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100歳まで自分の足で歩ける? 読者の歩き方を診断 

健康運動指導士・黒田恵美子さんによる診断と講座

更新日:2018年06月27日

 寿命が延びた分、体の機能も長持ちさせなければならなくなっている。健康維持の基本は自分の足で歩くこと。100歳になっても自分の足で歩くために今から知っておいた方がいいことを、読者モニター4人が健康運動指導士の黒田恵美子さんに指導していただいた。

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 参加した4人の歩き方はそれぞれ違う特徴を持っていたが、共通していたのは腕が振れていないこと。前にも後ろにもまっすぐ45度まで振ってみると、意外と後ろに振れていないことに気づく。

 腕がまっすぐ振れているかどうか確かめてみるには、タオルを細長く折って、さらに二つ折りにしたものを手に持って振ってみるとよくわかる。波を打つようならまっすぐ振れていない証拠。どう振れば腕の延長のように振れるか、ぜひ試してみよう。

 上半身は胸を張りすぎても、猫背でも、どちらもダメ。骨盤の位置を正しくして、体の前後のゆがみをとると、腕を振ることで、自然によい歩き方に導かれると黒田さん。つま先とひざがまっすぐ前を向いていることも大切。内股でもガニ股でも骨を傷め、杖や車椅子のお世話になる原因になる。

 年齢にもよるが、50〜60代で特に健康に問題がなければ1日8000〜1万歩。そのうち約20分、ややきついと感じる速歩が入ればなお可。たくさん歩きすぎるとかえって体によくない。インナーマッスルを使って関節や神経を痛めない歩き方がお薦めだそうだ。

正しい歩き方のコツ
  • ◆ 外出前にストレッチ。「ひじを曲げて肩の高さに上げて、後ろにギューッと引いてパッと脱力」を2回繰り返すと腕が振りやすくなる。
  •  まっすぐ立って頭だけを下に向けた時、胸とおなかと足の甲が3点見えるのがほぼ良い姿勢。頭を前に戻し、この姿勢をキープして歩き始める。
  •  腕を楽に伸ばして、前にも後ろにも45度の角度まで振る。
  •  前に出した足の裏に上半身の体重をのせるようにイメージする。
  •  骨盤の中央にある仙骨を前に押すようにイメージすると、自然と体が前に出る。

藤平明尚さんへの 黒田さんの診断とアドバイス>

 大股で歩けないのが悩みという藤平さん。指導を受ける前の歩幅は20センチほど。頭と肩が下がりがちで、自信なさそうなちょこちょこ歩きをしていた。
 日頃は特にウォーキングをしているわけではないが、血糖値が高めのため、平日は30分、週末は1時間程度は歩くようにしているという。
 藤平さんの歩く姿を見た黒田さんは、「上半身が動かず、足だけで歩こうとしています」と指摘。「背中を丸めた姿勢で4本足で歩いているかのような感じで歩き、歩きながらだんだん体を起こして行くと自然に足が前に出てナチュラルに歩けるようになるので、腕を前脚だと思って大きくかくように前から後ろに振ってみて」とアドバイス。さらに、腕を体に対して平行に振るように、とも指導を受けた。


 上岡一美さんへの 黒田さんの診断とアドバイス>

 街歩きや建物ツアーなどによく参加して歩いているという上岡さんの歩き方を見た黒田さん。「歩幅は広いけど、ひざが曲がって腰が遅れてついて行っています。着地した時に前の足も、後ろの足もひざが伸びるくらいまで歩幅を狭くして、重心が乗るようにしましょう」とアドバイス。
 胸を張りすぎる傾向がある上岡さんは反り腰で、腰痛の原因を自ら作っていた。背中の力を抜いて立つよう促され、先生に仙骨を押してもらうと、ぐんぐん体が前に出るように。1日に必要な歩数は上岡さんの年代なら8000歩程度。歩きすぎは体の負担になるので、2万歩も歩いてしまった時は帰宅後すぐに足裏マッサージをしたり、ひざを緩めてゆらゆらと軽く屈伸をしてクールダウンを忘れずに。


 白倉美智子さんへの 黒田さんの診断とアドバイス>

 いい姿勢にとても意識が高い白倉さん。ところが気にしすぎてしまったせいか、黒田さんの意見は「歩くのが早くて、上半身が後ろの足に乗ってしまい、遅れてついてくる」というもの。
 急ぎ足なのに上半身が上に向きすぎている白倉さんの歩き方を変える方法は、「歩幅を広げてゆったり歩くことです」と黒田さん。一歩一歩、前に出した足の裏に体重を素早くのせて歩くようにイメージすると、ゆったりなのに早く歩くことができる。さらにこの歩き方は腸腰筋を使うため、腹筋を鍛えることができるとも。指導の最後になってもなかなか腕の緊張が解けなかった白倉さん。歩き方は少しゆっくりになったけれど、もう少しリラックスして歩けるといいのかもしれない。


 吉原央能さんへの 黒田さんの診断とアドバイス>

 学生の時は陸上競技で幅跳びの選手だったという吉原さん。「60歳を超えると女性は美しいのに、男性はどうして枯れて見えるのかが疑問だ」と話す吉原さんの歩きを見て、黒田さんは「歩幅は広いけれど、前でひじが曲がっています」とひと言。ひじを曲げているので腰が反り、ひざも曲がってしまっている。
 「腕を伸ばして振ると、腹筋が使いやすくなってひざが伸び、歩幅が広がって、歩くだけで体幹が鍛えられますよ。腕の振りと同時に、足の裏に胴体を一瞬でのせるようにイメージすると体が伸び、後ろの足が地面を押しやすくなります」とアドバイス。上半身が前のめりなタイプの吉原さんも、足に体重が乗っていないことが正しく歩けていない原因だった。


<体験終了後の読者コメント>

藤平明尚さん(55)
 腕が振れていないとは、自分ではまったく実感がありませんでした。先生の指導で自分の歩き方とクセがよくわかりました。これからは腕を後ろに振ることを意識して、先生のご指導の一つ、「すっ、すっ」と言いながら、姿勢に気をつけて歩くことを実現してみたいと思います。
上岡一美さん(61)
 腰痛の原因が胸を張って立っていたことだと初めて知りました。ウォーキングは歩幅を広くする方がいいのだと思っていましたが、逆のご指導をいただきました。今後は胸の力を抜いて立ち、腰が遅れないように手の振りを意識して、歩幅を広げすぎずに歩きます。
白倉美智子さん(63)
 歩く時に足が上半身より前に出てしまうので、上半身を前に傾けて、お尻が後からついてくるくらいの気持ちで歩くこと。前傾姿勢はいけないと思っていたので、大発見でした。腕の振り方も後ろにポイントがあるとは。自分にあった姿勢が理解できたので、これから実行できそうです。
吉原央能さん(60)
 おなかを引っ込めるようにしていましたが、意識するポイントは腕を後ろに大きく振ること。ひざを伸ばして、腰を前へ押し出すようにして歩くことでした。上半身が腰より前に出やすい前傾姿勢になりがちなので、これからは斜め上に引っ張られる意識を持って、体を伸ばして歩きます。

黒田 恵美子(くろだ・えみこ)

健康運動指導士。一般社団法人ケア・ウォーキング普及会代表理事。普及会主催のケア・ウォーキングセミナーや講演で活躍中。著書も多数あり、近著に『一生歩ける体になる 黒田式ケア・ウォーキング』(合同出版)がある。モットーは棺おけに自分でまたいで入れるくらい、最期の時まで歩くこと。ホームページには簡単ストレッチの紹介もある。
https://www.care-walking.org

(取材・文 園田郁子)

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