SDGs ACTION!
コロナ危機で変わる社会

プラスチックを再生可能・再生利用の素材に

プラスチックを再生可能・再生利用の素材に
紙や木などを使ったストローやカップ、スプーンなど(IKEA提供)
カフェのストローも、売れ筋の雑貨や家具も
IKEA(イケア)

人気のミートボールなどのテイクアウト(持ち帰り)は、プラスチックの容器ではなく、木製の容器で売り出した。

スウェーデン発の家具・雑貨量販店イケアは新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4月25日、土日祝日に日本国内9店のレストランでテイクアウトを始めた。人気メニューを家で楽しめるのに加え、イケアらしいのが容器だ。

2030年までに段階的に、すべての製品に使うプラスチックを再生可能な素材かリサイクル(再生利用)素材にする――。世界で店舗を展開するイケアは18年、地球温暖化を食い止め、プラスチックごみによる海洋汚染を防ぐための目標を打ち出した。

食品の保存や雑貨の整理などに使うフリーザーバッグ「ISTAD/イースタード」は85%をサトウキビ由来で再生可能な素材に。世界で年間10億枚以上の売れ筋商品だ。キッチン収納棚の扉や引き出し「KUNGSBACKA/クングスバッカ」は使用済み家具などの木材を再生利用し、表面は日本で回収されたペットボトルを再生利用したシートで覆っている。鉢植えの植物の水やりに使うスプレーボトル「TOMAT/トマート」は、商品搬送用のコンテナを包装するプラスチックの再生利用素材を使う。

レストランやカフェで使うストローやスプーン、カップなども今年1月までに紙や木、サトウキビ由来の素材に変えた。日本で自社が持つ9店では屋上に太陽光パネルを設置し、使用電力の100%相当を再生可能エネルギーで賄う。

イケア・ジャパンで環境対策や社会貢献の責任者を務めるマティアス・フレドリクソンさんは「イケアは100%の目標が好きなので、中途半端な目標にはしない。すべてを再生可能・再生利用にしなければいけない」と笑う。

木製の容器を使ったテイクアウトのメニュー(IKEA提供)
サトウキビ由来の素材を使ったフリーザーバッグ「ISTAD/イースタード」(IKEA提供)
マティアス・フレドリクソンさん(IKEA提供)

イケアは「より快適な毎日を、より多くの方々に」という理念のもとで「デモクラティックデザイン」という五つの要素を兼ね備えたものが、商品として店頭に並ぶ。形、機能性、品質、低価格、サステナビリティー(持続可能性)だ。

フレドリクソンさんは「資源には限りがあり、気候変動のリスクを抑えて循環型の社会に変えなければ、私たちのビジネスが成り立たなくなる」と説明する。たとえば、家具の素材である木材は森林を守らなければ供給されなくなる。じゅうたんなどの素材の綿は温暖化で栽培が難しくなる。

「いま動かないと、将来、商品を安く安心して提供できなくなる」

新たなサステナビリティー商品も加わる予定だ。スペインの漁師と協力し、網に入った海洋ごみを再生利用した布を使うクッション「MUSSELBLOMMA/ムッセルブロマ」。店頭では説明文を付け、再生利用を客に伝えたいという。

(大海英史)

この記事をシェア