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ファミリーマートとセーブ・ザ・チルドレンが合同出前授業 コラボで伝えるSDGs

ファミリーマートとセーブ・ザ・チルドレンが合同出前授業 コラボで伝えるSDGs
中学校のオンライン出前授業に臨むファミリーマートとセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの講師(左手前)=東京・青山(記事中の画像の一部は、生徒の顔部分をモザイク処理しています)

コンビニエンスストアのファミリーマートとNGOのセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが、中高生を対象に、SDGsをテーマにしたオンラインの出前授業を合同でおこなっている。消費者に身近なコンビニと、世界の子どもを支援する団体が連携するねらいは? 授業の様子をのぞいた。(編集部・竹山栄太郎)

身近な「ファミチキ」クイズから

ファミリーマートとセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、2021年3月から「『いま、私たちにできることを考えよう』SDGsオンライン教室」と題した合同授業を始めた。

4回目の合同授業が2022年3月2日、大阪府豊中市立庄内さくら学園中学校の1年生を対象におこなわれ、3クラスの計約120人が参加した。講師はファミリーマートのサステナビリティ推進部CSR推進グループの岡原未幸さんと、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンのアドボカシーオフィサー、川口真実さん。ファミリーマートの親会社・伊藤忠商事が東京・青山に構える「ITOCHU SDGs STUDIO」と中学校をオンラインで結んだ。

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生徒たちに呼びかけるファミリーマートの岡原未幸さん(左)とセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの川口真実さん

「ファミリーマートについてのクイズです。この茶色い商品の名前は? 1から3のなかで手を挙げてください。1番の『ファミチキ』だと思う人?」。授業は身近な話題で生徒たちを引きつけるところからスタートした。

続いて本題に入り、川口さんがSDGsの基本的な内容を解説。17の目標があり、1~6の「基礎的な社会サービスの課題」、7~12の「経済的な課題」といった四つのグループに分けられることなどを紹介した。

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セーブ・ザ・チルドレンジャパンの川口真実さんによるSDGsの解説
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オンライン授業を受ける生徒たち(豊中市提供)

「私たちにできること」を議論

授業のメインとなるワークでは、生徒たちがストーリーを読み、SDGsのどの目標と関連するのか、自分たちに何ができるかを班ごとに考えた。

ストーリーの主人公は中学2年生のあさこさん。バレーボール部の試合の帰り際、保護者から差し入れられたファミリーマートのおむすびや弁当が体育館に残っているのを見かける。その夜のテレビのニュースで、中東のイエメンでは内戦が続き、子どもたちが飢餓に直面していることを知る――。そんな内容だ。

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生徒たちが題材にしたストーリー(前半)
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生徒たちが題材にしたストーリー(後半)
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生徒たちが取り組んだ課題

ワークの後には発表の時間があった。関連するSDGsの項目として、目標1「貧困をなくそう」、目標2「飢餓をゼロに」、目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標6「安全な水とトイレを世界中に」、目標16「平和と公正をすべての人に」を挙げた班が目立った。

また、自分たちにできることとしては、「食べられる分だけ買う」「総理大臣、大統領みんなが肩を組み合い仲良くする」「節電や節水をする」「募金に協力する」などの声が上がった。

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班ごとに課題に取り組む生徒たち(豊中市提供)

おむすびで、紛争でSDGsを考える

続いて岡原さんと川口さんが、それぞれのSDGsの取り組みを紹介した。

岡原さんはファミリーマートのおむすびを例に、原料調達では児童労働などの不当な労働をさせていないか確認▼製造工場では二酸化炭素の排出を減らすなど環境に配慮▼販売時には期限が迫った食品を値引きし、廃棄ロスを減らす――といった項目を説明。「おむすび一つでもたくさんのSDGsのゴールに関わっています」と話した。

川口さんは、セーブ・ザ・チルドレンが約120カ国で活動していると紹介。紛争により貧困や飢餓の問題が起きるだけでなく、特に女の子が教育を受ける機会を失って「質の高い教育」や「ジェンダー平等」の達成にも影響が出るとした。そのうえで、「食料や物資の支援、政策への働きかけなどを通じて、子どもたちが再び希望を持ち、SDGsの目標に近づけるように活動しています」と語った。

最後に川口さんは「きょう考えたことをきっかけに、SDGsの達成に向けてアクションを起こしていってください」と呼びかけた。

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オンライン授業をおこなうファミリーマートの岡原未幸さんとセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの川口真実さん

補い合って幅広い目標を網羅

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、ファミリーマートが店頭で呼びかけている募金の寄託先の4団体の一つで、両者は20年近くにわたって関係を築いている。それぞれ独自で学校での授業もしているが、一緒に授業をするねらいは何だろうか。

ファミリーマートの大澤寛之さんは「これまでのように募金をお渡しするだけでなく、連携を形にしたいという思いで新たに合同授業を始めた」としたうえで、「企業とNGOは立ち位置や役割、取り組みが違うので補完関係にある。『SDGsネイティブ』とも言われる中高生の世代に、両者のSDGsの取り組みを一緒に伝えていきたい」と話す。

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの山田有理恵さんは「SDGsはNGOだけ、企業だけが取り組むものではなく、『誰ひとり取り残さない』ためにみんなでやっていくことが大事です。環境分野に力を入れるファミリーマートと、社会開発系の課題が得意な私たちが組むと、SDGsの目標すべてを網羅できるうえに、目標17の『パートナーシップ』の大切さも説明できます」。

両者は、新年度も学校からの希望に応じて合同授業をおこなっていく予定だという。

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(左から)ファミリーマートの大澤寛之さん、岡原未幸さん、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの川口真実さん、山田有理恵さん
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