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都市にあふれるプラゴミをなくす 【4Revs】世界のアントレプレナー②

都市にあふれるプラゴミをなくす 【4Revs】世界のアントレプレナー②
フェリックス・イジオモ Felix Iziomoh (ナイジェリア)

イノベーション・プラットフォーム「4Revs」との共同企画となるこのコーナーでは、4Revsが会員向けに提供している情報の一部を紹介していきます。毎月第2週は、世界各地で活動するアントレプレナーや、日本の参加企業でイノベーションを担うイントラプレナーを紹介していきます。


自然分解されないプラスチックは小さな粒子となり、水や食物連鎖を通じて私たちの体に取り込まれる。その量は毎週約5g、クレジットカード1枚分との報告もある。急激に発達した途上国の都市部を埋め尽くすプラゴミ。フェリックス・イジオモは、ナイジェリアのラゴスで仲間を募り、この問題に立ち向かおうとしている。(聞き手=ピーダーセン世穏)

解決策募るプロジェクト始動

――いま手がけている仕事は何ですか。

「ゴミ管理チャレンジ ラゴス2021(Waste Management Challenge Lagos 2021)」というプロジェクトに取り組んでいます。

ナイジェリアの商業中心都市であるラゴスは、最も成長の速いアフリカの都市のひとつで、2100万にならんとする人口を抱えています。毎日排出されるゴミは1万トンを超えており、ラゴス廃棄物管理庁(LAWMA)の管理能力を超えてしまいました。

ティーカップやストロー、水を保管する袋など、使い捨てのプラスチックゴミがあちこちに捨てられています。これらが、池や遊水池にたまるとうまく排水できず、下水システムの障害になっています。ひとたび雨が降れば、たちまち洪水になってしまうのです。

排水溝を埋め尽くすプラゴミ(イジオモ氏提供)

――どのように解決しようとしているのですか。

今年6月から9月29日まで、「イノベーションチャレンジ」として、ゴミ収集の負担と廃棄物を減らす解決策を広く募っています。来春にはクリエーティブチャレンジも開催する予定です。 

ラゴスのゴミ問題を改善する革新的・創造的な解決策に、イノベーターたちが実際に取り組めるように設計します。これは、学校や地域などで適切なゴミ管理について認知を高めることにもつながると考えています。

投資家や大企業にとっては、ゴミ管理システムの画期的なアイデアを実行して利益を出す中小企業やスタートアップと手を取り合い、支援するチャンスになります。

次世代のエンパワーメントも狙いの一つです。私は次の世代のリーダーたちに、彼らの可能性を理解させ、地球温暖化や生態系の維持、循環型経済の構築など、私たちが直面している問題に取り組み、社会にサステイナブルな変化をもたらすためのツールやスキルを身につけさせています。

ゴミ管理チャレンジはラゴスにおいて初めての取り組みとなりますが、彼らがスケールアップするために不可欠だと感じています。

若者の雇用機会にも

――なぜゴミ問題にフォーカスしようと考えたのですか。

見境のないゴミの廃棄は、環境問題だけでなく洪水や蚊の問題などを通じて、住民の健康にも深刻な影響を及ぼしています。ラゴスでは、満足できる生活が確保できているとは言えません。フェイスブックとツイッターで市民にオンライン投票をしてもらったところ、循環経済・循環生態系が、取り組むべき課題の一番に挙がりました。

ラゴスは大都市になりつつありますが、ペットボトルやゴミのせいで満足に道を歩けず洪水が多発するような街が、大きくなれるわけがないのです。

ゴミ管理チャレンジは、若年層の雇用を生む機会でもあると考えています。直接的にはプロジェクトを実行するうえで、私たち自身が様々な地域で働くスタッフを雇うことになりますし、間接的には企業やイノベーターがスケールアップすることで、雇用の増加が期待できます。イノベーションを通じて、若者に新しい機会を創造することになるのです。

ラゴスの街なかを流れる川も、プラゴミで埋め尽くされている(イジオモ氏提供)

――プロジェクトを実現するうえでの課題はありますか。

やはり一番の問題は、スポンサーを集めることだと思います。こういったチャレンジに投資してくれる先を見つけることは意外と難しい。例えば、ペットボトルを取り扱っている国際的な企業を見つけたいと思っています。

強い信念がモチベーション

――何があなたを突き動かしているのですか。

4Revsのアフリカにおけるプログラムマネジャーや研究者としての活動を通して、プラスチックゴミの問題に気づきました。ラゴスの現状を私たちのチャレンジで変える。それが、一番のモチベーションです。人類はいま、とても重要な問題を抱えています。それは人生をかけて解決する必要があるものなのです。

私がポジティブでいられるのは、そうした強い信念があるからだと思います。このプロジェクトが成功し、完全に施行されたときの社会へのインパクトを考えることが、モチベーションになり、情熱に変わり、精力的な取り組みへとつながっています。

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