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失われた家族の支え 新しいコミュニティーが必要 

ノンフィクション作家・久田恵さん

更新日:2019年02月11日

 戦後、日本はものすごい勢いで核家族を形成してきましたが、いまになって二つのことでつまずいています。一つは介護。核家族化によって家族は介護の機能を失ってしまいました。
 もう一つは子育てのつまずきです。若者の引きこもりや、家族の人間関係が煮詰まってしまう問題です。凶悪事件の半分以上は家族内で起きるとも言われるいまの状況は、だれも想像していなかったと思います。

ノンフィクション作家 久田恵さん(撮影・山形赳之)

 いま高齢者世帯の独居率は約25%。4世帯に1世帯は「おひとり」です。夫婦のみ世帯は約32.5%ですがパートナーと死別後も独居を続ける人が増えています。私もそうですが一人暮らしの気楽さに気づいてしまって、あえて子ども世帯と同居しないというのが実態ではないでしょうか。

 でも、意外にも75歳以上で介護保険の給付を受けた人は23%。77%はほぼ元気に暮らしている。認知症の人は85歳以上でも4人に1人。みんなが寝たきりや認知症になってしまうのではありません。

 介護取材で知り、栃木県那須町の参加型サービス付き高齢者向け住宅に昨年、自ら入居しました。70世帯、平均年齢約73歳の住民は、廃校を再利用した喫茶店など地域に貢献する仕事もしています。若い世代には介護を頼れません。これからは、元気な60~70代が80~90代を支えていく、新しいコミュニティーの形を考える必要があると思います。

 人生100年時代となれば、リタイア後の60~70代は現役で働き、以降の「サードライフ」に備えて人生を変化させながら生きていかなければならないのです。

 朝日新聞Reライフプロジェクトが2019年1月30日に開いた「リアル読者会議」で、2人の専門家と読者代表4人が「人生100年時代の生き方とお金」をテーマに語り合いました。本記事は、その議論や講演の一部を掲載したものです。

久田 恵(ひさだ・めぐみ) ノンフィクション作家。1947年生まれ。上智大学文学部を中退し、さまざまな仕事を経て、女性誌のライターに。1990年「フイリッピーナを愛した男たち」(文藝春秋)で、第21回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。子どもの不登校に関する親子同時ドキュメント「息子の心、親知らず」で平成9年度文藝春秋読者賞受賞。著書に、「シクスティーズの日々」(朝日新聞社)。「100歳時代の新しい介護哲学」(現代書館刊)など。2018年3月、栃木県那須町のサービス付きコミュニティ住宅に移住。

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