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インフラファンドとはどんなもの? 「太陽光」4銘柄に注目 

なるほどマネー 投資の新「常識」:8

更新日:2018年01月08日

 「株式投資は多くの銘柄があって選ぶのが大変です。かといって不動産投資も難しそうです。他にどんな投資商品がありますか」
 読者からの質問にファイナンシャルプランナー深野 康彦さんが答えました。

 前回、投資は売却益だけではなく、配当利回りに着目したスタイルもあると述べました。株式の個別銘柄では3%%や4%の高配当株がありますが、東京証券取引所第1部全体の平均では約1.5%です。最近の物価上昇よりは高いですが、日本銀行は2%の物価上昇率を目指しています。

 将来2%が実現するなら、それを上回る利回りが欲しいところですが、個別銘柄は数が多すぎて選ぶのが難しい、という声をよく聞きます。

 そこで、違った視点で高い利回りを得られる投資商品を考えてみましょう。注目したいのは「インフラファンド」です。

 インフラファンドは、様々な企業がつくった投資法人が投資家から資金を集め、太陽光発電所や道路、空港などのインフラ施設に投資します。太陽光発電では、得た売電収入を投資家に分配します。投資家は安定収益が期待できます。

 まだなじみが薄いですが、上場不動産投資信託(J-REIT〈リート〉)と似た仕組みだと考えればいいでしょう。

 東証には太陽光発電所に投資する4銘柄が上場しています。市場規模は約400億円、全銘柄の平均利回りは約5.9%です。

 市場規模が小さく、多額を投資する機関投資家の売買による値動きにほんろうされにくいといえます。投資信託の投資対象になっておらず、投資信託の売りによる価格急落もなさそうです。ただ、思うように売れない流動性の低さという懸念はあります。現在上場している4銘柄とも太陽光発電設備に投資する商品で、分散投資もできません。

 太陽光発電は一定の価格で電力を買い取る固定買い取り制度により、20年間の買い取り期間が決まっています。一度決まった買い取りの価格や期間は、一定の例外的な場合を除いて満期(20年)まで変更されません。

 政府が決める太陽光発電の売電価格は、開始当初の2012年から半値近くまで下がり、成長力は期待しにくいものの、株式やリートより高利回りといえそうです。20年間の固定買い取り制度があることで、分配金の減額リスクは低い商品と考えられます。

 リートも株式より高い配当利回りが期待できる商品です。市場全体の平均利回りは約4.1%と、株式の平均利回りの3倍近い配当収入が期待できます。ただ17年のリート市場は、日経平均株価の上昇に湧いた株式市場とは異なり、鈍い値動きでした。

 なぜでしょうか。背景には、金融庁が毎月分配型投資信託の販売手法を問題視したことがあります。毎月分配型投信の資金はリートにも多く流入していましたが、金融庁の指摘を受けてこうした投信の販売が減り、リートからも投資資金が流出しました。

 また、リートの価格変動の大きさを嫌気した投資家離れが起こっていたこともあるでしょう。リート市場の需給は改善してきたようですが、まだ道半ばのようです。=全12回

(2018年1月8日付け朝日新聞朝刊「Reライフ」面)

深野康彦さんがReライフ講座(朝日カルチャーセンター・新宿教室)「人生100年時代を見据えたマネー戦略」に登壇します。

人生100年時代を見据えたマネー戦略
日時:2018年12月2日(日)14:00~15:30 詳しくはこちら

有限会社ファイナンシャルリサーチ代表
ファイナンシャルプランナー 深野 康彦(フカノ ヤスヒコ)

 1962年生まれ。大学卒業後、クレジット会社を経て独立系FP会社に入社。FP業界歴29年(2017年4月現在)を誇る。金融資産運用設計を研鑽して1996年に独立。現在の有限会社ファイナンシャルリサーチは2006年に設立(起業2社目)。さまざまなメディアやセミナーを通じて、資産運用のほか、住宅ローンや生命保険、あるいは税金や年金などのお金周り全般についての相談業務や啓蒙を幅広く行っている。日本経済新聞夕刊「投信番付」のほか連載多数。BSジャパン「日経モーニングプラス」に毎月1回出演。新聞・マネー雑誌、経済誌などへの執筆・取材協力および金融商品などのデータ提供を行いながら、テレビ、ラジオにも多数出演している。


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