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老後を豊かに暮らすには資産切り崩し? 使い方がコツ 

ファイナンシャルプランナー・深野康彦さん

更新日:2019年02月11日

 「老後の資金は、いくら必要ですか?」とよく聞かれますが、「その問いに正解はありません」とお答えすることにしています。老後の過ごし方は千差万別。準備するべき金額も、人によって違いますから。

 お金は、ためるのは大変ですが、使うことは本来楽しいはず。ところが不思議なことに、皆さん老後になると使うのがゆううつになっていくんですね。

ファイナンシャルプランナー 深野康彦さん(撮影・山形赳之)
 しかも、年を重ねるほど出費がかさむものと、漫然と思い込んではいませんか? 実際には、健康に暮らしている限りにおいては、お金は逆に使わなくなっていくのです。60代で各地を旅していても、70代半ばになると行動範囲が狭まるんです。それは、国の家計調査にも表れていて、65~69歳をピークに、消費支出の額は減っていきます。

 果報は寝て待てとばかりに、銀行に預金さえすればお金を増やせた時代がありました。でもそれは、今や過去の幻影です。

 定額貯金(3年以上)の金利は、1989年には3.64%でしたが、今や0.01%。100万円を10年預けても、かつては手取り額で34万7500円も殖えたのが、今では800円しか殖えないのですから。

 老後を豊かに暮らすことは、蓄えてきた金融資産を取り崩し、どう使うかを考えること。お金を使うことに、後ろめたさを感じることはないのです。

 定年後には世界遺産を訪ねたいなどと旅を夢見ても、加齢で体力などが衰えれば、実行できる人は減ります。だから老後にやりたいことがあるなら、臆せず早めに取り組むことです。それができなくなる前に。

 朝日新聞Reライフプロジェクトが2019年1月30日に開いた「リアル読者会議」で、2人の専門家と読者代表4人が「人生100年時代の生き方とお金」をテーマに語り合いました。本記事は、その議論や講演の一部を掲載したものです。

深野 康彦(ふかの・やすひこ)1962年生まれ。大学卒業後、クレジット会社を経て独立系ファイナンシャルプランナー(FP)会社に入社。金融資産運用設計を研究して1996年に独立。2006年、有限会社ファイナンシャルリサーチを設立する。さまざまなメディアやセミナーを通じて、資産運用のほか、住宅ローンや生命保険、税金や年金などお金周り全般についての相談業務や啓蒙(けいもう)を幅広く行っている。テレビ、ラジオにも多数出演。著書に「55歳からはじめる長い人生後半のお金の習慣」(明日香出版)。朝日新聞朝刊Reライフ面連載やReライフ講座の講師も担当、特集「人生100歳時代のマネー術」で読むことができる。

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