
2015年、SDGsが動き出した 「基礎から学ぶ SDGs教室」【1】

国際連合創設70周年を迎えた2015年、193の加盟国が地球の未来を創る一つの文書を全会一致で採択しました。それが「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」(注1)です。そして2030アジェンダは、17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs)」を掲げました。
15年9月25日から27日まで、アメリカのニューヨークにある国際連合本部において、「国連持続可能な開発サミット」が開催されました。150を超える国連加盟国首脳の参加のもとで採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」は、地球に住む私たちが、持続不可能な今の世界を、持続可能な世界にするために、16年から30年までに取り組む検討課題であり、行動計画です。文書の前文には、このことがとてもシンプルな一文で表現されています。
「このアジェンダは、人間、地球及び繁栄のための行動計画である」
そして、続くもう一文「これはまた、より大きな自由における普遍的な平和の強化を追求するものでもある」を加えることで、さらにその決意をあらわしているといえます。この他にも前文の随所にアジェンダに示された目標への思いの強さをみることができます。(注2)
なぜ15年に「持続可能な開発サミット」が開かれ、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が発せられたのでしょうか?
次回は、その誕生につながる流れをふり返ってみることにします。
(注1)
「アジェンダ(agenda)」は、「予定表」を意味する英語。日本語でこの言葉が用いられる場合は、国際的に取り組むべき「検討課題」や、政府や官公庁などで公式に実施すべき「行動計画」などをさす。
(注2)
たとえば、「絶対的貧困や飢餓を終わらせる」「あらゆる形態の女性・女児への差別を終わらせる」「あらゆる形態の子どもに対する暴力を終わらせる」という「ゼロ目標(ゼロを目指す目標)」を掲げていることがあげられる。また、「No one will be left behind(誰一人取り残さない)」は、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が掲げる代表的なかけ声の一つとなっています。
(日能研 教務部)

1953年の創立以来、中学受験を専門とする塾。86年から続く電車内広告「シカクいアタマをマルくする。」で知られる。子どもたちが、「自ら学び続ける私」を自分で育てることを応援する。2020年から未来型思考ができる新テキストを導入。全国に154校を展開(2022年3月現在)。
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