・マネー雑誌、経済誌などへの執筆・取材協力および金融商品などのデータ提供を行いながら、テレビ、ラジオにも多数出演している。


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