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コロナ危機で変わる社会

コロナ危機で在宅勤務 社員の意識が変化

コロナ危機で在宅勤務 社員の意識が変化
閑散としたサイボウズ本社のオフィス(6月11日撮影)(提供写真)
「がんばるな、ニッポン。」多様な働き方を
サイボウズ

新型コロナウイルスの感染拡大で、2月下旬から、ほとんどの社員が在宅勤務になった。東京・日本橋の本社で出社しているのは、コロナ危機前は総勢約530人のうち360~370人だったが、6月には20~30人にまで減った。

最初は「在宅がつらい」「座りっぱなしで腰が痛い」「一人の作業でさびしい」という声も。だが、6月になると「コロナ危機が明けても出社したらいいのか悩む」「オンラインでのコミュニケーションはフラットでいい」という意見が出るようになった。

アンケートで「あなたはこの先、どこで働きたいですか」と尋ねると、「在宅と出社半々」またはそれ以上の在宅勤務を希望する社員が73%に。「実際に在宅で勤務し、社員の意識が変わってきた」と人事労務部部長の恩田志保さんは言う。

恩田志保さん(提供写真)
在宅勤務をするサイボウズの社員(提供写真)

ソフトウェア開発などを手がけるIT企業のサイボウズは、青野慶久社長のもとで、2006年から働き方改革を進めてきた先進企業だ。離職率が28%まで上がり、社員との向き合い方を考えるようになったのがきっかけだった。

当時は女性が就職しづらく、出産でやめる女性社員もいた。そこで、育児・介護休暇とともに、ハードワーク以外でも働ける環境をつくろうと選択型の働き方を採り入れた。

まず、育児などライフステージに合わせて働く時間を選べるようにした。「家で働きたい」という要望があり、働く場所も選べるようにして、時間と場所を9分類から選ぶ制度ができあがった。

15年に日本橋に本社が移り、テレビ会議システムなど在宅や社外で働ける環境も整う。18年、社員が上司と相談しながら実情に合わせてどこでいつ働くかを決める「働き方宣言制度」を始めた。たとえば、「月曜から水曜は9時~18時まで出社、木曜は休み、金曜は在宅勤務」や「広島カープ観戦の日は8時~17時」など。

社員が幸福に働けると同時に、チームは社員の希望を知ることで役割を分担して生産性を上げる。恩田さんは「SDGsの考え方とも合致するが、多様な価値観を持つ社員が集まったチームは強いチームになる、と考えている」と言う。

コロナ危機では「がんばるな、ニッポン。~無理して出社させない選択肢を~」という新聞広告を出した。青野社長自ら、出社しない「バーチャル社長」も宣言した。出社していたころは会議室にいる人をつい優先し、オンライン参加の社員の都合をあまり考えなかったが、これからはオンライン中心に考えるという。

恩田さんは「コロナ危機を経てより多様な働き方が可能になった。今後、さらに多様化する働き方を受け入れられる制度をどうつくるか議論したい」と話す。

(大海英史)

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