SDGs ACTION!

家庭から始めるSDGs  朝日新聞が親子参加のワークショップ

家庭から始めるSDGs  朝日新聞が親子参加のワークショップ

教科書でも、学校の授業でも頻繁に取り上げられるようになったSDGs(持続可能な開発目標)。家でも、食事やだんらんのときに話題になることが増えてきました。小中学校や高校を中心に、新聞記事を使ってSDGsを学んでもらう出張授業を展開している朝日新聞社CSR推進部では、新しい試みとして親子で参加できるワークショップを検討中です。8月にはトライアルとして、自社の社員家族向けに「家族一緒にSDGsワークショップ」を開きました。(CSR推進部・鹿島啓司)

1枚の写真から

実施は、8月6日。夏休みにやる自由研究の手助けになればと計画しました。新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないなかで、ワークショップはZoom上での開催に。14家族33人が参加し、子どもたちも、小学1年生から中学2年生までと幅広い年齢にまたがる格好となりました。

まず、全員を相手に講師がSDGsの概要や重要な課題を説明していきます。食料援助を受ける外国の子どもたちの写真をもとに親子で話し合い、気づいた点をあげてもらいました。

当日の資料から
1枚の写真から様々な気づきを得られることを講師が説明

「食料援助?」「学校はどうしてるの?」など、それぞれの視点がSDGsの17目標のどれにあてはまるのかを練習。次に、大きな社会問題となっている食品ロスや、プラスチックごみの海洋生物への影響、リサイクルの必要性といったテーマや課題、解決策などを、地球規模から家庭レベルまで幅広く解説しました。

小学1年生にはちょっと難しかったかもしれませんが、家族で話し合ったことで知識が増えたり、問題意識を感じたりできたようです。

このあと、いよいよワークです。CSR推進部が制作した教材「ペタッとSDGs新聞学習ふせん」を参加者に事前配布し、朝刊の中からSDGsの視点で「これ」と思う記事に該当すると思われる目標のふせんを貼って、感じたことを親子で話し合ってもらいました。

18種類のシールがセットになったシート。関連するゴールがない場合は 自由な発想で「18番目のゴール」をつくる

17目標とリンクさせて発表

次は、2~3組ずつに分かれて発表です。Zoomの各ルームには、社員のファシリテーターが1人つきました。それぞれの親子に、どの記事を選んだのか、どのような視点を持ち、何が問題なのかを説明してもらい、ファシリテーターからも、どのような解決策や改善方法があるかなどを問いかけました。

例えば、夫婦別姓を扱った記事を選んだ親子は、目標5の「ジェンダー平等を実現しよう」のふせんを選択。「一人ひとり名字を持っているのに、結婚したらなぜ変えなきゃいけないのかなあ。妻が夫の姓に変える夫婦が多いのも、平等なのかなあ」(中2)

エネルギー基本計画案の記事を選んだ親子は、目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」のふせんを貼りました。「経済産業省は『環境をこわさないから』という理由で原発を建て替えたいみたいだけど、本当にそれでいいのか、わからない。また福島の事故のようなことが起きないよう、みんなで話し合ったほうがいいと思う」(小4)

みんなで話し合うときのルールも示す

事後アンケートでは、「家族で社会問題を話し合ういい機会になった」と大きな反響が寄せられました。

家庭から世界への循環

子どもも緊張しながらでしたが、一生懸命紙面をめくる姿が印象的でした」
「同じ記事でも、人によって色々な見方があることがわかって面白かった」
「親子で話しながら取り組めた。親も気づきが多く、これからどのように家庭でSDGsの視点を持てばいいか知ることができた」
「食品ロスは思っている以上に深刻な状況なのだと、日々の食生活のあり方をあらためて考えさせられました。まずは食料庫の整理です」
「翌日、本屋に寄った際、昨日のSDGsの本だねと興味を持ってくれたので購入しました」

大人たちは、日常生活の中でSDGsに向けて一歩踏み出そうとする際、中核的な単位となる「家庭」の重要性を再確認。子どもたちも、身近な世界からSDGsを学ぶ家族学習の楽しさを味わえたようでした。ほとんどの親子が「次回も参加したい」と回答し、具体的な行動への大きなモチベーションになったようです。

世界の国々や企業、市民がなぜSDGsに取り組むのか。子どもたちの世代が、将来も安心して暮らせる地球環境をつくろうというのが大きな目標です。取り組みを持続していくカギを握るのも、子どもたちの世代です。経験豊かな大人と、発想豊かな子どもが一緒になって考える機会を増やし、知る、調べる、考える、行動する。これらのサイクルが家庭から社会、世界へとつながり、循環していくことが、SDGs実現への大きなうねりとなる――そんな可能性を感じたワークショップでした。

・一般家庭向けのSDGsワークショップは現在、計画中です
・「ペタッとSDGs新聞学習ふせん」は学校向けに直販しています
・ 問い合わせは、朝日新聞NIE事務局(電話03-5540-7870、平日10~17時)
この記事をシェア
関連記事