キャンパスから、地球温暖化に取り組む 9大学が「自然エネルギー大学リーグ」設立

脱炭素社会の実現に向け、首都圏などの9大学が「自然エネルギー大学リーグ」を設立した。大学キャンパスで消費する電力を、自然エネルギーですべて賄うことを目標に掲げ、将来、温暖化問題に取り組めるような人材の育成も目指す。今後、他の大学にも参加を呼びかけるほか、定期的にセミナーなどを開き、技術や情報の提供にも取り組む。(編集部・金本裕司)
6月7日に東京都内で設立総会を開いた。当初、リーグ設立の準備会を構成した千葉商科大学(代表)、国際基督教大学、和洋女子大学、聖心女子大学、東京外国語大学の5大学に、長野県立大学、上智大学、広島大学、東京医科歯科大学が加わり、計9大学になった。
リーグの設立趣意書では、①2030年から40年までの間で自ら年限を定め、大学(あるいはキャンパス)の使用電力を、自ら生産するか調達した自然エネルギーで賄うことを決定し、公表する②具体的な計画を策定し実行する、の2点を目標に掲げた。
総会では、こうした目標や会の規約などを確認。その後、各学長らがそれぞれの取り組みの現状や将来の目標などを説明した。
千葉商科大学は、千葉県内に大規模な太陽光発電設備を設置するなどしてキャンパスで使う電力のすべてをすでに自然エネルギーでまかなっている。上智大学は、グラウンドを除くキャンパスでの電力、2018年に開学した長野県立大学でも大学全体で使用する電力を、自然エネルギー由来の電力で賄っているという。
総会後の記者会見で、千葉商科大学の原科幸彦学長は「たくさんのエネルギーを使っている大学が、燃料を自然のサイクルで生み出されるものにしていくことは、持続可能な社会の実現のために大きな意義がある。将来意思決定に関わる人材を育てていくことも、大学の大きな役割だ」と、リーグの意義を強調した。
