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早見優さんも納得!きょうからできる「大腸活」とは 

日本人の大腸が劣化?!Reライフフェスティバルでセミナー開催

更新日:2019年11月13日

 朝日新聞社は9月27日、東京都内で開いた「Reライフフェスティバル2019秋」で、トークショー「早見優さんと学ぶ“大腸活” 日本人の大腸は劣化している?!」を開催した。歌手の早見さんの疑問に、内科医の松井輝明・帝京平成大教授が答える形でイベントは進行。健康のため、食生活の改善などで大腸を整えるメリットなどを説く内容に、来場した600人を超える人々が耳を傾けた。
  折しもこの日は、日本記念日協会が今年制定した「大腸を考える日」の翌日。月の「9」は大腸の形。日の「26」は、腸内に共生する細菌叢(そう)が、顕微鏡下では花畑(フローラ)のように見えることから、その語呂に合わせて決められたという。そんなトピックの紹介の後、トークの口火は切られた。

トークショーでは早見優さん(右)が松井輝明さんに「大腸活」についてたくさんの質問をぶつけた
 

日本人の大腸は「劣化」している?!
 まず松井さんは、大腸を巡る近年の研究成果を紹介。大腸内にすみつく細菌がつくるフローラの状態が、全身の健康に影響することがわかってきたとし、そのカギを握る物質である「短鎖脂肪酸」の重要性を強調した。「それは、ビフィズス菌などの腸内細菌が作り出す酢酸や酪酸、プロビオン酸などの体に有用な物質の総称で、大腸のぜん動運動を促すほか、肥満や生活習慣病など全身の健康に関与していると考えられています」
 偏った食生活を続けていると、腸内では細菌の種類や数が減少し善玉菌も減少。すると、それらがつくる短鎖脂肪酸も減り、様々な病気が起こりやすくなる。そんな状態を松井さんは「大腸劣化」と呼んでいる。近年、日本人の間で大腸がんや炎症性腸疾患が増えている現実は、大腸劣化の広がりを暗示しているという。
 大腸劣化を防ぐには、どうしたら良いのか。松井さんは「善玉菌だけでなく、いろいろな種類の細菌を大腸の中にすまわせることが大事だ」と説く。「人間社会と同じで、大切なのは多様性。大腸の健康は、多種多様な菌種が腸内に存在してこそ成り立つのです」。そして「腸内フローラの多様性を保つには、偏った食事にならないよう色々な物を食べること。私たちの毎日の食事は、腸内細菌たちのエサでもあるのですから」。

乳酸菌とビフィズス菌の違い
 50歳を過ぎて友人との会話も、美容より健康の話題が多くなってきたと語る早見さんは「腸内フローラが、神経や脳にも影響している可能性があるという話には驚きました」という。それを受けて松井さんは「ある種のビフィズス菌が、認知症の予防に役立つ可能性があることも分かってきました」と、最新の知見も紹介した。
 毎朝欠かさずヨーグルトを食べ、特にビフィズス菌入りの製品を選んでいるという早見さんは、乳酸菌とビフィズス菌の違いについて改めて尋ねた。「両者を同じものと考えている人は多いが、実はすむところも、働きも違うのです」と答えた松井さんは「主に大腸にいるのがビフィズス菌で、乳酸菌は小腸に多くすんでいます。乳酸菌は乳酸をつくることで腸内を酸性化し、善玉菌がすみやすい環境を作ってくれます。一方ビフィズス菌は乳酸だけでなく、短鎖脂肪酸も作るので、大腸の健康づくりにはより適しているのです」と続けた。

「大腸活」に大事な食生活
 「不足しがちな食物繊維を上手にとる方法は?」とたずねる早見さんに、松井さんは「食物繊維の摂取源として白米が重要。できれば、白米に大麦を加えたり、イヌリンなどを一緒にとったりすればなお良いでしょう」とアドバイス。イヌリンは水溶性食物繊維で、タマネギやゴボウにも入っている。「イヌリンはビフィズス菌などの善玉菌のエサとなります」
 大腸の環境を整える「大腸活」に適した食生活はどうしたら良いのか。松井さんは「水溶性食物繊維を含む一品と、ビフィズス菌など善玉菌を含むヨーグルトを毎日の献立に加えること」を提案した。「これまで健康法といえば、食べ物を制限する場合が多く、長続きしなかった。でも、大腸を元気にする上で食べてはいけない食べ物は何もありません。ならば好きなものを食べ、それに水溶性食物繊維やヨーグルトも加えれば良いのです。しかし好きなものといっても何時も同じ食べ物ではだめです」。それを聞いて早見さんは「あれもだめ、これもだめと制限されるのではなくて、加えるだけで良いなら続けやすいですね」と、喜んでいた。

便のにおいで「大腸劣化」がわかる?!
 最後に早見さんは「自分の大腸が劣化していないかどうかの判断は、どこを見ればよいのでしょう?」と、聞いた。「便のにおいは健康状態の目安。においがきつい時は悪玉菌である腐敗菌が優勢な証拠です。食生活を改善すればあまりにおわなくなるし、便自体もスルっと出やすくなりますよ」。松井さんの答えを自分の育児経験に重ねた早見さんは「そういえば、娘が赤ちゃんだった時は、おむつの便を見て健康状態を判断していました。大人も同じなんですね」と納得していた。

◇ 

 松井さんは9月に著書「日本人の大腸は『劣化』している! 大腸活のすすめ~腸は自分で変えられる~」(朝日新聞出版)を出版しました。近年、注目を集める腸内フローラについてのさらに詳しい情報や、腸内フローラと全身の健康との相関関係についての最新研究をわかりやすく紹介しています。今日から簡単に始められる「2週間で腸を変える!大腸活十カ条」も必見です。


松井 輝明(まつい・てるあき)帝京平成大学教授・医師
日本大学医学部卒業。医学博士。日本大学板橋病院消化器外来医長、日本大学医学部准教授を経て現在、帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科 健康科学研究科 健康栄養学専攻長 教授。厚生労働省薬事食品衛生審議会専門委員、内閣府食品安全委員会専門委員、日本消化器病学会評議員、日本実験潰瘍学会評議員、日本高齢消化器病学会理事、日本消化吸収学会理事など歴任。消化器一般、機能性食品の臨床応用を専門に研究。

早見 優 (はやみ ゆう)歌手 
日本生まれ。3歳から14歳までをグァム、ハワイで育つ。14歳でスカウトされ82年「急いで!初恋」で歌手デビュー。「夏色のナンシー」や「PASSION」などのヒット曲がある。バイリンガルと国際感覚を生かしTV、舞台などで活躍。NHK WorldDining with the Chef」やNHKラジオ「深夜便ビギナーズ」(毎月第三土曜日)のレギュラー出演中。2018年にはデビュー35周年迎え、ベストアルバム「CELEBRATION」・写真集「サマーガール」を発売。2019年には丸美屋食品ミュージカル「Annie」にハニガン役にて出演。

(写真・山形 赳之)

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