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介護の現場でも活躍するかわいい〝しっぽクッション〟 

癒やしをもたらすユカイ工学の「Qoobo(クーボ)」

更新日:2019年12月20日

 なでると反応してしっぽを振る。何もしていないときに、気まぐれにしっぽを動かすことも――。ユカイ工学の「Qoobo(クーボ)」は、動物のしっぽの複雑な動きをテクノロジーで再現したクッションです。「ペットと暮らしたいけれど飼うことができない」「日々の生活に癒やしを求めたい」。そんな気持ちに寄り添う癒やしのアイテムです。

なでると反応してしっぽを振る。何もしていないときに、気まぐれにしっぽを動かすことも。

クーボがやって来て、癒やしが生まれた 

 7月24日から8月16日の間、老人保健施設「ハートフル田無」(東京)にちょっと変わったクッションがやって来ました。しっぽが生えたそのクッションの名前は「クーボ」。しっぽの付け根にあるスイッチを押すと、しっぽをゆらゆらと揺らし始めます。

 初めはみんな驚きましたが、仕組みや触り心地に興味を持った人は、さっそくクーボを手に取りました。入居者の眞壁さとさんも、このクッションに興味を持った一人。抱いているだけで、とても癒やされるといいます。

(左)老人保健施設「ハートフル田無」 介護部長 岡本佳美さん、眞壁さとさん

 「いつもそばに置いておきたい。私にとっては大事なパートナーのような存在です」と眞壁さん。なでたときにしっぽが揺れる反応を見て、ペット感覚で楽しんでいるそうです。ホームの仲間同士やスタッフとの会話中、車イスでの移動中も手放せないといいます。

 「話し相手がいないときも、なでるとしっぽを振ってくれる。そのしぐさがかわいいので、うれしくなって愛着がわきます。ちょっとなでたときと、たくさんなでたときで反応に違いがあるから飽きないし、たまに変わった動きをするから驚きもあります。そばにいるだけで、寂しい気持ちもどこかへ行ってしまうんです」と、終始クーボをやさしくなでながら笑顔を見せていました。

みんなが興味を持つと、人間関係にも変化が

 ハートフル田無で介護部長を務める岡本佳美さんに、クーボが来たときの入居者の反応について聞いてみました。

 「これまでも様々なロボットを導入したことがありましたが、中には興味を示さない方もいらっしゃいました。ロボットと触れ合う姿を他人に見られたくないと考える人が、とくに男性に多かったように思います。でもクーボの場合はなでるというシンプルなコミュニケーションだからか、すんなり受け入れられるシーンが多々見られました。スイッチを入れたときの動きに興味を持ち、触ってみる人がたくさんいた印象です」

 その後は個室でなでてかわいがる人や、車イスでの移動中も肌身離さずひざの上に置いている人も現れ、多くの人が長期間愛着を持って接していたといいます。また、クーボを介して「どう動いているの?」「こんな動きもするんだ」といったコミュニケーションが増えたり、それをきっかけにお互いの仲が深まったりすることもありました。最終的には一人ではなく、複数の人でかわいがるという輪も生まれたといいます。これは岡本さんも想定していなかった、意外な効果だったそうです。

 動物のような手触りから生まれる安心感と、いつでも一緒にいたくなる愛らしさ、しっぽの振り方が変わる意外性など、様々な魅力にあふれたクーボ。人と人との新たなコミュニケーションも生み出すセラピーロボットは、介護の現場でたくさんの人を癒やし、人気を博していました。

ハートフル田無の皆さんに聞きました

「ハートフル田無」の前岨徳子さん
毛並みがいいのが印象的です。さわり心地がよくて、とても気に入りました(前岨徳子さん)
「ハートフル田無」の清水喜代子さん
イヌでもないし、ネコでもない不思議な形。生き物が大好きなので、愛着がわきました(清水喜代子さん)

専門家に聞きました

しっぽの動きで心も揺れる 新しいセラピーロボット

一般社団法人ユニバーサルアクセシビリティ評価機構 代表理事・日本福祉大学 教授 尾林和子先生

 クッションにしっぽが付いていて、しかもそれが動く。その意外性が興味を誘い、思わず誰かに話したくなる。コミュニケーションが生まれますし、愛着心にもつながるようにも感じます。
 クーボには顔も鳴き声もありませんが、赤ちゃんや動物の形をしたロボットや、対話型のロボットとは違ったシンプルさ、好奇心をくすぐる動きがあります。今までにないセラピーロボットとしての間口の広さ、新たな可能性を感じました。(談)

(企画制作:朝日新聞社メディアビジネス局)

ユカイ工学のクーボは朝日新聞SHOPでもご購入いただけます。
朝日新聞SHOP 癒やしのしっぽクッション Qoobo(クーボ)

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