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SDGsに取り組むコツ「誰がどうなる」に注目しよう【新連載】「データで見るSDGs」プロローグ

SDGsに取り組むコツ「誰がどうなる」に注目しよう【新連載】「データで見るSDGs」プロローグ
日本総合研究所シニアマネジャー/村上 芽

村上 芽(むらかみ・めぐむ)
株式会社日本総合研究所 創発戦略センター シニアマネジャー。金融機関勤務を経て2003年、日本総研に入社。専門・研究分野はSDGs、企業のESG評価、環境と金融など。サステイナビリティー人材の育成や子どもの参加に力を入れている。『少子化する世界』、『SDGs入門』(共著)、『図解SDGs入門』など著書多数。
ロジックモデルとバックキャスティングという二つの思考

採択から5年が過ぎたSDGsは、2030年の達成にむけて、まさに実行段階に入りました。筆者は、様々な企業や自治体、団体の方と、SDGsにどのように取り組むべきかという意見を出し合う機会に恵まれています。そうした場でも、「SDGsの知識から意識へ」や「知識に終わらせず行動へ」「具体的な貢献プロジェクトを生み出したい」といった言葉がよく出てきます。

そうした場では、これまでの活動をSDGsにつなげたり、逆にSDGsの目標やターゲットなどからさかのぼってこれからの取り組みを決めたりする思考の整理方法をご紹介し、一緒に施策を練る機会も少なくありません。前者を「ロジックモデル」、後者を「バックキャスティング」の図と呼ぶことが多いです。(図参照)

「ロジックモデル」では、今ある活動(活動のインプットから直接的な成果であるアウトプットまで)を入り口に置き、それがステークホルダー(活動に対する利害関係者)の変化(アウトカム)を生み、最終的にSDGs達成に貢献する(インパクト)、となるようにストーリーをつなげます。

このとき、インパクトにあたるSDGsは図の右端にありますが、逆にこれを左端に持ってきて、そのインパクトを導くためには何を行うべきかを考えるのが「バックキャスティング」です。ここでも、SDGsと、次のアクションの間に、SDGsに含まれる要素を分解して考えるプロセス(中長期的なブレークダウン)が発生します。

「~化」で済ませない! 「主語」を意識し、輪郭を明確にする

こうした図を用いてSDGsに取り組む方々に、いつもコツとしてお伝えするのが、図の真ん中の部分を考えるときに「誰がどうなる」「誰がどうする」というステークホルダーの「主語」を意識しましょう、ということです。なんとなく便利な日本語の「~化」や体言止めですませてしまいがちですが、ここが重要です。

これまでの活動から考えるにしても、SDGsの目標からさかのぼるにしても、「誰の何」の話なのかを掘り下げていくことは、自分の考えの輪郭をはっきりさせたり、複数の人で議論しているのであれば互いの立場や関心の微妙な違いを気づかせてくれたりする効果があります。

たとえば「少子化」を考えてみましょう。これを言い換える場合、「18歳未満の人口の絶対数が少ない」ことなのか、「女性がなかなか子どもを産まない」「女性がなかなか子どもを産めない」ことなのか、人によって少しずつ言っていることが違います。

こうなってくると、自然と、「具体的な数字は?」に関心が向きます。「東京では、女性はあまり子どもを産まないが、若い女性と子どもの数が増えている→ではどの程度?」といった具合です。「誰の何」とそのデータをしっかり把握することで、とるべき次のアクションが見えてきます。

このシリーズでは、SDGs達成への貢献を考えるとき、日本に限らず、世界的な様々な統計やその分析結果を調べる方も多いと思います。そこで、「誰がどうなる」の部分を埋めていくのに役立ちそうな情報を紹介していきます。

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