ReライフTOP特集人生100年時代の"筋活"

会食が毎日でもやせる 10キロ減らした専門家の秘訣 

久野譜也・筑波大学大学院教授インタビュー(下)

更新日:2018年06月27日

 人生100年時代に生きがいをもって寿命をまっとうするためにも、“筋活”は「続ける」ことが大事。でも、効果が出ないとあきらめてしまったり、無理なトレーニングに挑戦して挫折したりしていませんか? トレーニングを続け、結果を出すためのコツを、筑波大学大学院の久野譜也教授にうかがいました。3回にわたりお届けするインタビューの最終回です。

——継続できずに悩んでいる人もいます。自己管理のコツはありますか。

 毎日でなくてもいいので、自分の状態を把握するため体組成計を活用しましょう。数値に一喜一憂する必要はありません。1、2カ月測っていると傾向がわかってくるはずなので、推移をみてください。私たちの研究では、食や運動の習慣を見直し始めて23週間で何らかの効果を感じられた人は、継続をしやすくなるというデータがあります。

 筋肉よりも呼吸器や神経系の改善は比較的早いので、見た目や数字以外の変化、たとえば「家から最寄り駅まで歩いても息が切れなくなった」「つまずかなくなった」というようなことに注目するのもいいでしょう。

 体づくりには様々なアプローチがありますが、1カ月ぐらい続けても効果がないものは、強度が十分でないか、内容がフィットしていないことが考えられます。ペース、強度、内容そのものを変えてもいいかもしれません。違うものを取り入れる場合、効果を感じなかったり続けられなかったりした要因を三つぐらい挙げてみましょう。私自身の経験からも言えることですが、振り返ってみて、それらの要因をどうカバーすればいいかを考えることも大きなヒントになるでしょう。

——ご自身では、どのようなことを取り入れていますか。

 先に紹介した3本柱で、食事、筋トレ、ランニングです。自分の暮らしに合うように多少アレンジしています。ちょうどいいバランスを見つけるまでには少し時間がかかりましたね。

 食事は会食が多いので、野菜から食べるようにして糖質の吸収を抑えるような工夫をしています。サプリメントで栄養を補うこともありますね。筋トレは平日のみで週5回です。朝に3種目、午後3時に2種目で、研究室のスタッフと数分でパパッと済ませます。

 ランニングは一緒に走る仲間ができたことをきっかけに2年半続けていて、週5回ほど。距離は平日5km、週末10kmという感じです。なかなかストイックな暮らしのようですが、私は甘いものやお酒が好きで、どちらも楽しみたいというのが前提にあります。驚かれるのですが、今より10kg以上太っていた時代もありました。何よりも優先して楽しみたいこと、それを我慢しないために楽しみながら続けられることを見つけると、生活に張りを持たせることができます。

——体づくりに取り組む人にメッセージをお願いします。

 体づくり、特に筋力アップに取り組む人に知っていただきたいのが、筋力は90代からでも高められるということです。適切な筋トレであれば要支援や要介護の認定を受けて車椅子や杖を使っていても改善します。いつから始めてもいいので、自分に合う方法を積極的に探してみましょう。楽しく続けるには、仲間をつくることも大きなモチベーションになります。ぜひ声を掛け合いながら取り組んでください。

 また、近年は健康管理を啓発する「健幸アドバイザー」が全国的に増えています。情報を得やすくなってきているので、自分なりの一歩を踏み出してもらえたらうれしいですね。

(聞き手・山田亜紀子、構成・田中美穂

久野 譜也(くの・しんや)
1962年生まれ。筑波大学大学院人間総合科学研究科教授(スポーツ医学)。中高年の筋力運動、サルコペニア肥満、健康政策などを研究。同大学大学院博士課程医学研究科修了。東京大学教養学部保健体育科助手、ペンシルヴァニア大学医学部客員研究員などを経て、2011年より現職。大学発ベンチャー「()つくばウエルネスリサーチ」を起業。著書に『100歳まで動ける体になる「筋リハ」』(幻冬舎)、『寝たきり老人になりたくないなら大腰筋を鍛えなさい』(飛鳥新社)など。

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