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おもちゃだってサステイナブル バービー人形もレゴも

おもちゃだってサステイナブル バービー人形もレゴも
リサイクル素材でできた「バービー うみとともだち フラワーサンドレス」(マテル・インターナショナル提供)

サステイナビリティー(持続可能性)を追求する動きが、おもちゃメーカーにも広がっている。この夏、60年以上の歴史があるバービー人形やレゴ®ブロックに、廃プラスチックを利用した新商品や試作品が登場した。遊んで楽しいだけでなく、プラごみを減らし、子どもたちが環境問題を考えるきっかけにも――。21世紀のおもちゃは、そんな役割も担う。(編集部・竹山栄太郎)

リサイクル素材を90%使用

米国のおもちゃメーカー・マテルの日本法人マテル・インターナショナルは8月16日、「バービー うみとともだち(Barbie Loves the Ocean™)」シリーズを売り出した。

フリル付きの花柄ワンピースを着たドール(人形)の「バービー うみとともだち フラワーサンドレス」のほか、プレーセットの「ビーチパラソルセット」「ビーチバレーセット」「ジューススタンド」の計4商品があり、トイザらス限定で販売している。

ドール本体には、海沿いの地域で、海に流れ込む前に回収された「オーシャン・バウンド・プラスチック」由来のリサイクル素材を90%、ドレスやアクセサリーにもリサイクル素材を90%以上使っているという。

「バービー うみとともだち フラワーサンドレス」(税込み1650円)
「バービー うみとともだち ビーチパラソルセット」(税込み1650円)
「バービー うみとともだち ビーチバレーセット」(税込み1650円)
「バービー うみとともだち ジューススタンドセット」(税込み3520円、画像はいずれもマテル・インターナショナル提供)

1959年の発売開始以来、マテルは宇宙飛行士や外科医といった職種のバービーを発表して女性の社会進出をアピールしたり、さまざまな肌の色や体形、車いすや義足のドールを展開して多様性(ダイバーシティー)を訴えたりと、時代の変化を映し出してきた。今回は環境問題に焦点を当て、新たに「The Future Of Pink Is Green™」(ピンクのみらいはグリーン)と題したキャンペーンも始めた。ピンクはブランドを象徴する色であり、環境にやさしい未来をめざすことをアピールしている。

「The Future Of Pink Is Green」のロゴ(提供)

マテルはバービーのほか、「きかんしゃトーマス」や「メガブロック」などのおもちゃも手がける。SDGs達成に向けて、2030年までに商品・パッケージ両方を100%リサイクル可能な素材か、バイオベースのプラスチック素材にするという目標を掲げている。

ペットボトル再生のレゴ、製品化めざす

デンマークに本社を置くレゴグループは6月、使用済みペットボトルを再利用したレゴブロックの試作品を公開した。1Lのペットボトルから、2×4のレゴブロック10個分の原材料ができる。

ペットボトルを再生したレゴブロック(レゴジャパン提供)

レゴグループは2015年、「30年までにレゴのすべてのパーツを持続可能な資源由来のプラスチックに切り替える」と発表した。18年にはサトウキビからつくられたバイオポリエチレン製のパーツを導入し、木や枝といった小さく柔らかいものを中心に100種類以上のパーツに使われている。

バイオポリエチレン製のパーツ(提供)

だが、硬さや丈夫さが求められるブロックの素材にバイオポリエチレンは向いていない。そこで、3年にわたって250種類以上の素材や数百種類のプラスチックの配合を試し、品質や安全性を満たした今回の試作にこぎつけたという。製品化にはさらに1年はかかるとみている。

ペットボトルを再生したレゴブロック(提供)
ペットボトルからレゴブロックをつくる工程を説明した図(提供)

レゴグループのサステナブル・マテリアルズ・センターのティム・ブルックス氏は、「遊び心を刺激するだけでなく、使用する素材によっても地球に良い影響を与えたい」とコメントしている。

「週にカード1枚分摂取」、プラごみ削減が急務

プラスチックごみによる海洋汚染は世界的な課題だ。SDGsの目標14には「海の豊かさを守ろう」が掲げられている。

世界経済フォーラムが2016年に発表した報告書によると、海のプラスチックごみは1億5000万t以上にのぼり、年間800万tが新たに流入している。報告書では「このままでは、2050年には海のなかにいる魚すべての重量よりプラスチックのほうが重くなる」と指摘している。

また、プラスチックは適切に処理されなければ川や海に流れ込み、食事や飲み物を通じて人の体内へ取り込まれる。WWF(世界自然保護基金)は19年6月、オーストラリアのニューカッスル大学への委託調査をもとに、「人は平均すると、1週間にクレジットカード1枚分にあたる約5gのプラスチックを摂取している」と発表し、海洋汚染に警鐘を鳴らした。

この発表の直後に大阪で開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議では、海洋プラスチックごみ対策が主要テーマとなり、50年までにプラスチックによる新たな海洋汚染をゼロにすることをめざす「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を共有することが首脳宣言に盛り込まれた。

バリ島の観光ビーチに流れ着いたプラスチックごみ(撮影・朝日新聞)

国内では20年7月からレジ袋が有料化された。外食大手がプラスチック製ストローを紙ストローに切り替えるなど、プラスチックごみ削減に向けた動きが広がる。21年6月には企業に使い捨てプラ製品の削減を求める「プラスチック資源循環促進法」が成立し、22年4月にも施行される予定だ。

マテルやレゴグループの新しい取り組みは、おもちゃ業界のリーダーがプラごみ削減の潮流に敏感になっていることを示している。バービーを手がけるマテル・インターナショナルの担当者は、「おもちゃは子どもにとって身近な存在。おもちゃを通してたくさんのことを感じ、家族や友達など身近な人と会話をするきっかけになってほしい。今回の商品が環境問題について考え、会話し、行動するきっかけになればと思う」とコメントしている。

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