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温室効果ガス 34%は食料由来 欧州の研究者らが新データベース 【4Revs】インテリジェンスから 6月 お薦めの1本

温室効果ガス 34%は食料由来 欧州の研究者らが新データベース 【4Revs】インテリジェンスから 6月 お薦めの1本
ウェブサイト:https://www.carbonbrief.org/food-systems-responsible-for-one-third-of-human-caused-emissions

イノベーション・プラットフォーム「4Revs」との共同企画となるこのコーナーでは、4Revsが会員向けに提供している情報の一部を紹介していきます。毎月第4週は、サステイナブルな社会の構築に重要となる世界のさまざまな統計や発表を収集している「インテリジェンス」から、お薦めの1本をお送りします。要点を和訳しています。詳細はリンク先をご参照ください。

主宰ピーダーセン氏のメッセージはこちらから

【ポイント】

1. 欧州委員会の合同調査センター(JRC)は今年3月、食料システムから出される温室効果ガスの排出量に関する新しいデータベース(EDGAR-FOOD)を作成した。1990年から2015年までの食料サプライチェーンの各段階から出る排出量のほか、セクター別やガスの種類別の排出量も示している。

2. これまでの評価よりもさらに包括的で詳細な研究であり、2015年の人為的な温室効果ガス排出量の34%を食料システムが占めることを明らかにしている。

3. 食料システムから排出される温室効果ガスのうち、71%は農業と、関連する土地利用および土地利用の変化(LULUC)から生じており、残りの29%は小売り、輸送、消費、燃料生産、廃棄物処理、工業プロセス、包装から出ている。

【概要】

2015年を見ると、サプライチェーンの初期段階である漁業、養殖、農業、および肥料などの投入物からの温室効果ガスが、食料システム全体の排出量の39%を占めている。

次に多いのが、土地利用と土地利用の変化(LULUC)で、全体の排出量の3分の1を占めている。これは主に、森林伐採や泥炭地を含む土壌の劣化によるカーボンロスによるものである。

研究では、LULUCの排出量のほとんどが途上国のものだと指摘している。途上国では、2015年の食料システムによる排出量の73%を、農業とLULUCが占めている。ただ、1990年から2015年の間で見ると、農業由来は13%、LULUC由来は26%減少したという。

輸送、包装、小売り、加工、消費、使用済み製品の廃棄が、2015年の残りの排出量の29%を占めている。この値は、先進国でも途上国でも1990年以降上昇している。

食料システムのエネルギー分野から出ている温室効果ガスは、世界規模で見ると1990年から2015年にかけて31%増加している。先進国では、産業や廃棄物を含む「エネルギー関連」セクターが、食料由来の排出量の半分以上を占めている(2015年)。

また、(食料の輸送量と輸送距離をかけあわせた)「フードマイル」が排出量に与える影響は、包装セクターよりもわずかに少ない。包装(主として製紙業界)による排出量が5.4%を占めているのに対し、輸送分野は4.8%だった。(編集協力:慶応大学経済学部3年 青柳識)

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