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持続可能なファッション産業へアライアンス 伊藤忠、ゴールドウインなど28社連携

持続可能なファッション産業へアライアンス 伊藤忠、ゴールドウインなど28社連携
ジャパンサステナブルファッションアライアンスの第1回総会後に記念撮影する参加企業の関係者ら=2021年11月12日、東京都港区

環境負荷が大きいと指摘されるファッション産業を、サステナブル(持続可能)な産業に変えることをめざす業界団体「ジャパンサステナブルファッションアライアンス」(JSFA)が発足し、11月に第1回の総会が開かれた。2050年度の「ファッションロスゼロ」と「カーボンニュートラル」(温室効果ガス排出実質ゼロ)を目標に掲げ、業界横断で解決策を探る。(編集部・竹山栄太郎)

50年度にロスゼロ&カーボンニュートラルめざす

JSFAは、ファッション・繊維業界の共通課題を各社の連携で解決しようと、21年8月、11社でスタートした。11月12日現在の正会員企業は、伊藤忠商事、豊島、日本環境設計、倉敷紡績、東レ、帝人フロンティア、アダストリア、ゴールドウイン、ユナイテッドアローズ、YKK、丸紅、鈴木商会、福助の13社。ほかにアシックスや良品計画、タカキューなど15の企業・団体が賛助会員として名を連ね、環境省、経済産業省、消費者庁がパブリックパートナーとなっている。

11月12日に東京都内で第1回総会が開かれ、参加企業の担当者らが活動の目的や目標を確認した。2050年度に「ファッションロスゼロ」(原材料から最終処分までの全過程における、単純焼却および埋め立て処分ゼロ)と「カーボンニュートラル」(原材料から最終処分までの全過程における、二酸化炭素排出の削減と吸収による排出量実質ゼロ)の2本柱を掲げた。

2030年に向けては、「残在庫量や廃棄に関する実態把握による透明性の確保」「全過程における温室効果ガスの把握と削減」「次世代素材や新技術の活用、環境配慮設計の積極的採用」などの項目を挙げ、現状把握を進めたうえで目標数値も設けていくという。

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JSFAの活動目的と目標(提供)

環境省によると、服1着を生産するにあたり排出される二酸化炭素は約25.5kg、消費される水は約2300Lにのぼる。一方で、1年間1回も着られていない服が1人あたり25着もあるという。

若い世代を中心にSDGsや環境問題に注目が集まるなか、業界内でも課題解決の機運は高まっている。総会後の記者会見で、3人の共同代表のうち高尾正樹氏(日本環境設計社長)は、「参加企業はそれぞれ長い時間、ファッションのサステナビリティーに関する取り組みを進めてきたが、現在のファッション産業がサステナブルかと問われると多くの疑問があるのは事実だ」と指摘。「ファッション産業特有のサプライチェーンの複雑さ・長さや、消費行動自体を変えるための消費者との関係づくりといった課題がある。消費者・生活者を巻き込み、社会全体で取り組んでいきたい」とアライアンスの意義を説明した。

また、高尾氏は「ファッションロスを解消すれば、廃棄費用や在庫費用がなくなり、本質的に事業者の利益につながる。トレードオフ(二律背反)ではなく、コストを削減させながらファッションのサステナビリティーを実現することは可能だ。ただ、どのように実現していくかはこれから考えていかないといけない」と述べた。

環境だけでなく人権問題も

SDGsとの関連について、共同代表の大室良磨氏(伊藤忠商事ファッション・アパレル第3部長)は、「ファッション関連のすべてのSDGsの目標を達成していきたい。人権、環境、インクルージョン(包摂)といったところに関して、参加各社とともに積極的に達成に向けて動いていきたい」と話した。

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記者会見に臨むJSFA共同代表の(右から)勝田悦弘氏、高尾正樹氏、大室良磨氏=東京都港区

共同代表の勝田悦弘氏(ゴールドウイン経営企画本部CSR推進室マネージャー)は、「生活者を巻き込んでサステナブルファッションを推進することが、非常に大きなポイントになる。生活者との大きな接点を持つ量販店やEC(ネット通販)の方々とも連携をとりたい」と語った。

ファッション産業をめぐっては、環境だけでなくサプライチェーンの人権問題も課題となっている。中国・新疆ウイグル自治区で生産される新疆綿は、安価で高品質とされるが、強制労働の疑いがあるとして欧米諸国などから問題視され、国内のアパレル大手でも使用を中止する動きが相次ぐ。勝田氏は「まずは環境に集中的に取り組むが、並行して人権に関しても背景やポイントをスタディーしながら、今後の取り組みについて議論していきたい」と述べた。

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