ReライフTOP特集連載・コラム

支払い管理は家計簿アプリで クーポン使い”達人”の本音 

キャッシュレス 私の使い方(2) 元会社員・伊藤雅晴さん

更新日:2019年07月23日

 神奈川県の伊藤雅晴さん(61)は財布を持ち歩かない。外出するときは、スマートフォン(スマホ)とカード入れ、現金は1000円札1枚だけ。できる限りキャッシュレス決済にしているが、現金しか受け付けない場所もあるからだ。

 昨年、会社を早期退職し、先月に妻と北欧4カ国を旅行した。使われている通貨が4カ国ですべて違ったため、現金はユーロを少し用意し、後はすべてクレジットカードで払った。クレジットカードが使えなかったのは、フィンランドの屋台のお土産屋さんだけ。「観光客にとって、キャッシュレスはありがたいものだな」と感じたという。

スマホ決済「定価で買わない」

 「新しいモノがけっこう好き」と話す伊藤さん。クレジットカードや電子マネーのほか、3年前にスマホの「iPhone(アイフォーン)」と交通系電子マネー「Suica」の提携が始まると、早速導入。iPhoneを読み取り端末にかざすだけで、支払いができるようになった。

 昨年からは「スマホ決済」も使い始めた。「LINEPay」と「PayPay」に登録し、キャンペーンのポイント還元率が高い方を選んで使っている。「ポイントがたまるだけでなく、クーポンもたくさん届く。『定価』で買わない場面が増えました」

 ただ、現状のキャッシュレス決済は、ポイントや割引サービスを合わせて使おうとすると支払いが複雑になってしまう場合も。例えば、コンビニのローソンで150円のカフェ・ラテを買うとする。iPhoneに入れてあるローソンのアプリを起動して20円引きクーポンを出し、LINEPayから届いた50円引きクーポンを出し、キャンペーンの20%ポイント還元で払い、ポイントサービスの「Ponta(ポンタ)」も出してポイントをためる――。これらの特典をすべて受けるため、レジで都合4回、スマホのアプリを出し入れすることになる。

 伊藤さんは「キャッシュレスは、おトク感はあってもまだまだ面倒。使えるクーポンや割引が、1回『ピッ』とすれば自動で全部できるようになれば便利なのに」と言う。キャッシュレスの特典をすべて使おうと思っていても、実際の支払いの場面でもたつくと、「いいです」と遠慮してしまうこともあるそうだ。

家計簿アプリ「現金は手入力で面倒」

 クレジットカードや電子マネー、スマホ決済などの支払い手段が増えると、「管理が難しい」と感じる人もいるだろう。伊藤さんは、家計簿アプリの「マネーフォワード」を使って家計を管理しているという。銀行口座やクレジットカード、電子マネー、企業年金、ポイントなど、出入金のデータから家計簿を自動で作り、銀行口座などの残高を一括管理できる。「現金で払うと手入力になって面倒なので、できるだけキャッシュレスで払いたい」と話す。食費や光熱費などのグラフを見て、「今月は食費が多いから、少し抑えようか」と考えることもあるので、「むしろ節約になっているんじゃないかな」。

 ただし、データのセキュリティには気を配っている。個人情報の流出のリスクを下げるために、顔認証をかけるなど、できるだけ対策をしているという。

カードや口座の「断捨離」も

 伊藤さんは昨年、早期退職したのを機に、使っていなかったクレジットカードと銀行口座を「断捨離」した。クレジットカードは使っていなくても悪用されるリスクがあると考え、他の電子マネーやポイントサービスにひもづいていないカードを1枚手放した。「手続きは思ったより簡単でした」と振り返る。子どもの学費を払うときに作って、使わなくなっていた銀行の休眠口座も二つ閉めた。

 7月には、セブン―イレブンのスマホ決済「7pay(セブンペイ)」で大規模な不正アクセスが起きた。伊藤さんは「これだけ新しい決済方法が次々に出てくると問題も起きるだろうと思っていましたが、まさか大手のセブン-イレブンで起こるとは」と驚く。事件を知り、現在使っているスマホ決済サービスのセキュリティー設定を、ネットの記事を参考に見直したという。

 「長い目で見ると、早めに問題が出て各社が対策に乗り出したことは良かった面もある。ただ、セキュリティー設定は各社でやり方やメッセージが違うので、慣れていない人は困ってしまうでしょう。方式を標準化して誰もが使いやすい形にしていく必要があると思います」と話す。

 朝日新聞Reライフプロジェクトでは56月、キャッシュレス決済に関するウェブアンケートを実施、792人から回答がありました。その中から、キャッシュレスを日常的に使っている読者会議メンバー3人に「私の使い方」をインタビューしました。

(取材・文 見市紀世子)

キャッシュレス 私の使い方の連載

関連記事

連載・コラムの関連記事

PAGE TOP