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アンコール遺跡、微生物で守れ 水質悪化にバイオトイレ

2007年02月26日

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バイオトイレに切り替える候補のトイレの一つ。老朽化のため観光客は使っていない=カンボジアのアンコール遺跡群で(GW三島提供)

 トイレ不足に悩むカンボジアの世界遺産・アンコール遺跡群に、静岡県三島市の環境NPO法人のグラウンドワーク(GW)三島が汚水を出さないバイオトイレを贈ることになった。遺跡を管理する同国政府機関と合意し、5月の設置を目指す。遺跡群周辺では、観光客の急増でトイレが不足、地下水汚染などを引き起こしている。GW三島は「環境改善につなげたい」と話している。

 アンコール地域遺跡保護管理機構(アプサラ機構)の説明では、遺跡群内のトイレは11カ所。水洗に使う水は井戸から発電機でくみあげているが、し尿はくみ取り式。業者がバキュームカーで郊外の処理場へ運搬しているが、運び切れていないという。今後トイレを7カ所増設予定だが、年間の観光客は約120万人で、毎年20〜25%ずつ増えているという。周辺はホテルの建設ラッシュが続き、生活排水の増加で近くの川やトンレサップ湖の水質悪化が進んでいる。

 バイオトイレは「東陽綱業」(大阪府吹田市)が開発した1基(2人用)で、500万円。1日の処理能力は約400人分。杉チップに含まれるバクテリアの働きでし尿を水と窒素ガスに分解し、出た水を洗浄用に再利用する自己完結型で、においもない。

 GW三島は環境省の委託で、富士宮市の白糸の滝にこのバイオトイレを設置し、し尿処理能力などを調べている。昨年10月、シンポジウムのために来日した同機構のクンニェイ第2遺跡局長がこれを知り、視察。効果に注目し、具体化した。

 GW三島の渡辺豊博事務局長は「多くの人にカンボジアの現状を知ってもらうためにも、国内からボランティアを募って設置したい」と話している。



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