ReライフTOP特集人生100年時代の"筋活"

50代からの筋トレ、ウォーキングに効果はない!? 

久野譜也・筑波大学大学院教授インタビュー(中)

更新日:2018年06月27日

 長寿時代になり、筋力維持の重要性が指摘されるようになるなか、具体的には、どんなトレーニングをすればいいのか? 多くの人が取り組むウォーキングは筋力トレーニングとして効果があるのか? 筑波大学大学院の久野譜也教授にうかがいました。3回にわたりお届けするインタビューの2回目は、「筋トレ」「有酸素運動」「食事」などへの誤解をときます。

——筋力アップにはどのような運動が効果的ですか。

 筋肉は瞬発性のある動作で使われる速筋と日常動作で使われる遅筋に分けられるのですが、加齢により速筋の方がより衰えることが分かっています。ですので、筋力アップのためには速筋をうまく鍛えてあげる必要があります。

 筋トレが最も効果的かつ安全です。「そんなことをしなくても、自分はウォーキングやランニングなど適度な有酸素運動をしているから大丈夫」と思う人は多いかもしれません。しかし有酸素運動は日々の暮らしには必要ですが、遅筋を使う動作のため筋力アップにはほとんど効果が期待できません。


——筋トレと有酸素運動は体への効果が違うということですね。体づくりに必要なのはどんなことですか。

 「筋トレ」「食事」「有酸素運動」の3本柱です。筋トレの効果をきちんと出すにはバランスのいい食事、特にたんぱく質をしっかり取ることが重要です。高齢者の栄養摂取状況を調べると、肉などの動物系たんぱく質が不足している人が少なくありません。筋肉はたんぱく質でできているため、日頃から筋肉をつくる食材をきちんと取ってください。

 このほか食事では減塩を心がけることも大切です。私は「健康長寿を可能とするために、まず『60代の壁』を乗り越えましょう」と説明しています。それは、呼ばれるのですが、40代や50代でメタボ・肥満を放置した人は60代以降に脳卒中や心筋梗塞を起こし、介護の状態になる割合が増加するためです。

 動脈硬化対策も意識していただきたいですね。動脈硬化の予防には、塩分を控えた食事、血管を今よりやわらかく保つことができる有酸素運動が有効です。実は、筋力維持に必要な筋トレは、わずかながら血管を硬くすることがわかっています。三つの要素を暮らしの中に上手に取り入れてください。

(聞き手・山田亜紀子、構成・田中美穂

久野 譜也(くの・しんや)

1962年生まれ。筑波大学大学院人間総合科学研究科教授(スポーツ医学)。中高年の筋力運動、サルコペニア肥満、健康政策などを研究。同大学大学院博士課程医学研究科修了。東京大学教養学部保健体育科助手、ペンシルヴァニア大学医学部客員研究員などを経て、2011年より現職。大学発ベンチャー「()つくばウエルネスリサーチ」を起業。著書に『100歳まで動ける体になる「筋リハ」』(幻冬舎)、『寝たきり老人になりたくないなら大腰筋を鍛えなさい』(飛鳥新社)など。

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