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ガラスの天井に挑む~女性首相への道

東京都議選、女性当選は過去最多の41人 流れは衆院選に引き継がれるか?

東京都議選、女性当選は過去最多の41人 流れは衆院選に引き継がれるか?
支持者と当選を喜ぶ女性候補者(共産・大山とも子氏、中央)=2021年7月4日、東京都新宿区(撮影・朝日新聞)

東京都議選(定数127)は7月4日、投開票が行われた。注目の一つだった女性の当選者数は41人で過去最多を更新し、前回の36人からさらに伸びた。「ジェンダー平等」の遅れが指摘される政治の世界で、この傾向が続くのかどうか。今年10月に任期満了を迎える衆院選が注目される。(編集部・金本裕司)

女性が当選者の3割超える

今回の選挙では、前回旋風を起こした都民ファーストの会(以下、都民ファ)が第1党を維持できるか、自民、公明両党が過半数を確保できるかが焦点だった。結果は、都民ファは自民に次ぐ第2党に後退、自公も過半数に届かなかった。

もう一つ注目されたのが、女性議員の躍進が続くかどうかだった。
戦後の都議選は、多少の増減があるが、女性の当選者を緩やかに増やしてきた。特に2000年代には増加傾向が定着して選挙のたびに女性当選者が増え、前回は36人になった。今回は女性候補を数多く擁立する都民ファの勢いに陰りがあるとの見方があり、女性の当選者数がどうなるかが注目された。

●2021年選挙後)都議会の女性当選者の推移(2000年代)

投開票の結果は、女性の当選者は41人、全体に占める割合は32%となり、前回の勢いを維持した。政党別では、上位から共産14人、都民ファ12人、自民、立憲民主がそれぞれ4人、公明3人と続いた。

前回2017年までの女性候補、当選者の推移
(東京都選挙管理委員会などの資料による)

「ジェンダー平等」への本気度が問われる衆院選

世界各国の議会でつくる「列国議会同盟」(IPU)という組織が毎年、各国の国会(二院制の場合は下院、日本は衆院)で女性が占める割合を調査し、発表している。今年の発表では、世界の国会で女性が占める割合は平均25.5%。伸び率はそう大きくないが過去最高を更新した。

これに対し、女性議員の少なさが指摘される日本は、衆院の女性比率は9.9%で、193カ国中166位と低迷が続いている(※前年は165位)。G7で見ると、フランスが39.5%で27位、イタリアが35.7%で35位、米国が27.3%で67位。100位台は日本だけだ。

日本では、2018年5月に「政治分野における男女共同参画推進法(候補者男女均等法)」が成立した。国と地方の議員選挙で、男女の候補者数が均等になるよう女性候補を増やす取り組みを政党と政治団体に求める内容だ。しかし、候補者男女均等法は強制力のある法律ではない。女性候補が増えるかどうかは、あくまで各党の判断になる。

現在の衆院議員の任期は10月21日まで。通常は任期満了を待つのではなく、解散権を持つ首相がタイミングを計って衆院を解散し、選挙が実施される。

今回の都議選で女性の躍進を継続させた有権者の判断を、各党がどう読み、「ジェンダー平等」に取り組む姿勢を示すかどうか。その本気度が、まずは女性候補者数に表れることになる。

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