ReライフTOP特集なるほどマネー

50代は要注意 国民年金の加入期間で受取総額に大きな差 

なるほどマネー 投資の新「常識」:11

更新日:2018年01月29日

 「健康で長生きできるのはうれしいですが、老後の資金への不安が募ります。年金を十分に受け取るための注意点を教えて下さい」
 読者からの質問にファイナンシャルプランナー深野 康彦さんが答えました。

 100歳以上の高齢者は日本に何人いると思いますか。正解は、昨年の9月時点で6万7000人です。長生きは喜ばしいことですが、生活資金の備えも必要になります。

 税金や社会保険料の負担は増える一方です。運用で資金を増やすことも考えられますが、失敗すると老後の生活設計がままならない可能性があります。そこで、資産の「山」を築くとともに、安定してかつ長くフロー収入を得る準備を考えましょう。「終身年金」を手厚く確保するのが長生きに備えるカギです。

 たとえば、国民年金です。国民年金を満額受け取るためには40年間加入し、保険料を納める必要がありますが、払っていない期間はありませんか? もう一度調べてみましょう。

 現在の国民年金は学生を含む20歳から60歳までが強制加入ですが、いまの50代の方は、学生は任意加入でした。当時は学生で加入者の方が珍しく、加入せず払わなかったかもしれません。

 そうした期間が2年間の場合、40年間年金保険料を納めた人と比べて、年間で約3万9000円年金額が少なくなります。90歳(25年間)まで年金を受け取るとすれば、受取総額は97万5千円も少なくなるのです。

 そうした保険料は、60歳以降の「任意加入」でその分を埋めることができます。2年分の保険料は1万6490円×24カ月(2年)=39万5760円(2017年度国民年金保険料で試算)納めればよいのです。公的年金は生きている間支払われ、長生きするほど任意加入の効果は高くなるというわけです。

 60歳で定年退職後、再雇用などで引き続き厚生年金に加入すれば、任意加入する必要はありません。ただ、退職や起業などで厚生年金に加入しない人は、任意加入で国民年金を満額受け取れるようにしましょう。

 公的年金以外であれば、民間生命保険会社の個人年金保険が長生きに備える商品です。しかし、個人年金保険の「終身年金」を扱う保険会社は少なく、また扱っていても保険料は高額になりがちです。

 そこで注目したいのが、加入者は50歳以上限定ですが、「トンチン年金」と称される年金保険です。トンチン年金は、保険料の払込期間中で年金の受け取り開始前に亡くなると、払い込み保険料の7割相当の死亡給付金しか支払われないものです。年金の受け取り開始後も生きていれば、一生涯年金が受け取れる個人年金保険です。

 大まかに言えば、死亡給付金に回らない3割部分や運用益などが、生きている人の年金原資にプラスされる仕組みです。トンチン年金は、生きている限り毎年決まった年金が受け取れる、という安心を得るための個人年金保険なのです。=全12回

(2018年1月29日付け朝日新聞朝刊「Reライフ」面)

深野康彦さんがReライフ講座(朝日カルチャーセンター・新宿教室)「人生100年時代を見据えたマネー戦略」に登壇します。

人生100年時代を見据えたマネー戦略
日時:2018年12月2日(日)14:00~15:30 詳しくはこちら

有限会社ファイナンシャルリサーチ代表
ファイナンシャルプランナー 深野 康彦(フカノ ヤスヒコ)

 1962年生まれ。大学卒業後、クレジット会社を経て独立系FP会社に入社。FP業界歴29年(2017年4月現在)を誇る。金融資産運用設計を研鑽して1996年に独立。現在の有限会社ファイナンシャルリサーチは2006年に設立(起業2社目)。さまざまなメディアやセミナーを通じて、資産運用のほか、住宅ローンや生命保険、あるいは税金や年金などのお金周り全般についての相談業務や啓蒙を幅広く行っている。日本経済新聞夕刊「投信番付」のほか連載多数。BSジャパン「日経モーニングプラス」に毎月1回出演。新聞・マネー雑誌、経済誌などへの執筆・取材協力および金融商品などのデータ提供を行いながら、テレビ、ラジオにも多数出演している。


なるほどマネーの連載

Reライフスペシャル

なるほどマネーの関連記事

PAGE TOP