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手元に一定の流動性資金を 運用資金は3つに分けるのが基本 

なるほどマネー 投資の新「常識」:12

更新日:2018年02月12日

 「定期預金などで貯蓄はしていますが、急な出費が必要になることがあります。そうした場合に備えて気をつけることはありますか」
 読者からの質問にファイナンシャルプランナー深野 康彦さんが答えました。

 日本銀行のマイナス金利政策の導入から2年がたちます。預金利息が「スズメの涙程度」の状況は当面変わりそうもありません。メガバンクで100万円を1年間預けるときの定期預金の利息は100円、普通預金は10円(共に税引き前)です。これでは別の運用に回したくなるかもしれません。

 限りある資金を少しでも有利に運用したい気持ちはわかりますが、いざという資金まで手をつけていませんか。ぜひ、この機会に確認してください。

 資産運用で保有する資金は三つに分けるのが基本です。いざという時に備える「流動性資金」、一定期間後のライフイベントに使う「確実性資金」、そして10年以上は使わない「余裕資金」です。流動性資金は普通預金など換金性が高い金融商品に、確実性資金は定期預金や個人向け国債などに、余裕資金は投資型商品で運用します。

 突発的なことが起きれば、定期預金などを解約すればよいでしょう。ただ、そうせずに銀行カードローンなどで借り入れる方もいます。大事なのはその金利を認識しているかです。

 カードローンの金利は様々ですが、一例をあげれば「年利2~14%」と高金利です。普通預金の2000~1万4000倍もの高い利息です。消費者金融などの金利はもう一段高いことを忘れてはなりません。借り入れをすると、支払利息を資産運用で取り返すのがいかに大変か理解できるでしょう。住宅ローンの繰り上げ返済は、利息軽減効果は高いのですが、繰り上げ返済をしすぎて流動性資金が枯渇した話も聞かれます。

 住宅ローン金利は、私たちが借り入れる金利の中ではトップクラスの低金利。資金不足で高金利のカードローンに頼るのは本末転倒なのです。

 どんなに金利が低くても、常に一定額の流動性資金は保有しておくべきです。安易な借り入れは禁物なのです。

 前回の国民年金の任意加入について、補足して説明します。国民年金の未払い期間があり、保険料の納付期間が40年間(480カ月)に満たないと、基礎年金の支給額は満額より少なくなります。60歳から65歳の間に国民年金に任意加入し、納付期間を満たせば満額をもらえるようにできます。

 一方、60歳以降も厚生年金に加入する場合、「厚生年金の経過的加算」が適用されます。厚生年金の報酬比例部分のほかに加算分が支給されます。厚生年金に入れば国民年金が満額支給となる、というわけではなく、厚生年金の経過的加算により、結果として国民年金で満額に満たない部分が補われることになります。=全12回

(2018年2月12日付け朝日新聞朝刊「Reライフ」面)

深野康彦さんがReライフ講座(朝日カルチャーセンター・新宿教室)「人生100年時代を見据えたマネー戦略」に登壇します。

人生100年時代を見据えたマネー戦略
日時:2018年12月2日(日)14:00~15:30 詳しくはこちら

有限会社ファイナンシャルリサーチ代表
ファイナンシャルプランナー 深野 康彦(フカノ ヤスヒコ)

 1962年生まれ。大学卒業後、クレジット会社を経て独立系FP会社に入社。FP業界歴29年(2017年4月現在)を誇る。金融資産運用設計を研鑽して1996年に独立。現在の有限会社ファイナンシャルリサーチは2006年に設立(起業2社目)。さまざまなメディアやセミナーを通じて、資産運用のほか、住宅ローンや生命保険、あるいは税金や年金などのお金周り全般についての相談業務や啓蒙を幅広く行っている。日本経済新聞夕刊「投信番付」のほか連載多数。BSジャパン「日経モーニングプラス」に毎月1回出演。新聞・マネー雑誌、経済誌などへの執筆・取材協力および金融商品などのデータ提供を行いながら、テレビ、ラジオにも多数出演している。


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