SDGs ACTION!
コロナ危機で変わる社会

アイデアとフットワーク強みに

アイデアとフットワーク強みに
鳥取型オフィスシステム(鳥取県提供)
コロナ経験SDGsに生かす
鳥取県

今春、鳥取県を一気に「有名」にしたのが、段ボールなどを活用した「仕切り」だ。庁内にある資源を再利用した飛沫(ひまつ)対策で、職員同士の顔が見えるように穴を開けてビニールを貼る工夫も。名付けて「鳥取型オフィスシステム」。平井伸治知事は、テレビ取材に「うちにはカニはいるが金はないもので……」。小県ならではのアイデアとフットワークで、深刻な事態に臨んだ。

立ち上がりは早かった。1月末には感染症対策本部を設置。岩手、島根と並んで感染者ゼロで持ちこたえたが、4月10日には第1号が出た。「疑わしきは検査」が大方針となり、翌日には、ドライブスルー方式の検査を開始。そして、PCR検査体制も同月21日から、それまでの1日136検体から196検体に大幅拡充となった。

マスク対策では、「マスク購入券」を県内全戸に配布した。各世帯が最大40枚を購入できるよう、県が事業者を確保し、スーパーマーケットで販売してもらった。同時に「マスクバンク」もスタートし、県民らの寄付や備蓄のマスクを、基礎疾患がある人たちに提供した。寄付は6月末で2万7000枚余になった。5月末、緊急事態宣言が解除され、「新しい生活様式」が提唱された。「県民にわかりやすく、定着できるように」と考え出したのが鳥取型「新型コロナ克服3カ条」だ。

新型コロナ克服3カ条(2020年5月20日)(鳥取県提供)

「人と人 間(あいだ)が愛だ」といったダジャレも利かせた。

県内の感染者はしばらく3人で収まっていたが、7月以降は感染が拡大し始めた。第2波に備え、医療機関へのPCR検査機器整備を進めているほか、抗原検査や民間の検査機関も活用し、1日の検査可能数の大幅アップを目指している。

一方で、県にはSDGs推進という大きな柱がある。もともと今年度がSDGs元年だった。4月3日にSDGs推進本部会議を開催し、「とっとりSDGs宣言」を発表したが、その会議もオンラインにならざるを得なかった。

宣言の力点は、豊かな自然や「人と人の絆(きずな)」など「都会にはない鳥取ならではの強みをさらに伸ばす」ことにある。人口は55万2000人余(5月1日現在)と全国最下位だが、その分、人のつながりや自然を大切にしながら、SDGsの達成をめざすという。

コロナの経験をどうSDGsにつなげるか。県「新時代・SDGs推進課」の中村吉孝課長は「大変な事態ですが、テレワークなどで働き方も変わり、移住もしやすくなる。地方は感染リスクも低い、生活環境もいい。持続可能な社会を作るうえでチャンスだと思います」と話している。

(金本裕司)

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