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年代問わず使える決済に レジ回りの仕組みを店舗に提供 

なぜ今キャッシュレス? 企業の取り組み(4)リクルート

更新日:2019年08月06日

 カンタン、シンプル、スマートにーー。キャッシュレス化を進める企業の取り組みを紹介するシリーズ4回目は、リクルートライフスタイル(本社・東京都千代田区)の決済サービス「Airペイ」について。店舗用の決済サービスツールで、クレジットカードや電子マネー、QRもポイントなど26種類もの決済手段に対応できるのが特徴だ。

リクルートライフスタイルのAirペイサービス責任者塩原一慶さんは「決済手数料を透明化して業界最安水準。振込手数料ももらいません。これがAirペイの強み」と話す。

 Airペイは、店舗側に手のひらサイズのカードリーダーを用意し、タブレット端末の「iPad」かスマートフォン(スマホ)の「iPhone」に専用アプリを入れるだけ。同社Airペイサービス責任者の塩原一慶さんは「業種を問わず、会計の時にクレジットカードが使えなかったり、予約管理が大変だったり。お客さんやお店さんが直面する様々な『不』を解消したい」と話す。

 同社がキャッシュレス分野に参入する背景には、飲食店向けの「ホットペッパーグルメ」や旅行の「じゃらん」などで、お店とお客を引き合わせるビジネスをリクルートグループが展開してきたことがある。飲食店や美容室などの業務を効率化するため、2013年に提供しはじめたのが「Airレジ」。iPhoneiPadがあれば導入でき、単なるコスト削減だけでなく、煩雑なレジ業務の負担が減る点が評価されて広がった。

「オールインワン戦略」で26種類に

 塩原さんによると、Airレジが普及するにつれて、会計や決済の場面での「不」が見えてきたという。キャッシュレスに対応していない店では、クレジットカードを使いたい外国人観光客が不便だと感じることになる。お店にとっては、使えるキャッシュレス決済の種類を増やせば増やすほど、読み取り端末の数が増えてレジ周りが煩雑になり、毎日の集計も負担になっていた。

 そこで、「場所を取らずにコンパクト、使える決済手段はどこよりも多い」というサービスを目指し、15年にAirペイをスタート。当初はクレジットカードのVISAとマスターのみだったが、立ち上げ当初から「オールインワン戦略」をとり、16年にJCB17年にSuicaなどの交通系電子マネーにも対応。国内外で利用されているスマホ決済にも広げ、今では26種類が使えるように。カードリーダー端末一つで、レジ周りもすっきり。「始めた時には、こんなにスマホ決済の種類が増えるとは思っていませんでしたけど」と塩原さんは言う。まだ対応していない電子マネーなどもあるので、今後さらに使える決済の種類を増やしていきたいという。

「Airペイ」は、クレジットカードや電子マネー、QRコード、ポイントも使えるお店の決済サービス。iPadまたはiPhoneと、専用カードリーダーが1台あれば、カンタンに使える。

手数料を透明化

 もうひとつ、Airペイがユニークなのは、手数料を明示したことだ。従来、決済手数料は店ごとに相対で決まるのが「業界の常識」で、不透明感がつきまとっていた。しかし同社は、お店の規模や業種を問わず、料率を3.24%または3.74%と一律で設定。さらに今年10月から来年6月まで、政府のキャッシュレス還元策の期間中は実質2.16%になる。塩原さんは「手数料は業界最安水準」と胸を張る。さらに店舗への入金は最大月6回あり、振込手数料は0円だ。

 手数料を安くできた理由は、Airペイ単体ではなく、「Airシリーズ」として様々なサービスを提供している点にある。お客の順番待ちの不満を解決する「Airウェイト」や、お店の予約管理を簡単にする「Airリザーブ」などがあり、他の業務支援ツールと合わせて、「Airシリーズ全体が伸びれば良い」とする。ただし、決済手数料を無料にすることはない。「継続的に、安心して利用いただけるサービスを提供するためにも、手数料をいただく」との考えからだ。 

「商うを、自由に」というビジョン

 Airシリーズが掲げるビジョンは「商うを、自由に」。そのため、誰でも使える「カンタン、シンプル、スマート」なサービスを目指す。開発担当者が飲食店で実際に働き、店の業務を体験して課題を見つけ、それをアプリに反映するなどの取り組みにも積極的だ。性別や年代を問わず、誰でも触っているうちに簡単に使えて、かつ格好いいデザインであることにこだわっている。Airレジを導入した飲食店の高齢店主から「最初は抵抗があったけど、思った以上に簡単で、1日で覚えられた」と言われたこともあるという。

 Airレジのアプリをダウンロードして登録したアカウント数は、193月末時点で40万を超えた。手応えを感じる一方で、課題も見えてきたという。決済というと「高い」「難しい」「契約が複雑」といったイメージがあり、敬遠する経営者もまだ多いからだ。塩原さんはこう言う。「お店の経営には、飲食店ならメニュー開発や調理、お客様との会話といった本質的なバリュータイムがあるはず。レジを起点にお店の負担を減らし、本来の商売と向き合う時間を増やすサービスを提供していきたい」

なぜ今キャッシュレス? 企業の取り組みの連載

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